小学校外国語活動を中心に英語教育全般についてつぶやき中(*^_^*)

それぞれの解釈、それぞれの思惑

4月1日、まだ文科省の新教材ダウンロード専用サイトは閲覧可能ですf^^;。高学年の学習指導案を掲載して1週間くらいはアクセス可能にしておかないと、現場からのブーイングどころでは済まされないかもしれません。

この春休み中、小学校の先生方だけでなく小学校英語教育に携わる色々な人たちの間で新指導要領や新教材についての知識や情報が共有化され、多くの人の理解が徐々に深まっている感触があります。でも一方で、その人の立場によって物事の解釈が色々と分かれているんだな~、という印象もあります。

私が一番懸念しているのが「高学年教科化」について中学校の前倒しに近い解釈をしている人たちの存在です。先日、ある会合で現職の中学校の先生と民間の英語教室の先生3人が話しているのを聞いていたところ、「完全実施になったら小学校外国語は数値評価をするから、高学年は紙でテストをして成績つけるんですよね。」「宿題も出されるのよね。」といった具合です。4人とも疑いもなくこのような言葉を口にしていました。

数値評価=ペーパーテストではないはずです。教科化といっても週に2時間しかないわけですから、宿題を出すことが本当に妥当かどうか考える必要があります。個人的には宿題を出すなら、音声に触れる宿題を出さないとほとんど意味はないと思っていますが、そのための媒体を考えたり家庭の協力などを考えると現実的ではなさそうです。民間の英語教室の先生はともかく、ここは中学校の先生が正しい知識を他の方に教えていただきたかったな…と個人的には思っています。

もう一つ、これは誤解というより地域や学校ごとの解釈の差なのですが「英語専科」の役割です。ある小学校の先生(小学校英語教育に関しては英語教育推進リーダーより先を走っていそうな人)の話では、ここ数カ月で急に「英語専科」を採用したり配置したりしている地域が増えたらしいです。ただ、実際に「英語専科」の役割はまちまちのようです。

おそらく外国語活動にあまり前向きでない小学校の先生方にとって都合のよい解釈は「音楽専科や図工専科と同様、外国語(活動)の時間は、英語専科の先生が1人であるいはALTと一緒にうちの学級の児童を教えてくれて、自分はその時間は空き時間で他の仕事ができる。」というパターンでしょう。実際に今年度からこのような運用をする学校や地域もあるそうで、その根源にあるのは教師の働き方改革、だそうです。これについて部外者の私がどうこう言うものでもないでしょうが、今までの「児童をよく知っている学級担任だからこそT1」という根本的な思想が大きく覆されることになります…これでいいの?

一方で、学級担任がT1で英語専科がT2、ALTが入った場合は英語専科がT3になる、という運用をする予定の学校や地域もあるようです。これは納得。ただ、これも学級担任の意識が育たないと、結局は英語専科に甘えすぎてしまって、いつまでも学級担任がT1として自立しないという危うさも含んでいますし、担任と英語専科の教職歴や年齢によってはどちらかが遠慮して、本来は児童にとってプラスでなければいけない授業が展開できない可能性もゼロではありません。

採用の仕方も英語専科(あるいは肩書は違っていてもそれに準ずる職)を新たに採用する自治体もあれば、現職の小学校の先生の中である程度の英語力がある人を「英語専科」と位置付けて学級担任の外す、という動きもあります。どちらにしても増員には違いないので、ストレートに言うと自治体の経済力次第になってしまうのでしょうね。

付け加えると、現役JTEの中でも「英語専科」というものに対する解釈や思惑がまちまちであることもわかりました。「英語専科」を自治体がどう位置付けるかにもよりますが、専科教員という以上、やはり基本的には教員免許は必須でしょう。小学校全科と中学校英語の両方を所持しているのが理想ですが、少なくともどちらか一方、もしくは小学校全科+英検やTOEICなどの公的な試験で一定以上の英語力が証明できるものがないとこれからは厳しいのではないでしょうか。私の周りのJTEも、長年の経験や地域への貢献は素晴らしいと思いますが、教員免許や専科というものを甘く見ていないかな??と思う人もいないわけではありません。

英語専科になりたい、小学校で英語を教える仕事で食べて行けるだけの収入を得たい、と思っている人は少なくありません。例えば、小学校で音楽を教えて食べて行ける収入を得ている音楽専科(都道府県や政令指定都市の教員採用試験に合格してフルタイムで働いている人)の先生は、音楽だけ教えているわけではなく、委員会活動もクラブ活動も指導し、行事では様々な仕事をこなし、校外学習の引率もします。そういう仕事も含んでいることを理解したうえで、ちゃんと教員免許も取って「英語専科」を目指すべきではないでしょうか。「英語を教えたくて専科教員になったのに、雑用が多いし何で遠足について行かなくちゃいけないの?」なんて言ってしまう人は、日本の小学校のことよくわかってないな~と思います。

極論に笑うしかない

さきほどネットで見つけた記事を読んで思わず苦笑しました。

「英語の成績が良い子」が「勉強のできる子」でなくなった理由
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180327-00164655-diamond-soci&pos=2


タイトルからして笑えます。だって昔から「英語の成績が良い子」だけど「他の教科の成績は今一つ」という子をたくさん見てきましたから。

この記事の中で、早期英語教育への過熱を懸念する意見には賛成ですし納得もできます。ただ、筆者が決定的にはき違えているのは「スピーキング」と「英会話」を混同している点です。以下、青字は記事からの引用です。

