年度の最後に

移行措置期間1年目、この1年間のJTEとしての実践の中で「来年度はこうしよう」と思ったことは多々ありました。また、昨年の4月、5月に研修を依頼された小学校から、もし今年度も同じ内容で依頼が来たら「今度はこう伝えよう、こんな研修にしよう」ということもたくさんあります。反省材料が多かった=この1年での自分の成長も大きかった、と解釈しています。

さて、今年度の終盤に研修等で聞こえてきた声の中で気になったことの1つが高学年における「移行措置期間にやるべきこと」の誤解です。今年度と来年度はいわゆる「はしご上り」の期間であるはずなのに、いきなり教科化完全実施時の目標まで児童を無理やり引っ張り上げようとしているかのような実践を見たり聞いたりしてきました。段階的な指導が適切に行われていない残念な例です。

誤解の大きな原因の一つが We Can! の指導書をすべて鵜呑みにして、児童の実態を置き去りにしたまま、とにかくこの通りにやらなければならない、この目標を達成しなければならない、という指導者の意識でした。児童のアウトプットを急がせるあまり、日本語での説明が多かったり、目的が不明瞭な活動が行われていたりしました。今年度から年間70時間実施の学校でも、6年生が昨年度70時間かけて We Can!1を学習したわけではありません。年間50時間実施の学校ならなおさら児童に無理のない目標を立てなければなりません。

すでに来年度の年間指導計画が出来上がっている学校も多いかもしれませんが、We Can! の指導書の前に、移行措置期間の指導内容について文科省から出された資料をよく読み、児童の実態(特に今年度の実施状況や到達度)を考えて見直してみませんか?

…で、余談。たぶん明日は1日中、新元号のニュースでもちきりでしょう。4月いっぱいは平成なのに、気がはやって明日から新元号で日付を書いちゃったりする人もいるかもしれませんね。(だからさー、発表日と新年度の初日が一緒ってやめた方が良かったのにー、って今さら言ってもしかたないけど。)でも私にとっては新元号より都教委の人事異動発表の方が気になります。自分の勤務校だけでなく、次年度も研修に行くことが決まっている学校はどうなるんだろ?ドキドキー!

思いついたついでにもう一言。今年度は10連休で5月1日も休日なので、4月30日に「平成最後のカウントダウン」とか言って渋谷などの繁華街で大騒ぎする人たちがいるんだろうな~、と勝手に推測…自分はできるだけ家で静かに過ごそう…。

今年も勉強会

先日JTE仲間と勉強会をしました。私以外のメンバーは同じ自治体(以前、私も勤務していました)の小学校でJTEをしている人たちです。私を含めて11名、勉強会というより座談会?ワイワイ、ガヤガヤと過ごしてあっと言う間の3時間でした。ここで帰った人もいましたが、その後のランチを含めると、ホントよくしゃべったなー(笑)。

口を揃えて出て来るのが「今年は例年以上に大変だった。」やっぱりみんなそうなんですよね。そういう中でも「自分はこんなことやってみた」「子どもたちはこうだった。」というような堅苦しくない実践報告を共有できて、新年度はメンバー全員がさらにスキルアップした授業ができることを確信しました。私も色々なネタやアイデアをもらって「よし、来月から活かそう!」と、前向きな気持ちで帰宅しました。(会場を予約してくれたり、メンバーに連絡してくれたり、幹事さん、本当にお世話になりました♡)

研修でもなく、職場の愚痴や体制への批判を言って終わりでもなく、こんな風にざっくばらんな情報交換、意見交換って大事だなー、としみじみ感じました。


先生の英検

1カ月ほど前でしょうか、Amazon から宣伝メールが届いて頭の片隅に置きつつも、あまり気にしていなかった本があります。それがこちら

最初、この本のタイトルを見たときは、小学校の担任の先生が外国語・外国語活動の授業をするうえで必要な Classroom English とか、ALTとの打ち合わせに役に立つ教務上の英語とか、新学習指導要領を踏まえた指導内容や指導法についての知識を問うテストができたのか?と思いました。でもなぜ低学年用があるんだろう?という疑問もありました。

