小学校外国語活動を中心に英語教育全般についてつぶやき中(*^_^*)

本気度120%

先週、都内のある小学校の副校長先生からお電話をいただきました。一昨年度から何度か研究授業や研修の講師としてお邪魔している学校です。昨年度中に「来年度も先生に研修をお願いしたいので、よろしくお願いします。」と伺っていたので、電話に出たときは今年度の研修日程についてのご相談だと思っていました。

確かにそうだったのですが、驚いたのはその内容と回数でした。副校長先生からのご依頼内容をざっとまとめるとこんな感じでした。

「昨年度までと同様、全教員対象の指導法研修や研究授業の講師もお願いしたい。」
「そのうち夏休み中の1回は、近隣の学校(来年度、この学校と統合予定)の先生方との合同研修にしたい。」
「来年度は次期学習指導要領先行実施の年でもあり、今年度中にすべての教員が本腰を入れて外国語の指導力をつけなくてはいけないので、今までのような全教員対象の研修や研究授業の講師だけでなく、『普段の授業』を参観して個別に指導していただきたい。」
「市教委からおりている予算が○円だが、この金額だったら何回くらい来ていただけるか。」

きれいごとを言うつもりはありませんが、私は「1時間あるいは1回いくらで講師を受けます」などと言える身分ではありません。極端なことを言えば、交通費の持ち出しが出なければよい、くらいです。その旨を副校長先生にお伝えすると、「わかりました。これから研究主任、教務主任と相談して、先生に来校をお願いしたい日程を調整します。」とのお返事をいただき、電話を切りました。

きっと数日後にまた連絡が来るんだろうな~、と思っていたら、またまたびっくり。約2時間後に電話がありました。驚きつつも手元に筆記用具と自分のスケジュール表を準備しました。電話の向こうから副校長先生が「○月○日の□校時と□校時…」のように次々とおっしゃるのを聞き、こちらもテンポよく「はい、空いています!」の返答を繰り返しました。

3月上旬に、私の平成29年度の予定(この小学校からの研修依頼を受けられない日)は文書でお知らせしてあったものの、この1ヶ月でまた新たな予定が入ったにもかかわらず、副校長先生がお知らせくださった日程はすべてOKでした\(^o^)/。それにしてもやけに回数が多い…と思ったら、全学級の授業を参観して全学級担任の先生に個別に指導助言させていただくことになりました。私が何度も学校に足を運ばなくてよいように、でも1日何時間も参観して指導助言をするのは私にとって負担になることも考えてくださってか、1回に2学級ずつ割り振り、ほとんど午前中で固めてくださいました。こういうスケジュールをわずか2時間ほどで調整してしまう副校長先生(と教務主任、研究主任の先生方)の行動力には感心するしかありませんでした。

一昨年、昨年と研修や研究授業の講師をさせていただいたところ、多くの先生方はとても熱心に参加してくださいましたが、確かにやや受け身になってしまっていると思われる先生方も少なからずいらっしゃいました。「これではダメだ!」と管理職や中核となっている先生方が気づかれたのでしょうね。「とにかく全員が授業を見てもらって助言を受けよ」という方針(というか政策?)に踏み切ったこの学校の姿勢に、120%の本気度を感じました。

忙しくなりそうですが、嬉しい悲鳴です。お受けしたからには私もしっかり頑張らなくては。私にも貴重な勉強になるはずです。1年後の、この学校の先生方と自分の成長を楽しみにしています。

それぞれの選択

今日は入学式だった学校が多かったようですね。東京はお昼前あたりから風が強く、早めに咲いた桜は散り始めていましたが、満開の桜の木の下で、晴れ着姿の記念撮影をしている親子をあちこちで見かけました。いよいよ平成29年度が本格スタートですね。

一方、学校関係者、特に管理職の先生方や教育委員会で働いている方は平成29年度が始まったばかりなのに、次の平成30年度のことを気にかけている方もいらっしゃるでしょう。小学校は次期学習指導要領の先行実施が始まるため、それに向けて動き出しています。おそらく各自治体や学校が頭を痛めている課題の一つが授業時間数(週当たりのコマ数)でしょう。

高学年の外国語が週2単位時間、中学年の外国語活動が週1単位時間になるので、プラス1コマ分をどのように取るか?まだ結論が出ていない地域もあるでしょうか。私が知っているだけでも様々です。

