小学校外国語活動を中心に英語教育全般についてつぶやき中(*^_^*)
WTTのふりかえり その2
2017年03月30日 (木) | 編集 |
前回の投稿のつづきです。今回は Welcome to Tokyo Unit8 「おみやげを探してあげよう!」についてです。

この単元も教材に示されている Project を実行するのはとても無理、だからと言ってDVDを視聴するだけで終わっては授業になりません。とはいえ、まずは教材に示された通りにDVDを視聴し、内容についての質問に答えるという手順で進めました。そこでの珍(?)解答。(まあ、ウケねらいでしょう。普段からいかにもそういう感じの男子なので)「アナはもともと、だれへのおみやげを探しに商店街へやってきたのかな?」に対する答え「エルサ」。『アナ雪』の見過ぎですか!?

ここでは買い物がメインテーマなので、外国のお金についてもふれました。参考資料はこちら

世界のお金図鑑 http://doranekokazu.com/

パワーポイントで画像を見せながら、どこの国のお金か、通貨単位は何か、などをクイズ形式(もちろん英語)で進め、通貨記号にもふれました。突然ですがここでみなさまにクイズです。

「日本、フィリピン、デンマーク、ノルウェーの通貨に共通することは何でしょう?」

6年生の児童にも同様のクイズを出題しました。パワーポイントでそれぞれの国の国旗をクリックすると、その国の特定の硬貨の写真が表示されるようにスライドを作りました。最後に開けたのは日本なのですが、勘のよい子は最初の国の硬貨の写真を見てピンと来ていたようです。

答えは「穴の空いた硬貨が流通している国」です。その中でも日本の五円玉はかなり特殊で、アラビア数字が一切使われていません。(外国人観光客泣かせのお金?)実際、いくつかの国でホームステイの経験をしたことがある知人は、出国前に五円玉にたくさん両替をしておき、ホストファミリーやお世話になった人にお土産と共に五円玉を渡すと珍しくて喜ばれたそうです。

さて、この単元のふりかえりカードには「外国から東京に遊びに来た友だちが、家族へのお土産をさがしています。あなたは何をすすめますか。理由も書きましょう。」という項目を入れました。「扇子」「手ぬぐい」「人形焼」などは複数の児童が答えていました。「かさばらない」という理由を考えられるのはさすが6年生といったところでしょうか。

児童がふりかえりカードを書いている間、私はたいてい教具の片づけをして担任の先生は教室内を巡回して児童の記述を見ています。このときは授業の最後に少し時間があったので、担任の先生が巡回中に「この子のふりかえりは全員に聞かせたい」と思ったものを全体で発表させました。

その中で特に印象に残ったのは「折りたたみがさ」でした。これを書いた子のおばあちゃんはアメリカ人なのですが、理由は「おばあちゃんがアメリカから遊びに来たとき、日本の折りたたみがさはじょうぶで軽くてデザインがおしゃれだと言って、おみやげに何本も買って帰ってよろこんでいたから。」というものでした。これを聞いた他の児童も「へぇ」という反応でした。折り畳み傘そのものは外国にもありますし、特に日本的なものでもありません。でも外国の人が本当に選んで喜んで買って帰った、という実話が子どもたちにとって説得力があったようです。児童どうしの学び合い、という当たり前の大切さを噛みしめました。


WTTのふりかえり その1
2017年03月29日 (水) | 編集 |
前回の投稿で Welcome to Tokyo を扱った授業で、児童が書いた「ふりかえり」についてふれましたが、もう少し付け足します。前回は5年生の話でしたが、今回は6年生です。

まずは Unit1。ここではメインキャラクターの Shinji だけでなく、他のキャラクターについても地下鉄の路線と絡めて英語でやりとりをする活動を行いました。このとき、東京都内の路線図をペアで1枚配布し、路線図を見ながら活動を進め、さらに中学校につなげるためにヘボン式ローマ字についてもふれました。駅名などの固有名詞の表記はヘボン式が基本ですからね。「新橋」を Shimbashi と表記することに「へぇ~」だった子もいましたが、先日、新聞記事になったような「2種類のローマ字表記があるせいで児童が混乱する」ということは、少なくともこのときは起きませんでした。おそらく訓令式とヘボン式の特徴をざっくり簡潔に(1分もかからない)説明して児童が納得したうえで進めたからだと思います。

この単元の Project 「いろいろな観光スポットへの行き方を(英語で)伝えよう」は、私が教えている児童にはハードルが高すぎるので行いませんでしたが、「新宿から乗り換えなしで、それぞれの名所(児童になじみのある上野動物園や高尾山)に行くには、どの路線に乗ればよいか」をグループで考えさせ、「外国人観光客役の私に英語で教える」というロールプレイも行いました。