昨日、美容院に行ったついでに大規模書店に寄って現物を見てびっくり。国語や算数など、日ごろの授業で使っている日本語を英語にしたらどうなるか?のような内容なのです。例えば高学年の算数であれば、公倍数や公約数を英語で説明するとこうなる、といったシナリオが英語で書かれています。ちょっと読んだだけでも、私が知らない単語が続々と出てきます。

次の疑問。こういう英語を必要としている人って誰だろう?このテストに合格したメリットを活かせるのってどういう場合だろう?最近では外国出身で日本語がほとんど通じない児童が増えており、その子の介助に付く人が、担任の日本語の説明を英語に訳すときに役に立つかもしれません。(だって、英語で日常会話ができます、レベルのボランティアさんが高学年の各教科で使われるような専門用語を知っているのは稀でしょう。)でも、上記のような児童が英語が理解できるとは限りません。彼らの母語が中国語など他の言語であることは珍しくありませんから。そうなるとどこまで実効性があるか疑問です。

まして小学校の先生に、本書に載っているような難しい英語は不要です。「ペアを作ってください。」レベルの易しい Classroom English ですら咄嗟に出なくてまごつく小学校の先生だって大勢いますから。英語専科にも役立つ、あるいは必要な英語表現かと言われたら、それも違うかな?と思います。なぜなら彼らが算数や理科や社会を「英語で」教えることはあり得ないからです。

この検定…ちゃんと存続するんだろうか?本はぼちぼち売れているようですが…。
http://www.senseieiken.org/


春休みの宿題

ただいま春休みを満喫しつつ、少しずつ宿題をこなしています。宿題とは…冬休みにやり残したことをやっているだけで、そのほとんどが、読み切れなかった本を読むことです。あ~、こんなにのんびりしていていいのかな。4月に入っていざ授業が始まってからのことを考えると恐ろしい。

…で、今年は春休み中にやり切れなかったことが10連休中の宿題になるのかな…(苦笑)f^^;。

研修告知!

4月27日(土)に埼玉在住のJ-SHINEトレーナーが運営の中心となって「小学校英語指導者セミナー・ワークショップ」が開催されます。(…と書いている私は埼玉在住のトレーナーですが、宣伝のみで関わっていませんf^^;)

移行措置期間2年目、完全教科化を前にもう一歩スキルアップしたい方や日ごろの疑問を少しでも晴らしたい方はもちろん、小学校英語教育に関心はあるけれど指導経験がないという方にとっては現場で活躍する人たちと接するよい機会になりますし、情報収集のチャンスにもなると思います。今年限りの10連休の初日は学びの1日にしてみませんか?

詳しくはこちらをご覧ください
https://www.teachers-place.com/info/1904js-saitama.pdf

「読むこと」の教材

今年度は私に限らず、小学校英語教育に関わるすべての方々が新しいことに挑戦しなければならなかったことでしょう。今日はその一つ「読むこと」の教材について書きます。

We Can! 各単元の最後にある STORY TIME を「読むこと」の主教材として扱った方もいらっしゃるかもしれませんが、私はあえて避けました。理由はずばり「内容がおもしろくないから」。We Can!を作った方からすれば、あるいは文科省の見解では、おもしろいとかおもしろくないとかが重要なのではなく、それまで音声だけで終わっていたものを児童が文字として認識することが大事とか、We Can!2のSTORY TIME であれば文字(列)と音の関連を学ぶために有効とか、教材にこめた意図がちゃんとあるのはわかります。私の勤務校では、年間70時間分のうちの半分は短時間学習(15分×105回設置)が行われており、映像によるインプットで文字と音との関連をこれでもか!というくらい扱っています。そのため45分×35回という限られた時間でのティーム・ティーチングの授業ではもっと他にやるべきことがあるので、文字と発音については取り立てて扱っていません。自分が関わる45分の授業でSTORY TIME を扱わない理由もここにあります。