高学年の外国語を45分×週2コマと決めたもののプラス1コマの取り方まで決定していない地域もあれば、高学年は週1回7時間授業をやる方向で検討している地域もあります。45分の授業を週1回+15分の短時間活動を週3回実施と決めたものの、現場から不安の声が絶えないという話も聞いています。

そうした中、今日、こんなニュースを見つけました

午前5時限の小学校 福岡で増
https://news.yahoo.co.jp/pickup/6235681


これには賛否両論あるでしょう。私も1校時と2校時の間、4校時と5校時の間に5分休みがないことが気になりました。もちろん児童を90分間座らせっぱなしということはないでしょうし、授業時間が正味45分取れないことが前提になってよいのか?という(大きなお世話だけど)疑問はあります。でもこれも苦肉の策なんだろうな…と思います。先生方の負担が少しでも減って、児童の学習面にプラスが生じるのであれば、私のような外野がどうこう言うことでもありません。

もう一つ私が気になっているのは、現場の先生方の「今」の反応です。以前にもこちらのブログで似たようなことを書きましたが、外国語(活動)に関して、不安ばかり募らせている方がいらっしゃることです。気持ちはわかります。かと思うと「(高学年の教科化や中学年の必修化などに対して)先生たちの危機感がない」と嘆く校長先生もいらっしゃいます。

でも…一部の研究開発校などを除いて、多くの学校は今年度1年間は現行の学習指導要領下で動いています。来年度に向けて研修や教材研究なども大切ですが、まずは「今」の外国語活動をしっかり行ってこその「次」ではないでしょうか。必要なのは不安でも危機感でもありません。JTEやALTに任せきり、担任が教室英語の一つも発しない、子ども向けの英語の歌やチャンツを1曲も知らない、という状態では次年度がどうこうというより、今年度教える子どもたちが気の毒です。

始まったばかりの平成29年度。課題は色々あるでしょうが、昨年度できなかったことのうち一つでも「できる」に変えてみませんか?


落ち着こう

新年度の人事異動ばかり気にかけていて、もっと大事なことを忘れていました。3月31日に文部科学省のホームページで次期学習指導要領が公示されていたんですよね。2月中旬発の「次期学習指導要領案」へのパブリックコメントの概要も掲載されていて、さしあたって関心のある箇所、自分の仕事と直接関係のありそうな箇所は興味深く読みました。

さて、2月中旬に案が発表されてからずっと引っかかっていることがあります。高学年の外国語の「内容」に以下の記述があります。

代名詞のうち,I,you,he,sheなどの基本的なものを含むもの

どうもこれを早合点して解釈した人がいるようです。例えば家族や友だちの紹介などで “He / She is ~. ” あるいは“He/ She can ~.” という文を使うことはあるでしょうし、この程度の文を聞いて意味がわかる、~の部分に適切な身近な語を入れて言う、ということは、3年生から5年生まで計140時間の外国語(活動)の授業を経てきた児童にとってさほどハードルが高いとは思えません。

ところがなぜか「代名詞で he / she を扱う」の部分が「三単現を教える」と誤解されているようです。2020年度からは文科省が作成した暫定教材ではなく、検定を通った教科書が現場で使われることになるわけですが、実際のところは教科書を見てみないことには私もわかりません。ただ、現時点で文科省が明示していない内容を(素人の個人がSNS等で発信したものならともかく)、マスコミや大学の先生など社会的責任や影響力のある人が発信してしまうことに違和感があります。

先日も道徳の教科書の検定に関して「パン屋が和菓子屋に書き換えられた」ことだけがひとり歩きしてテレビでも取り上げられました。外国語、外国語活動も今回の指導要領改訂では大きな変更となるだけに、マスコミが注目するでしょう。情報を受け取る側の私たちは見聞きしたものを鵜呑みにするのではなく、情報の信ぴょう性を自分で判断する力が必要かもしれません。

でも本当はそれ以前に、然るべき立場の人が誤情報を発信しないことと、文科省が素早く簡潔に情報を公開することが大切だと思います。

新年度の一喜一憂

毎年4月1日になると気になるのが「教職員の人事異動」。自宅に届く新聞に載っているのは埼玉版なので、私の仕事には直接は関係ありません。何しろ仕事はほとんど都内なもので…f^_^; (私のような人間を「埼玉都民」と言うそうな…。)