英語の授業が英会話中心になった

↑誰がそんなこと言ったの?もしかしたら一部の英語教室あるいは英会話教室で「うちの教室は英会話中心のカリキュラムです」と謳っているところはあるかもしれませんが、少なくとも学校の外国語の授業では「英会話中心」などということはあり得ず、(実際はまだ「読むこと」に偏っている授業は存在しますが)「四技能をバランスよく」ということはずっと以前から強調されています。例えば、TEAP(大学入試の代わりとなる英語テストの一つ)のスピーキングテストでは日常会話は出題対象外です。

世界で最も通じるのはスリランカなまりの英語であり、アメリカ人の英語はあまり通じないというのが現実だ。日本語なまりの英語も非常に通じやすいという。

これも客観的なデータがあっての記述か疑問です。日本語なまりの英語が通じやすいかどうかは場面や聞き手にもよるでしょうし、「非常に」という修飾語はいくら何でも大げさ(虚偽に近い?)ではないでしょうか。

最も重要なのは“話す中身”だということ、そして、そのために優先すべきは英会話力ではないことを、これからのグローバル社会で生きていく子どもたちにはきちんと教えるべきだ。


「話す中身が重要」という点は同意できますし、私は20年も前に当時勤務していた高校で、英語科全体がこういう方針でカリキュラムを組んでいました。別に「これから」という話ではありません。しかも「話す中身」があってもある程度の英語力(≠英会話力)がなければ、その「中身」も他人に伝えることはできません。文学や文化評論を読んで訳しているだけでは伝える力もつきません。

こういうド素人がもっともらしいことを書いて、それに惑わされてしまう大人も多いのでしょうね。

校内研修ってどうやるの?

私は住まいは埼玉県内ですが仕事の大半は都内です。英語教育政策に関して、文部科学省に対して言いたいことは山ほどあり、東京都教育委員会に対してはその何倍にもなります。都の政策で肯定的に受け入れたものはほとんどなかったのに、最近一つだけ良いものを見つけましたf^^;。

東京都教職員研修センターが『小学校における外国語教育の充実 指導資料 小学校新学習指導要領に対応した「外国語活動・外国語科」充実のための校内研修ハンドブック』なるものを作成し、都内の小学校や教育委員会に配布「したのですが、同センターのホームページにそのデータが掲載されています。URL はこちら

www.kyoiku-kensyu.metro.tokyo.jp/09seika/reports/bulletin/h29.html

このページの下の方にスクロールすると Word や pdf 形式のファイルへのリンクが表示されます。

次期学習指導要領への移行措置・先行実施が目前に迫り、研修の必要性は感じているけれど外部から講師を呼ばずに自力で何とかしたい!という学校は、まずはこれを参照するとよいと思います。それぞれの学校の優先課題に合わせて15のトピックに細分化されているので使いやすいのではないでしょうか。時期的に仕方ないとはいえ、演習例が Hi, friends! という点がちょっぴり残念ですが、外国語活動担当者など研修の要になる先生が、そこだけ We Can! や Let's Try! に置き換えて考えるのはさほど大変ではないと思います。

J-SHINE シンポジウム

先日、J-SHINE 事務局からご案内をいただきました。3月16日(金)に『小学校英語教科化記念全国シンポジウム報告会』が開かれます。詳細はこちら

http://www.j-shine.org/2018/02/02/

平日の昼間なので参加できる人は限られるかもしれません。私はたまたま空いているのでさっそく申し込みました。現場では来月からいよいよ先行実施、移行期間がスタートするので、少しでも多くの新情報が得て自分の頭の中を整理できるようにしたいと思います。

ベータ版みたいなものだから

文科省から新学習指導要領向けの教材やそれに関連した資料が続々発表されていますね。今はまだ現職の教員や教育委員会の職員でないと閲覧できないように、IDとパスワードの入力が必要なページにしか掲載されていない資料もありますが、ひとたびダウンロードしてしまえばコピーが容易なものも多いので、なんだかんだ言って色々な人の手に渡っているのでしょうね。

私もまめに文科省発の情報をチェックしていますが、現時点で入手できるデータのうち、かなり曲者だと思っているのが高学年用新教材 We Can! のデジタル教材です。文科省は、今回のダウンロード版と各学校にDVD-ROMで送られる正式版では内容が変更になる場合があるとの注釈はつけているものの、なかなか手ごわいです。

私は昨年11月に自宅用のパソコンを購入したばかりなので、ダウンロードもインストールもすんなりできましたし、動作も特にトラブルはありません。ところが知り合いからは「自宅のパソコン(そこそこのスペックのデスクトップ)でダウンロードはできたようだが、そこでパソコンがフリーズした。電源を切って再起動しようとしてもパソコン自体が動かなくなってしまった。」とか、「学校で使うためにサーバーセットアップを試みたもののうまく行かず、業者を呼んでも解決しなかった。」など、色々と聞こえてきます。

一方、ある小学校の校長先生は「これは昔で言うβ版と同じだから、自宅で自己責任でダウンロードするのは構わないけど、学校のパソコンではダウンロードしないように」と業務命令を出したそうです。賢い判断かもしれません。…でもDVD-ROMが送られてくるのはいつのことになるでしょう。他の資料でも掲載が大幅に遅れているものもありますし…。そろそろ来年度の人事が決まる頃なので、来年度、高学年の担任になる先生方は早く教材研究をしたいのではないでしょうか。

Hi, friends! もデジタル教材は容量が重くて、あまりスペックの高くないパソコンだとチャンツの音と動画がずれるという現象が起きていましたが、 We Can! や Let's Try! は大丈夫??


プロフィール

Author:mocco
J-SHINEトレーナー
元中学・高校の英語教師
小学校外国語活動講師(JTE)
首都圏を中心に各地の小中学校で研修講師も務めています
more...

研修依頼
こちらからお願いします
メールはこちらから
入力していただいた情報・内容は管理人しか閲覧できません。

お名前:
メールアドレス:

件 名:

本 文:

カテゴリ
最新記事
最新コメント