私たちが日常生活で「読む」のは、何か特定の情報が欲しいから、あるいは文章の内容に興味関心があるからであって、どちらにもあてはまらない素材を与えたところで、どれだけ児童に「読もうとする意欲」が生まれるかは疑問です。言い換えれば児童にとって「読む必然性や目的」がないのです。

…と、ここまで偉そうに書いたものの、では私が今年度1年間、「読むこと」の指導で成果を上げたかと問われたら自信を持って「はい」と答えられるわけでもありません。私なりに考えて工夫した(つもり)の教材が2つあります。

一つは、Let's Listen や Let's Watch and Think を実施した後、そのスクリプトを配布して音声を聞きながら指で追わせる活動を取り入れました。Let's Listen も Let's Watch and Think もすべて扱ったわけではないので年度の後半だけで10回ほどでしょうか。もう一つは、単元の終盤で数行の文を書くことに取り組んだので、その後で「友だちが書いたものを読む」活動を入れました。後者については、ふりかえりカードの記述を読むと「友だちの〇〇ついて読んでわかってうれしかった。」というものもありました。

この2つを教材として取り入れたのは、学習指導要領にもある「音声で十分に慣れ親しんだ」という条件を満たすからです。意味がわからないものを読ませても無駄ですが、Let's Listen や Let's Watch and Think は一字一句を日本語に訳せないまでも児童はすでに何回か聞いて内容がわかっています。音声を聞きながら文字を指で追うことで、少しずつでも児童の頭の中で音と文字が一致し、さらには聞いただけではさらりと流れてしまうようなことも視覚化、可視化することで児童に意識づけができるのでは?と考えました。また、友だちが書いたものは「読んではじめて内容がわかる」のですが、読んでも意味がわからない単語や文はほぼありません。単語が変わっても、読み手である児童も同じテーマですでに書いているわけですから。夏休みの生活にしても、中学校で入りたい部活にしても「他の子はどうなんだろう?」という関心を持って読むことになるので、大人のお仕着せにならず、本来のコミュニケーションの「読むこと」に近づけるか?とも思いました。

本当にこれが良かったのかどうかは春休みにじっくりふりかえり、次年度の指導に活かして行きます。この記事を読んでくださった方からの鋭いツッコミ(?)をお待ちしております

終わった…

今日で年度内のJTEとしての仕事が終わりました。今年度は本当に大変でした。私なりに一生懸命やってきたつもりですが、ふりかえると「あそこは工夫が足りなかったな~」と反省ばかりで、特に6年生には申し訳ない気持ちもあります。そんな中でも、今日の最後のふりかえりカードには「中学校でもっと英語ができるようになって、いつか先生と英語でおしゃべりしたいです。」なんていう記述もありました。

来年度の年間指導計画はまだ教育委員会から出されていませんが、文科省の移行措置案にほぼ沿うことになるでしょう。そうなるとますます Hi, friends! の内容が少なくなって、We Can! で自分が初めて教えることになる単元も出て来るので、またまた悩むことになるのかな…。でも、今までの外国語活動とも違う、中学校の英語とも違う、その中間点としての外国語がどんなものか1年かけてある程度わかってきたような気もします。来年度は少しは楽できるかな~。(…って楽することばかり考えてはいけないのはわかっていても、今年のような苦しみがもう1年続くとなると気が重いです。)

さて、来週は離島での研修です。今日の夕方から研修モードに切り替えました。研修に使う資料や、低学年対象の授業の指導案はもうできているので、明日は旅の荷造りと教具の準備をします。

自分へのメッセージ

昨日、J-SHINEのホームページに今年度のトレーナー検定試験の講評が掲載されました。読んでいくと一つ一つが自分への教訓のように感じられます。出題内容が公表されていなくても、この文章の中で検定委員の先生方がおっしゃりたいことは十分すぎるくらい納得できますし、心にちくちく刺さる文言も少なくありません。

10年前に合格して喜んで、「小学校英語指導者育成トレーナー」の肩書であちこちで研修させていただいていますが、それだけで満足しているようではダメなんだよね…と、当たり前のようなことを改めて痛感しました。年度末を迎え、新年度の準備に入る前に身の引き締まる思いでした。いいタイミングでいい物を読ませていただきました。

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