毎年、4月1日は東京都教育委員会発表の人事異動を見て一喜一憂しているわけですが、一緒に頑張ってきた先生方、お世話になった先生方とのお別れを考えると「憂」の方が多いです。公立学校の先生方に異動はつきものなので、毎年いちいち嘆いても仕方ないと頭でわかっていても、ため息が出てしまいます。さらに今年は別の意味での「憂」もあり、新年度早々、どんよりしています(今日の埼玉県南部の天気も雨のち曇りで真冬並みの寒さもあって、さらに気分がどんより

一番残念だったのは、JTEとして勤務している小学校の副校長先生の異動です。校長先生に昇任されての異動なのでおめでたいことではあるのですが、副校長先生の笑顔と温かいお声かけで数々のピンチを乗り越えてきただけに、お名前を見たときはがっくりでした。間もなくお目にかかる新しい副校長先生も素敵な方でありますように♪嘆いてばかりいないで、新しい出会いも大切にしなくちゃね


WTTのふりかえり その2

前回の投稿のつづきです。今回は Welcome to Tokyo Unit8 「おみやげを探してあげよう!」についてです。

この単元も教材に示されている Project を実行するのはとても無理、だからと言ってDVDを視聴するだけで終わっては授業になりません。とはいえ、まずは教材に示された通りにDVDを視聴し、内容についての質問に答えるという手順で進めました。そこでの珍(?)解答。(まあ、ウケねらいでしょう。普段からいかにもそういう感じの男子なので)「アナはもともと、だれへのおみやげを探しに商店街へやってきたのかな?」に対する答え「エルサ」。『アナ雪』の見過ぎですか!?

ここでは買い物がメインテーマなので、外国のお金についてもふれました。参考資料はこちら

世界のお金図鑑 http://doranekokazu.com/

パワーポイントで画像を見せながら、どこの国のお金か、通貨単位は何か、などをクイズ形式(もちろん英語)で進め、通貨記号にもふれました。突然ですがここでみなさまにクイズです。

「日本、フィリピン、デンマーク、ノルウェーの通貨に共通することは何でしょう?」

6年生の児童にも同様のクイズを出題しました。パワーポイントでそれぞれの国の国旗をクリックすると、その国の特定の硬貨の写真が表示されるようにスライドを作りました。最後に開けたのは日本なのですが、勘のよい子は最初の国の硬貨の写真を見てピンと来ていたようです。

答えは「穴の空いた硬貨が流通している国」です。その中でも日本の五円玉はかなり特殊で、アラビア数字が一切使われていません。(外国人観光客泣かせのお金?)実際、いくつかの国でホームステイの経験をしたことがある知人は、出国前に五円玉にたくさん両替をしておき、ホストファミリーやお世話になった人にお土産と共に五円玉を渡すと珍しくて喜ばれたそうです。

さて、この単元のふりかえりカードには「外国から東京に遊びに来た友だちが、家族へのお土産をさがしています。あなたは何をすすめますか。理由も書きましょう。」という項目を入れました。「扇子」「手ぬぐい」「人形焼」などは複数の児童が答えていました。「かさばらない」という理由を考えられるのはさすが6年生といったところでしょうか。

児童がふりかえりカードを書いている間、私はたいてい教具の片づけをして担任の先生は教室内を巡回して児童の記述を見ています。このときは授業の最後に少し時間があったので、担任の先生が巡回中に「この子のふりかえりは全員に聞かせたい」と思ったものを全体で発表させました。

その中で特に印象に残ったのは「折りたたみがさ」でした。これを書いた子のおばあちゃんはアメリカ人なのですが、理由は「おばあちゃんがアメリカから遊びに来たとき、日本の折りたたみがさはじょうぶで軽くてデザインがおしゃれだと言って、おみやげに何本も買って帰ってよろこんでいたから。」というものでした。これを聞いた他の児童も「へぇ」という反応でした。折り畳み傘そのものは外国にもありますし、特に日本的なものでもありません。でも外国の人が本当に選んで喜んで買って帰った、という実話が子どもたちにとって説得力があったようです。児童どうしの学び合い、という当たり前の大切さを噛みしめました。


WTTのふりかえり その1

前回の投稿で Welcome to Tokyo を扱った授業で、児童が書いた「ふりかえり」についてふれましたが、もう少し付け足します。前回は5年生の話でしたが、今回は6年生です。

