決まり文句

最近の研修でのできごとです。受講者の多くは、これからJTEとして活躍したいと思っている人たちで、一部現役のJTEの方や中学校の英語の先生もいらっしゃいました。

研修の中でモデル授業として、45分の外国語活動のダイジェスト版をお見せする場面がありました。受講者の方には児童役になっていただきました。モデル授業の後、小学校での指導経験がまだない受講者の方からこんな質問をいただきました。

「先生は45分の Teacher Talk をすべて暗記していらっしゃるんですか?途中で“Ah...”とかよどむことがなくて、本当にテンポの良い授業だったので、自分もあんな風にできるかどうか不安で…。」

私からの回答。「今回のモデル授業の中で扱った教材やアクティビティは、現場でもあちこちの研修でもやっているので、暗記というよりも習慣という方が正しいかもしれません。喩えるなら、コンビニの店員さんが最初はマニュアルを意識して『ポイントカードはお持ちですか?』と言っているのが、いつの間にか慣れで決まり文句になるのと似ているかもしれません。」私のこの発言から、この方は「場数を踏むことの大切さ」を感じてくださったようです。

さて、研修が終わって帰宅途中に、この問答についてもう一度考え直しました。研修講師として、「『テンポがよい』のと『子どもたちを捲し立てる』のは違います」あるいは「『隙』と『間』は違います」ということはよくお話ししていますし、自分が授業者のときは十分に心がけているつもりです。上述のモデル授業でも、早口にならないように心がけ、それはたぶん実行できていると思いますし、適度な「間」もあったと思います。質問された受講者の方も、おそらく純粋に私のモデル授業を(お手本ではなくても)一つの例として受け入れてくださったでしょうし、批判や皮肉の意味は全くなかったと察します。

ただ、自分で「決まり文句」と言ったことについて「ちょっと待てよ」と思ったのです。定番のゲームや、Hi, friends! など使い慣れた教材を活用した活動については、授業をやるにしても研修でモデルをお示しするにしても、自分が話すべき Teacher Talk を書き出してリハーサルして…ということはしていません。特に本物の児童相手の授業では、いつも決まった表現を使うことは大切ですし、自然と指導者の口から出るだけの場数を踏んでいるのはむしろ利点でしょう。でも、あまりにも慣れすぎて、悪く言えば「機械的」になってはいないだろうか、もしかしたら子どもたちに向かって気持ちのこもっていない「定型句」を発していなだろうか、という思いもよぎりました。

今年度も、ありがたいことに昨年度と同じ小学校2校でJTEを務めさせていただくことになりました。学校行事の関係で私が授業に入るのは6月からになります。5年生とは初対面、6年生とは2年目のおつきあいになります。5年生はもちろんのこと、6年生の子どもたちと接するときも、初心にかえって自分が言い慣れている Teacher Talk の一つ一つに気持ちを込めて言おう、と思いました。

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