「必然性」に縛られる担任

先日、研修で訪れた小学校での話です。研修後、5年生の担任の先生から個別に質問されました。その先生によれば、数か月前にある行政機関から講師を招いて校内研修を行った際、外国語活動の授業で行う一つ一つの活動に必然性を持たせることを強調された、とのことでした。私は昨年11月にその先生の研究授業を一度見せていただいたことがあるのですが、課題があったとはいえ、とても質のよい授業で、ビデオに撮って模範授業として公開してもよいのではないかと思ったくらいです。でも、その先生が「必然性」というたった一言に縛られてしまっている様子が痛いほど伝わってきて、逆にもったいないと思いました。

例えば Hi, friends!1の Lesson9では
What would you like?
I'd like ~.
という表現が出てきます。この表現を使う必然性はどんな場面でしょう?一番身近なのはレストランでの注文でしょうか。児童を外国に連れて行くか、そこまでしなくてもブリティッシュヒルズに連れて行くとか、米軍基地内を見学させてもらって昼食も摂るなど、でないと「必然性」とは言えません。もしその行政機関から来た講師が、小学校の教室内で「レストランごっこをすること」を必然性と考えているとしたら、嘲笑に値すると思います。

もしかしたら、「必然性」の解釈で、講師の方と小学校の先生との間にギャップが生じているだけなのかもしれませんが、大事なのは「その言語表現を使う場面の必然性」より「児童がその表現を学ぶ必然性」なのではないでしょうか。子どもたちが「今の日常生活で必要でなかったとしても、将来必要になるかもしれない、こういう言い方を覚えておくと便利、こういう言い方を知ることができてよかった」と思うのであれば、そこには学びの必然性、あるいは必然性とまで言わなくても子どもたちにとって「学ぶ意義」は存在します。

最近、必然性に縛られて、活動手順や活動内容をどんどん複雑にしてしまう担任の先生に遭遇します。少し前までの「ゲームの羅列」「楽しいだけの英語活動」から脱しているのは大いに結構ですが、今度は活動が複雑すぎて指導者の準備は大変になり、説明に時間がかかって児童の活動時間が減ってしまい、さらには結果的には必然性(に近づいているけれど)が存在しないという本末転倒になっている場合も少なくありません。

現場のことを本当にわかっているかどうかも怪しい役人の無責任な発言に振り回されるのではなく、「子どもにとって」これを学ぶ意義があるかどうか、という視点で授業を考えてみませんか?授業づくりの基本ですよね。

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わかります~!

mocco 様

おひさしぶりです。
あまりに素晴らしい記事に
思わずコメントを
書き込んでしまいました。

キーワードに
踊らされる現場。
まさにおっしゃるとおりです。

必然性、という言葉に踊らされ
子どもたちはお互いの誕生日
知ってるしなぁ~なんて思って
ひねりまくって大失敗、ってこと
よくありました。

私たちは、コミュニケーションを
互いの未知の情報の更新 とだけの
限定的な意味で捉えがちです。

でも、子どもたちにとっては
「やっぱりね!」という結果に
なることも、有意義な
コミュニケーションです。

必然性とは、
内容以上に

伝え合いたい仲間

であるかどうか、
なのだと思います。

長文失礼しました。
久しぶりに外国語活動を
語ってしまいました(汗)

いつも見てます!
mocco 様
これからも頑張ってください!

Re: わかります~!

おぐぉぐ様、お久しぶりです♪
コメントありがとうございました。とても嬉しいです!!
実は私も、つい先日、おぐぉぐ様のブログを久しぶりに拝見して、全小英研in仙台の記事を興味深く読ませていただいたところです。

あまりにもストレートな物言いにお叱りを受けるかと思ったのですが(笑)、現職の小学校の先生に共感いただけてほっとしています。

年度末を迎え、おぐぉぐ様も益々お忙しい日々と存じますが、どうぞお体にお気をつけてご活躍くださいませ(*^_^*)
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