このときのふりかえりカードには「あなたが外国人観光客を東京の名所に連れて行ってあげるとしたら、どこに行きたいですか。理由も書きましょう。」という項目を入れました。野球少年は「東京ドーム」、おしゃれ好きな女の子は「渋谷の109」など、この記述にも児童の趣味や個性がよく表れて、楽しみながら読みました。(学校の最寄駅から渋谷へは乗り換えなしで15分ほどで行けるのですが、下町から遠いせいか、浅草寺、東京スカイツリー、秋葉原など、いかにも外国人観光客が多く集まりそうな場所はあまり出ませんでした。)

それ以外の自由記述の欄で多かったのが「東京に住んでいても、知らない場所や駅がたくさんあるのでもっと知りたい。」「オリンピックのときは外国の人を案内できるように、英語だけでなく電車のことも色々知らなければいけないと思った。」という内容でした。何だか怖いくらいにこちらの思惑意図にはまっています。そうなんです。英語表現だけ勉強して覚えたところで、案内できる内容を知らないことには実際に使えないんですよね。

なお、ここで使用した路線図は下記で入手可能です。「複製・転載・再配布自由。ただし売らないでください。」という寛大な注意書きがついています。

47都道府県鉄道路線図 ひまわりデザイン研究所

東京都の路線図はこちら
http://www.47rail.jp/data/13_tokyo_201603.pdf

他の Unit についてはまた後日。


おすすめの和食
2017年03月27日 (月) | 編集 |
年度末、毎日忙しくお過ごしの方もいらっしゃるでしょう。私はというと、たぶん今の時期が1年で一番ゆったりしています。でもここで本当にゆったりのんびりしすぎると新年度がきつくなるので、まとまった休みだからこそできることを毎日地味~にこなしています。

JTEとしての仕事で今年度をふりかえって来年度の改善につなげたい一番のポイントは Welcome to Tokyo (以下、WTT)の扱いです。東京都以外の学校にお勤めの方は「何?それ?」かもしれません。2020年開催予定の東京オリンピック・パラリンピックに向けて、東京都が作成した英語教材のタイトルです。小学校高学年用、中学校用、高等学校用の3レベルがあり、来年度は小学校中学年向けの教材も配布されるそうです。

ただでさえ学習指導要領の改訂で現場は激動期を迎えるのに(特に道徳と外国語に関しては大改革ですよね)、こんな教材をぶち込んでくる東京都教育委員会をプラス評価するのはごく一部の人でしょうが、それでもやらなければいけないのが現実です。

今年度は小学校の先生方も私も手探り状態でした。東京都が示している指導内容をこなせる学校・学級はおそらく一割にも満たないでしょう。つまり都が出した指導の手引等の資料は現実的には使い物になりません。

そんな中、今年度のWTT関連でおもしろかったのは5年生の児童のふりかえりカードでした。Hi, friends! 1のLesson9が終った後、1年の最後はWTTの Unit2「給食を楽しんでもらおう」で締めくくりました。ここでは和食が話題になっています。この単元を扱った授業のふりかえりカードには「外国の人にすすめたい和食とその理由を日本語で書きましょう。」という項目を入れました。5年生2クラスあるうち、1クラスは約半数の児童が「お寿司」と書き、理由も似たようなものが多かったのですが、もう1つのクラスは児童の記述に個性が表れました。中でも私の印象に残ったのは「松前漬」と「鮭とば」でした。両方とも、書いたのは女子です。(担任の先生曰く「あの子たちは将来、呑兵衛になりそう。」)

松前漬と書いた子の理由は「海の幸だけでなく、野菜も一緒に食べられて、外国にはないものだから」、鮭とばと書いた子の理由は「よく噛まないと食べられないので体にいいし、ご飯に合うから」でした。う~ん…二人ともよく考えているなー。




仕事納め その1
2017年03月15日 (水) | 編集 |
学校関係で仕事をしていると、12月より3月の方が「年末」感が強いです。「お世話になりました」という言葉を一番頻繁に使うのがやはりこの時期です。いくつかの仕事をかけもちしている私にとって、一つの仕事が昨日で仕事納めとなりました。

昨日はJTEとして勤務している小学校への年度内最後の出勤でした。来年度もこの学校に継続して勤務する予定です。出勤日数も出勤曜日も担当時数もたぶん変わりません。変わる予定なのは教育委員会が決めた時給(少しアップ)と支払対象となる準備時間(少しダウン…で、年間合計で見ると若干のダウン)くらいでしょうか。