まずは Unit1。ここではメインキャラクターの Shinji だけでなく、他のキャラクターについても地下鉄の路線と絡めて英語でやりとりをする活動を行いました。このとき、東京都内の路線図をペアで1枚配布し、路線図を見ながら活動を進め、さらに中学校につなげるためにヘボン式ローマ字についてもふれました。駅名などの固有名詞の表記はヘボン式が基本ですからね。「新橋」を Shimbashi と表記することに「へぇ~」だった子もいましたが、先日、新聞記事になったような「2種類のローマ字表記があるせいで児童が混乱する」ということは、少なくともこのときは起きませんでした。おそらく訓令式とヘボン式の特徴をざっくり簡潔に(1分もかからない)説明して児童が納得したうえで進めたからだと思います。

この単元の Project 「いろいろな観光スポットへの行き方を(英語で)伝えよう」は、私が教えている児童にはハードルが高すぎるので行いませんでしたが、「新宿から乗り換えなしで、それぞれの名所(児童になじみのある上野動物園や高尾山)に行くには、どの路線に乗ればよいか」をグループで考えさせ、「外国人観光客役の私に英語で教える」というロールプレイも行いました。

このときのふりかえりカードには「あなたが外国人観光客を東京の名所に連れて行ってあげるとしたら、どこに行きたいですか。理由も書きましょう。」という項目を入れました。野球少年は「東京ドーム」、おしゃれ好きな女の子は「渋谷の109」など、この記述にも児童の趣味や個性がよく表れて、楽しみながら読みました。(学校の最寄駅から渋谷へは乗り換えなしで15分ほどで行けるのですが、下町から遠いせいか、浅草寺、東京スカイツリー、秋葉原など、いかにも外国人観光客が多く集まりそうな場所はあまり出ませんでした。)

それ以外の自由記述の欄で多かったのが「東京に住んでいても、知らない場所や駅がたくさんあるのでもっと知りたい。」「オリンピックのときは外国の人を案内できるように、英語だけでなく電車のことも色々知らなければいけないと思った。」という内容でした。何だか怖いくらいにこちらの思惑意図にはまっています。そうなんです。英語表現だけ勉強して覚えたところで、案内できる内容を知らないことには実際に使えないんですよね。

なお、ここで使用した路線図は下記で入手可能です。「複製・転載・再配布自由。ただし売らないでください。」という寛大な注意書きがついています。

47都道府県鉄道路線図 ひまわりデザイン研究所

東京都の路線図はこちら
http://www.47rail.jp/data/13_tokyo_201603.pdf

他の Unit についてはまた後日。


おすすめの和食

年度末、毎日忙しくお過ごしの方もいらっしゃるでしょう。私はというと、たぶん今の時期が1年で一番ゆったりしています。でもここで本当にゆったりのんびりしすぎると新年度がきつくなるので、まとまった休みだからこそできることを毎日地味~にこなしています。

JTEとしての仕事で今年度をふりかえって来年度の改善につなげたい一番のポイントは Welcome to Tokyo (以下、WTT)の扱いです。東京都以外の学校にお勤めの方は「何?それ?」かもしれません。2020年開催予定の東京オリンピック・パラリンピックに向けて、東京都が作成した英語教材のタイトルです。小学校高学年用、中学校用、高等学校用の3レベルがあり、来年度は小学校中学年向けの教材も配布されるそうです。

ただでさえ学習指導要領の改訂で現場は激動期を迎えるのに(特に道徳と外国語に関しては大改革ですよね)、こんな教材をぶち込んでくる東京都教育委員会をプラス評価するのはごく一部の人でしょうが、それでもやらなければいけないのが現実です。

今年度は小学校の先生方も私も手探り状態でした。東京都が示している指導内容をこなせる学校・学級はおそらく一割にも満たないでしょう。つまり都が出した指導の手引等の資料は現実的には使い物になりません。

そんな中、今年度のWTT関連でおもしろかったのは5年生の児童のふりかえりカードでした。Hi, friends! 1のLesson9が終った後、1年の最後はWTTの Unit2「給食を楽しんでもらおう」で締めくくりました。ここでは和食が話題になっています。この単元を扱った授業のふりかえりカードには「外国の人にすすめたい和食とその理由を日本語で書きましょう。」という項目を入れました。5年生2クラスあるうち、1クラスは約半数の児童が「お寿司」と書き、理由も似たようなものが多かったのですが、もう1つのクラスは児童の記述に個性が表れました。中でも私の印象に残ったのは「松前漬」と「鮭とば」でした。両方とも、書いたのは女子です。(担任の先生曰く「あの子たちは将来、呑兵衛になりそう。」)

