優先順位が違う…

私もようやく春休みモードに入りました。自宅で休養しつつ、ゆるゆると新年度の準備も始めます。その前に断捨離もf^^;。

そんな中、改めて We Can! や Let's Try! のデジタル教材を眺めているのですが、見れば見るほど「これ、まずいでしょ!?」なことに次々と気が付きます。そのうちの一つが「デジタル教材からワークシートをダウンロードできない。」です。ワークシートを使おうとしたら、明後日まで閲覧可能の「文部科学省新教材専用ダウンロードサイト(教育行政機関の職員や教員のみ閲覧可でIDとパスワードが必要)」からしかダウンロードできない…んですよね??

誰でも閲覧可能な別のページでも見られるようにはなっていますが、パソコンの画面に表示したり紙に印刷したりすると、斜めにつっきるように “SAMPLE” という灰色の文字が表示されます。もっとも、超忙しい小学校の先生方はこのワークシートをそのまま使わざるを得ないかもしれませんが、まともな英語力や指導力を持ったJTE/ALTであれば文科省作成のワークシートを元にアレンジして作り変えるかもしれませんね。それなら SAMPLE の文字が入っていても支障はありません。

もしかしたら、今は営利目的で使われないよう閲覧限定ページにしか原簿を載せていないけれど、いずれは誰でもアクセスできるようなページにワークシートの原簿や未だに「準備中」の学習指導案を掲載する予定なのかもしれません。ただ、やはりせっかくDVD-ROMを各校に配っておきながら、それがオールインワン状態になっていないのは使い勝手が悪すぎます!

なぜワークシートがDVD-ROMに入っていないのか?断定はできませんが、容量の問題かもしれません。私の知人の勤務校は、ICT担当の先生の手に負えず、業者を呼んで We Can! と Let's Try! のデジタル教材をサーバーにインストールしてもらったそうですが、あまりの容量の大きさに教育機器の専門家もビックリ!だったそうです。「大型テレビや教室内のスクリーンに映す程度なら、動画はこんなに高画質でなくても生徒さんたちの英語の勉強には差し支えなさそうですけどね。」と呟いていたそうな…。

確かに実写の動画はやたらと多い!一方、絵カードの原稿とかイラストは画質が悪い!おまけにワークシートは入っていない!優先順位を間違っていません??



極論に笑うしかない

さきほどネットで見つけた記事を読んで思わず苦笑しました。

「英語の成績が良い子」が「勉強のできる子」でなくなった理由
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180327-00164655-diamond-soci&pos=2


タイトルからして笑えます。だって昔から「英語の成績が良い子」だけど「他の教科の成績は今一つ」という子をたくさん見てきましたから。

この記事の中で、早期英語教育への過熱を懸念する意見には賛成ですし納得もできます。ただ、筆者が決定的にはき違えているのは「スピーキング」と「英会話」を混同している点です。以下、青字は記事からの引用です。

英語の授業が英会話中心になった

↑誰がそんなこと言ったの?もしかしたら一部の英語教室あるいは英会話教室で「うちの教室は英会話中心のカリキュラムです」と謳っているところはあるかもしれませんが、少なくとも学校の外国語の授業では「英会話中心」などということはあり得ず、(実際はまだ「読むこと」に偏っている授業は存在しますが)「四技能をバランスよく」ということはずっと以前から強調されています。例えば、TEAP(大学入試の代わりとなる英語テストの一つ)のスピーキングテストでは日常会話は出題対象外です。

世界で最も通じるのはスリランカなまりの英語であり、アメリカ人の英語はあまり通じないというのが現実だ。日本語なまりの英語も非常に通じやすいという。

これも客観的なデータがあっての記述か疑問です。日本語なまりの英語が通じやすいかどうかは場面や聞き手にもよるでしょうし、「非常に」という修飾語はいくら何でも大げさ(虚偽に近い?)ではないでしょうか。

最も重要なのは“話す中身”だということ、そして、そのために優先すべきは英会話力ではないことを、これからのグローバル社会で生きていく子どもたちにはきちんと教えるべきだ。


「話す中身が重要」という点は同意できますし、私は20年も前に当時勤務していた高校で、英語科全体がこういう方針でカリキュラムを組んでいました。別に「これから」という話ではありません。しかも「話す中身」があってもある程度の英語力(≠英会話力)がなければ、その「中身」も他人に伝えることはできません。文学や文化評論を読んで訳しているだけでは伝える力もつきません。

