やっぱり6年

新年度が始まって1カ月。新学習指導要領移行措置期間中の授業に、いざ自分も関わることになって「やっぱりね。」と強く感じたのは「ネックは6年。」です。何事も新しいことを始めるときは困難がつきものなので、3~5年も大変と言えば大変なのですが、一番難しいのは6年ではないでしょうか。Hi, friends! との併用で、We Can! の一部しか扱わない場合でも、かなり注意深く年間指導計画や授業案を立てないと、子どもたちに意欲どころか「?」ばかりが増産され、中学校との連携どころではなくなりそうです。

自分の勤務校も含め、いくつかの地域や学校での移行措置期間中の指導内容を比べると(これもある程度は想定内でしたが)本当に地域によってばらつきがあることを改めて実感しました。ここからはただのおせっかいな独り言ですf^^;。

時間数に関して言えば、とりあえず今年度の高学年は45分×50時間(15時間を総合から捻出)を選択した学校(自治体)が一番無難だったのかな、と思います。ただ、こういう選択をした学校の多くは文科省が提示した Hi, friends! と We Can! 併用の50時間案の年間指導計画に沿って指導が行われていると推測していますが(実際、そういう自治体があるのを知っています)、それはそれでかなり問題ありです。

何が問題かというと、Hi, friends! と We Can! の両方を欲張って50時間に入れようとするものだから、1単元当たりの配当時間が少なく、定着はもちろん無理、慣れ親しみすら保障できるのか?、「読むこと」「書くこと」がどの程度指導できるのか?というのが正直な感想です。今年度の6年は We Can!1を使って70時間学習をしたうえで We Can!2 と出会うわけではないので、色々と補わなくてはなりません。そのために Hi, friends!2の多くの内容を学習することになるわけですが、これは子どもたちにとって必要な橋渡しです。だったら We Can! の内容をもっと減らすべきで、このままだと指導する先生にも児童にもかなりの負担がかかります。文科省が「移行措置期間中もこの内容は扱いなさい」と定めている項目の中で、文字に関する部分は私も賛成ですし、これはさほど教師にも児童にも負担はかからないでしょう。問題はそれ以外。しかも扱う項目の選定基準が「中学校との接続」とのことで、ひねくれた見方かもしれませんが、「なあんだ、結局は小学校の現場より中学校優先の上から目線で物事が決まってしまうのね。」と思ってしまうのです。でも実は We Can! を作った偉い先生方が、自分の担当した単元をどうしても入れさせたくてなかなか譲らなかった結果、あの単元もこの単元も入っちゃったのかな、なんて勘ぐってしまいます。(さすがにこれは妄想しすぎか…?f^^;)

Hi, friends!2のうち、Lesson7の昔話は全カットでも特に支障はないと思われるので、Hi, friends! 2を29時間で扱い、あとは各自治体や学校の増加分の授業時数に合わせて We Can!1、2の内容を補うにしても、元々8時間配当で作った単元を2時間で実施しろはないでしょー、と思います。単元の配当時間は原則そのままで、扱う単元の優先順位を文科省が示すだけの方がまだ良かったような気がします。

一方、45分×35時間はそのままで、増加分を短時間学習で補っている学校はどこも大変そうです。文科省が短時間学習用の指導案を出していないため、自力でどうにかしなければなりません。いくつかの出版社でモジュール用のICT教材を作り、強引に We Can! と関連づけようとしていますが中身を見ると無理があります。時程表や指導計画表に短時間学習が明記されていても実際にどこまできちんと指導されているか…。特に新年度がスタートしたと思ったらすぐに運動会という学校では「絵に描いた餅」になってしまっているのが現実かもしれません。実質的な指導時間数は昨年度とほとんど変わっていないのに指導内容は増えているわけですから児童が消化しきれないのは当たり前で、昨年度の6年の方が実は力をつけて中学校に進学したなんていう皮肉な結果になることさえありうると思っています。でも悪いのは小学校の先生ではありません。週当たりのコマ数つまり枠組みをきちんと決めずに現場に丸投げして、教科化と時間増だけを急いだ文科省の罪は大きいと思います。苦肉の策として「短時間学習も可」としたなら、短時間学習用のICT教材と指導案を作るべきでしたね…とここで愚痴っても仕方ありませんが。