松前漬と書いた子の理由は「海の幸だけでなく、野菜も一緒に食べられて、外国にはないものだから」、鮭とばと書いた子の理由は「よく噛まないと食べられないので体にいいし、ご飯に合うから」でした。う~ん…二人ともよく考えているなー。




仕事納め その1

学校関係で仕事をしていると、12月より3月の方が「年末」感が強いです。「お世話になりました」という言葉を一番頻繁に使うのがやはりこの時期です。いくつかの仕事をかけもちしている私にとって、一つの仕事が昨日で仕事納めとなりました。

昨日はJTEとして勤務している小学校への年度内最後の出勤でした。来年度もこの学校に継続して勤務する予定です。出勤日数も出勤曜日も担当時数もたぶん変わりません。変わる予定なのは教育委員会が決めた時給(少しアップ)と支払対象となる準備時間(少しダウン…で、年間合計で見ると若干のダウン)くらいでしょうか。

6年生とは昨日がお別れでした。統合新校のため第1回の卒業生です。卒業式に出たいと申し出れば出席させていただけるとは思うのですが、毎年何となく遠慮しています。今年度も最後の外国語活動の締めは「雨ニモマケズ」の英語版視聴です。



毎年のことですが、子どもたちがじっとテレビの画面に見入っている間、私は教具を片付けながら心の中で泣いています。昨日もそうでした。…が、昨日はそんな感傷を吹き飛ばす出来事がありました。

授業の終わりのあいさつで、担任の先生が決まり文句のようにおっしゃるのは「1年間お世話になった先生に感謝の気持ちを込めたご挨拶しましょう。」の類です。毎年どこのクラスでも同様ですが、昨日の6年1組の担任の先生(ベテランの男性)は違いました。「1年間たくさんご迷惑をおかけしたので、最後くらいはしっかり挨拶しましょう。」

不謹慎にも、担任の先生のこの一言に私が「ブハッ!」と吹き出して笑ってしまいました。さっきまでのしっとりした空気はどこへ行ったやら…。でも最後に笑って明るく終われたからまあいっか。休み時間、担任の先生に「最後の最後のあいさつで、『1年間お世話になりました』じゃなくて『ご迷惑をおかけしました』なんておっしゃった担任の先生は初めてですf^_^;」とお話しすると、ちょっと照れくさそうに「正直な気持ちがつい言葉になっちゃって…」と返されました。(この先生らしいな~

ちなみにこのクラス、確かに私語が多くて(特に男子!)担任の先生にも私にも注意されることがしばしばあったものの、世間の6年生と比べてよく声が出るし、とても素直で良い子たちでした(*^_^*)。

迷走?暴走?

久しぶりの更新なのに物騒なタイトルですみません。昨年末に中教審の答申が出てからこの3か月の間、教育界の動きが慌ただしくなっていますね。私が関わっている小学校英語教育の世界でも色々な動きが出ています、というより揺れているという方が正しいかもしれません。

中でも怖いな…と思うのが、それなりの立場にある方の発言やマスコミの記事です。「怖い」と言ってもそれで誰かが重傷を負うとか児童生徒にとって取り返しのつかないことが起きるということではないのですが、小学校の先生方の不安を増長しかねないことがすでに起きています。

現行の学習指導要領が公示されてから完全実施に至ってある程度現場が落ち着くまで、つまり平成20年春から平成25年度くらいまでの間も「デマ」とさえ言いたくなるような噂が飛び交っていましたっけ。外国語活動必修化というだけでも現場は大変だったのに、多くの自治体や学校が波に乗らないうちに「英語ノート」が消滅し、Hi, friends! は児童用冊子が早々できたものの音声CDや指導案が実際に活用できるようになるまで後手後手でしたし、デジタル教材にいたってはあちこちの学校で「フリーズして使えない」というトラブルが起きましたっけね。