こういうド素人がもっともらしいことを書いて、それに惑わされてしまう大人も多いのでしょうね。

濃い1時間

年度末で小学校の先生方は一番お忙しい時期だと思うのですが、先日、ある小学校に研修に行ってまいりました。研究授業でもなく、(私が得意とする)ワークショップでもなく、「次期学習指導要領や新教材について、先生たちが初めの一歩を踏み出せるようなサクッとした研修を1時間程度でお願いします。」という依頼内容でした。う~ん…この時期を考えると研修時間は1時間が限度なのでしょうね。

1月に依頼をいただいてから、しばらく悩みました。研修を受ける側にとって1時間は決して短くはありません。でもこちらにとっては、「次期学習指導要領と新教材について」という広範囲のテーマを1時間でまとめるのはかなり大変です。具体的な話をしないことには、先生方の頭に入り込まないでしょうし、かといってあまりにもポイントを絞って、それが先生方の知りたいことと合わなかったら貴重な1時間が無駄になってしまいます。

いずれにしても私が一方的にしゃべる講義形式は絶対にやるまい、と決めました。やはり先生方が体験したり考えたりしながら進めないと…。通常の業務の合間に色々と考えて、こんなメニューを考えました。

1)次期学習指導要領について穴埋めクイズ&新教材に関する基礎知識(?)クイズ

2)We Can! の Let's Listen のうち1つだけ「問題アリアリの例」(でも指導経験が浅い担任だといかにもやってしまいそうな例)を児童役で体験(私は担任役)。その後「何が問題」で「どう改善するか」をグループで話し合い、その後全体に向けて発表。

3)ワークシートを1枚だけ見ていただき、「素朴な感想」「こういうものを作ってくれてありがとう♪、という文科省への感謝」「この部分が使い勝手悪い"(-""-)"」「これってどうなの?という疑問」など、グループで井戸端会議。(2 のような建設的な話し合いでなくてよい。)その後、全体に向けて発表。

1)については、現行の学習指導要領との違いなんてことを私が説明調で語ったところで、先生方の頭にどれだけ入るかは疑問ですし、講師としてそういうことを期待されているわけではない、という自分のキャラ(?)もわかっていました。聞くだけの受け身ではなく、先生方に「参加」していただくにはクイズにするといいかも!と思いました。

次期学習指導要領の「外国語活動」と「外国語」の目標の文章を虫食いにしたのですが、これがまあ正答率の低いこと!(笑)でも最初に「全部間違えても罰ゲームはありませんから安心してくださいね~。でも全問正解しても賞品はありませ~ん。悪しからず(^^♪」というトーンで始めたので、先生方も気楽に取り組んでくださったようです。どの部分を空欄にするか私なりによく考え、答え合わせをしながら簡潔に解説をしたので、たぶん先生方が個々に学習指導要領を黙読するよりは記憶に残ったのではないかと思います。

もう一つ、新教材についてこんなクイズを出してみました。

Q:We Can! に関連して、文部科学省が作成し、現在入手可能なものを下からすべて選んでください。
①児童用教材
②教師用指導書
③音声CD
④ワークシート(児童が書き込んで使うプリント教材のようなもの)
⑤年間指導計画
⑥学習指導案(45分×70時間分の指導案)
⑦映像DVD(DVDプレーヤーで再生して視聴できるもの)
⑧デジタル教材(DVD-ROMで配布され、パソコンにインストールして使うもの)
⑨絵カード(厚紙に印刷されていて、教室ですぐ使えるようなもの) 

校長先生はすべてに〇をつけていらっしゃいましたf^^;。「全部あったらいいなあ、という自分の希望で〇をつけちゃいました。」とはにかんだように笑いながらおっしゃっていました。①から順番に私が読み上げて、先生方には「ある」と思ったら挙手していただき、必要に応じて私がちょこっと解説を加える、という方法で進めました。③のCDは「ある」に手を挙げた方がほとんどでした。ざんね~ん!ただ、今後どこかの出版社が有料で売り出す可能性はあります、と付け加えました。(たぶん「あの」会社がもう作っていますよね。)逆に⑨は校長先生以外はどなたも手を挙げませんでしたf^^;。Hi, friends! の絵カード同様、デジタル教材から自分で印刷するか、東京書籍から購入するしかない、ということを経験的にご存知なのでしょう。

(このブログのコメント欄でも話題になった)⑥についても、当然「ある」と思っている先生方がほとんどでした。実際、昨年6月には文科省が「(平成29年の)9月掲載予定」と堂々と発表していたわけですから。ただ、この学校は都の英語教育推進リーダーの先生がいらっしゃるうえに、もう5年以上にわたってこの学校を支援なさっているJTEの方がとても優秀で、さらに先生方の意欲も高く、ほとんどの先生は自力か、もしくは前述のお二人の力を少し借りれば外国語活動の指導案を作成できるせいか、これに関してはやや驚きつつも不安な様子はありませんでした。

2)のグループディスカッションも3)の井戸端会議も、先生方の発言はどれも的確でしたし、若い先生方にとっては他の先生の意見を聞いているだけでも勉強になったと思います。さすがプロ!!…というわけで、アクティビティの体験は何一つありませんでしたが、先生方がただの聞き手にならず、受け身にならず、わりと充実した1時間を過ごせたのではないかという感触です。(自画自賛!?)