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こんにちは。いつも楽しみにしています。
怒涛の2カ月が過ぎ、疲れ気味の私です。そして少々失望しています。次から次へと問題や混乱が起き、もやもやだけが昨冬の大雪のように深々と積もってきています。
本当に去年の6年生の方が力をつけて卒業することになりそうな感じがします。先生方はなぜか教科となるとどうしても教えなきゃとなるようで、去年ご一緒したときにはいい授業をしていらしたのに、急に黒板に文章を書いて何回も言わせるとなってしまうようです。言語活動はどこへ行ってしまったのでしょう。それもこれも県教委が出した指導案が「?」だらけなのと、文科省の教材も加わって先生ご自身も「?」なのでしょう。教科科を急いだ国とおそらく児童英語教育の専門家でない方が作った県の指導案の罪は大きいです。
少しご紹介すると、県の案では6年生は What sport do you want to watch?から始まります。慣れ親しみが完全に不足のまま、3時間目で答えも入れて文章を書かせます。5年生では今6月から My daily Lifeに入り、怒涛のごとく日々の日課の言い方、sometimes, always, usuallyも使います。もちろん文章も書きます。なぜかその後のunitがアルファベットの小文字で、アルファベットブロックを触って形を捉え、大文字小文字の違い・気づきをグループで考え発表して終わるという。。。 
今年は初めて組む先生がとても多く、しかも臨任や年配の先生が多いので何も知識がないまま、言わば我流で始められる先生にストレスを感じずにはいられません。
愚痴になってしまいましたね、すみません。全国で活躍されているJTEのみなさんも間違いなく愚痴っぽく多かれ少なかれストレスを感じられているのでしょうね。

>さいちんさま

さいちんさま、こんにちは。
「失望」「もやもや」わかります。気が付けばもう30年近く英語教育に携わってきた私も「ああ、やっぱりこの国の英語教育改革は何をやってもダメなんだ。」と心が折れそうになることが何度あったことか!でも最後は「役所任せではダメだけど、せめて自分が関わっている所だけは毒政策から少しでも救おう」と、大それた自己満足を心の支えとしていますf^^;。

失礼を承知で書かせていただければ、さいちんさまの県のカリキュラムは拝読して目がテンになりました(゜_゜)。なぜそうなる!?いや、私の勤務校がある自治体のカリキュラムも相当変ですけど、さほど縛りはないので私から高学年の担任の先生方に変更案を示したところ(統合とか引っ越しとか新校舎の落成式でみなさんお忙しいせいか)誰からも却下されませんでしたf^^;。

さいちんさんのストレスもお察しします。でも、もしさいちんさんがいらっしゃらなかったら、たぶんご勤務校の外国語活動はもっと変な方向に行ってしまって、結局は子供たちにそのしわ寄せが行ってしまうのではないでしょうか。さいちんさんのコメントは愚痴なんかではなく、貴重な情報提供ですよ!ありがとうございますe-446。きっとこのブログを読んでくださっている他のJTEの方も「辛いのは私だけじゃないんだ。」と思っていらっしゃることでしょう。

少なくともこれからの数年は、熱心で誠実で指導力も英語力もあるJTEほど心を痛めることになるのではないかと思っています。一方、そういうJTEがいなかったら、本当に日本の英語教育は未だかつてない、おかしな方向に行ってしまうことも危惧しています。

政府や役所はあてにせず、お互い子供たちのためにできることを頑張りましょう(^O^)/

No title

こんにちは。コメントを読ませていただきました。ありがとうございます。
何だか元気が出ました。やっぱりがんばろう、という思いになりました。1学期分は続くほどのパワーを充電できましたi-179
それを伝えなきゃと思いつつ、だいぶ日にちが経ってしまいました。すみません。
「目がテン」「なぜそうなる?」にスカッとしました(笑)
コメントを書くのでなるべく感情で書かないように抑えて書いたのですが、「は?なんでそうくるの~?」の連発なんです。先生方の間でもさすがに県の指導案では厳しいという声が挙がってきました。このままではいけないこと、今年の5・6年には何らかのつなぎの授業が必要であることはお伝えしています。その上で私が作ったカリキュラム案もお見せしているのですが、問題のある先生ほど無頓着というか外部の講師にそんなことは言われたくないのか、なんのリアクションもありません。おまけに、そういう先生ほど子どもたちの?だらけの顔が見えてないんですね。
また、「扱う単元の優先順位を文科省が示すだけの方がまだ良かった」はまさにそのとおりですね。詰め込みすぎです。今年度の6年生はかわいそうです。
結局、いつも結論はここに至るのですが「子どもたちのために私のできることをやる」、、ですね。ああ、胃がいたい~。

Re: さいちんさま

さいちんさま、こんにちは。

> 1学期分は続くほどのパワーを充電できました

そこまでお役に立ててうれしいですf^^;

> 先生方の間でもさすがに県の指導案では厳しいという声が挙がってきました。

ちゃんと考えている先生方にはわかるんですよね。

> 今年の5・6年には何らかのつなぎの授業が必要であることはお伝えしています。

本当にその通りです。でも英語だけ教えているわけではなく、今やブラック業務とまで言われるくらい多忙な教員は「つなぎが必要」とわかっていても、では「何を、どう組み込めばよいのか」まで考えてカリキュラムを作れる人なんてほとんどいません。だからJTEのように「学習指導要領を理解できて」(これはALTには無理)かつ「英語の指導法もわかる」人がいないとダメなんですよね。

> 問題のある先生ほど無頓着

わかります。残念ですが外部講師にできること、やってよいことには限界があります。最終的には児童の成長や学力に責任を持つのは学校であり教師(主に担任)で、こういう担任のせいで子どもたちが英語嫌いになっても「私は悪くないもん!」と開き直ることもときには必要かもしれませんね。

何事も体が資本。お互い自分の心身をいたわって、やれることをやりましょうe-348
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