次期学習指導要領に関しても、私が個人的にですが心配なことがあちこちで起きています。先月中旬に次期学習指導要領案が公開されましたが、その内容を拡大解釈あるいは誤解したまま新聞記事になったり、英語教育を専門とする大学の先生が発信してしまっているのを見聞きして「ああ、また前回の改訂と同じような失敗を繰り返すのか…」と思うことがあります。かと思うと、あちこちの教育委員会や小学校から研修の依頼を受けている(と本人は言っているが、実際はどの程度の案件を扱っているかわからない)講師が、明らかに知識や情報不足のまま近未来の英語教育を語っているのを聞くと、研修を受けている先生方が気の毒とさえ思えます。(でもたぶんこういう人たちが平成32年度から使われる小学校外国語用の検定教科書作成に携わっているのでしょうね。ますます恐ろしい…。)

私もこの半年ほどは次期学習指導要領に関する質問を多く受けていますが、基本的には「文科省のホームページを頻繁にご覧ください」と一貫して答えています。小学校の先生方は英語だけ教えているわけではないし、忙しいのはわかります。でもプロの教師である以上、情報を与えてもらうのを待つのではなく、自分から取りに行く積極性は忘れないでほしいと思っています。ただ、文科省のホームページに載っている情報量は膨大ですから、どこを見ればどんな資料が得られるか、場合によってはURLをお知らせする程度の情報提供はします。

そういうただでさえ大変な時期に、教材を追加したり実技試験(平成28年度は一部の公立小学校のみ)を課す東京都っていったい何を考えているのか?と疑問の念を持たざるを得ません。こういうときだからこそ自分は「研修講師としては先生方の心理的不安を軽減できるように、JTEとしては担任の先生方の業務の負担を軽減し、児童の意欲を削がないように」心がけたいと思います。さあ、もうじき新年度が始まりますね。


公開授業のトレンド

先日、とある小学校の外国語活動の公開授業(研究発表)に行きました。講師ではなく、一参観者としてです。テーマは「道案内」でした。「2月のこの時期に Lesson4?」と思う人もいるかもしれませんが、おそらくこの研究発表はかなり前から決まっていて、ここに合わせて指導する単元の順番を変えたのでしょう。確かにこの単元は扱う語彙も表現も比較的独立しているので、指導順序を前後させても特に支障はありません。

今年度に入って、「道案内」をテーマとした単元の授業を参観するのは5回目くらいです。そのうち、「本時の目標」「活動内容」「評価規準」がいずれも妥当だった授業は1件のみで、他はそもそも「道案内」になっていませんでした。体育館で大がかりな準備をしたにもかかわらず、道案内をする側とされる側が一緒になって歩いてしまっている授業もありました。やや屁理屈をこねるようですが、 “Go straight.” “Turn right / left.” を言わずに“Follow me.” だけ言えば済んでしまう状況でした。

外国語活動が必修化された頃やその前は、公開授業で定番と言ってもよいくらいよく扱われていたテーマは「買い物」でした。最近はそれが「道案内」になってきているような気がします。ある種の流行でしょうか。どちらも準備に手間はかかるものの、児童の動きが保証されるため、学級崩壊でもしていない限り誰がやっても活気づいて見栄えのある授業にはなります。でも小学校段階ではたいていの場合うまく行きません。なぜか?そもそも「道案内」を小学校の外国語活動で扱うことが必要なのでしょうか。その都度、“Go straight.” を繰り返し言うようなヘンテコリンな道案内がどこにあるでしょう?案内する側が “Go straight.” と1回言ったら案内される側が1ブロック動き、それを見届けてから案内する側が次の指示を出す…まずこれが変なのです。だから上記のように案内する人とされる人が同行する、ということが起きるのです。

小学生のうちに “Go straight.” “Turn right / left.” を知ること自体はよいと思いますが、「道案内をしよう」というゴール設定をしてしまうことに無理があります。「そこの角を左に曲がるとすぐ見えます。」程度の短距離ならともかく、碁盤の目のような道路ばかりではないのに、5分あるいはそれ以上かかる距離の道案内を日本語でできる小学生がどれだけいるでしょう?位置認識と論理的思考と説明力の三拍子がそろわないと道案内はできません。さらには学校あるいは教室という「作られた」環境で「道案内ごっこ」はできても「道案内」はできません。本気でやるとなったらかなり大がかりな準備や強力な外部人材の助けが必要となります。(とはいえ、Hi, friends! にあるものをあからさまに無視はできないので、私の勤務校では上記の表現や建物・施設名は教えていますし、「道案内」そのものではなく “Go straight.” や “Turn right / left.” という表現を児童が「言わされている」と感じないような活動を入れていますし、それでよいと思っています。)