今年度最後の研修も無事終了。年度末のまとめに向けて、いよいよラストスパートです。

校内研修ってどうやるの?

私は住まいは埼玉県内ですが仕事の大半は都内です。英語教育政策に関して、文部科学省に対して言いたいことは山ほどあり、東京都教育委員会に対してはその何倍にもなります。都の政策で肯定的に受け入れたものはほとんどなかったのに、最近一つだけ良いものを見つけましたf^^;。

東京都教職員研修センターが『小学校における外国語教育の充実 指導資料 小学校新学習指導要領に対応した「外国語活動・外国語科」充実のための校内研修ハンドブック』なるものを作成し、都内の小学校や教育委員会に配布「したのですが、同センターのホームページにそのデータが掲載されています。URL はこちら

www.kyoiku-kensyu.metro.tokyo.jp/09seika/reports/bulletin/h29.html

このページの下の方にスクロールすると Word や pdf 形式のファイルへのリンクが表示されます。

次期学習指導要領への移行措置・先行実施が目前に迫り、研修の必要性は感じているけれど外部から講師を呼ばずに自力で何とかしたい!という学校は、まずはこれを参照するとよいと思います。それぞれの学校の優先課題に合わせて15のトピックに細分化されているので使いやすいのではないでしょうか。時期的に仕方ないとはいえ、演習例が Hi, friends! という点がちょっぴり残念ですが、外国語活動担当者など研修の要になる先生が、そこだけ We Can! や Let's Try! に置き換えて考えるのはさほど大変ではないと思います。

2年限定だけど買っちゃった

来月から新指導要領の移行措置期間、先行実施が始まるというのに、文科省から学習指導案が出ず、評価についてもモヤモヤしたままですが、そんな中、「やっぱり出た!」

菅正隆氏と明治図書が組んで指導案例とか評価文例満載の本を出すんじゃないかと思っていたら、やはり出ましたね。We Can! は2年の有効期限付の教材なので、果たしてこの本がどれだけ売れるかわかりませんが、困っている現場にとっては学校で2冊買って5000円弱というのは決して高い買い物ではないと思います。(…と言いつつ、私費で買っちゃった私は、まんまと「菅商法」に引っかかっっちゃったかもf^^;)





JTE として勤務している学校は、来年度の高学年は「45分×35回+15分×105回」という実施になるので、この本の指導案をそのままは使えませんが、参考になる点はたくさんありそうですし、担任の先生方にもすすめて、通知表や指導要録に所見を書くときの参考にしていただけるとよいかな、と思っています。

なんで厚いの?

先日、JTE として勤務している小学校で、年度内の最後の外国語活動が終わりました。とりあえずほっとしています。学校に届いていた高学年用の新教材 We Can!を見て「!?」。何でこんなに厚いの??指導書が分厚いならともかく、児童用の教材が厚い!昨年中に文科省のホームページからデータで入手したものとボリュームが明らかに違う!よほど質の良い紙を使っているのか??…と思ったらそうではなくて、移行措置のために後ろに Hi, friends! の抜粋がくっついているからなんですね。確かに、Hi, friends! と We Can!を併用する学校では、児童に2冊持たせると紛失したり色々と煩雑になるからでしょう。いや~それにしても来年度から We Can!一本でやろうとしている学校にとってはありがた迷惑かも…?

教育に限ったことではありませんが、役所がどんなに緻密に計画を立てたり、あらゆることを想定して先手を打っても、何か新しい制度が始まるときに混乱はつきものですが、次期学習指導要領そして新教材について情報を得れば得るほど安心感より不安が増しています。でもこれは私だけではなくて、それなりの意識のある先生方はもっと不安ですよね。できるだけ子どもたちを混乱に巻き込まず、先生方の実務的、心理的な負担を軽減するのが私の使命と肝に銘じて、しばらくは過ごすつもりです。

J-SHINE シンポジウム

先日、J-SHINE 事務局からご案内をいただきました。3月16日(金)に『小学校英語教科化記念全国シンポジウム報告会』が開かれます。詳細はこちら

http://www.j-shine.org/2018/02/02/

平日の昼間なので参加できる人は限られるかもしれません。私はたまたま空いているのでさっそく申し込みました。現場では来月からいよいよ先行実施、移行期間がスタートするので、少しでも多くの新情報が得て自分の頭の中を整理できるようにしたいと思います。

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