6年生とは昨日がお別れでした。統合新校のため第1回の卒業生です。卒業式に出たいと申し出れば出席させていただけるとは思うのですが、毎年何となく遠慮しています。今年度も最後の外国語活動の締めは「雨ニモマケズ」の英語版視聴です。



毎年のことですが、子どもたちがじっとテレビの画面に見入っている間、私は教具を片付けながら心の中で泣いています。昨日もそうでした。…が、昨日はそんな感傷を吹き飛ばす出来事がありました。

授業の終わりのあいさつで、担任の先生が決まり文句のようにおっしゃるのは「1年間お世話になった先生に感謝の気持ちを込めたご挨拶しましょう。」の類です。毎年どこのクラスでも同様ですが、昨日の6年1組の担任の先生(ベテランの男性)は違いました。「1年間たくさんご迷惑をおかけしたので、最後くらいはしっかり挨拶しましょう。」

不謹慎にも、担任の先生のこの一言に私が「ブハッ!」と吹き出して笑ってしまいました。さっきまでのしっとりした空気はどこへ行ったやら…。でも最後に笑って明るく終われたからまあいっか。休み時間、担任の先生に「最後の最後のあいさつで、『1年間お世話になりました』じゃなくて『ご迷惑をおかけしました』なんておっしゃった担任の先生は初めてですf^_^;」とお話しすると、ちょっと照れくさそうに「正直な気持ちがつい言葉になっちゃって…」と返されました。(この先生らしいな~

ちなみにこのクラス、確かに私語が多くて(特に男子!)担任の先生にも私にも注意されることがしばしばあったものの、世間の6年生と比べてよく声が出るし、とても素直で良い子たちでした(*^_^*)。

迷走?暴走?
2017年03月09日 (木) | 編集 |
久しぶりの更新なのに物騒なタイトルですみません。昨年末に中教審の答申が出てからこの3か月の間、教育界の動きが慌ただしくなっていますね。私が関わっている小学校英語教育の世界でも色々な動きが出ています、というより揺れているという方が正しいかもしれません。

中でも怖いな…と思うのが、それなりの立場にある方の発言やマスコミの記事です。「怖い」と言ってもそれで誰かが重傷を負うとか児童生徒にとって取り返しのつかないことが起きるということではないのですが、小学校の先生方の不安を増長しかねないことがすでに起きています。

現行の学習指導要領が公示されてから完全実施に至ってある程度現場が落ち着くまで、つまり平成20年春から平成25年度くらいまでの間も「デマ」とさえ言いたくなるような噂が飛び交っていましたっけ。外国語活動必修化というだけでも現場は大変だったのに、多くの自治体や学校が波に乗らないうちに「英語ノート」が消滅し、Hi, friends! は児童用冊子が早々できたものの音声CDや指導案が実際に活用できるようになるまで後手後手でしたし、デジタル教材にいたってはあちこちの学校で「フリーズして使えない」というトラブルが起きましたっけね。

次期学習指導要領に関しても、私が個人的にですが心配なことがあちこちで起きています。先月中旬に次期学習指導要領案が公開されましたが、その内容を拡大解釈あるいは誤解したまま新聞記事になったり、英語教育を専門とする大学の先生が発信してしまっているのを見聞きして「ああ、また前回の改訂と同じような失敗を繰り返すのか…」と思うことがあります。かと思うと、あちこちの教育委員会や小学校から研修の依頼を受けている(と本人は言っているが、実際はどの程度の案件を扱っているかわからない)講師が、明らかに知識や情報不足のまま近未来の英語教育を語っているのを聞くと、研修を受けている先生方が気の毒とさえ思えます。(でもたぶんこういう人たちが平成32年度から使われる小学校外国語用の検定教科書作成に携わっているのでしょうね。ますます恐ろしい…。)

私もこの半年ほどは次期学習指導要領に関する質問を多く受けていますが、基本的には「文科省のホームページを頻繁にご覧ください」と一貫して答えています。小学校の先生方は英語だけ教えているわけではないし、忙しいのはわかります。でもプロの教師である以上、情報を与えてもらうのを待つのではなく、自分から取りに行く積極性は忘れないでほしいと思っています。ただ、文科省のホームページに載っている情報量は膨大ですから、どこを見ればどんな資料が得られるか、場合によってはURLをお知らせする程度の情報提供はします。

そういうただでさえ大変な時期に、教材を追加したり実技試験(平成28年度は一部の公立小学校のみ)を課す東京都っていったい何を考えているのか?と疑問の念を持たざるを得ません。こういうときだからこそ自分は「研修講師としては先生方の心理的不安を軽減できるように、JTEとしては担任の先生方の業務の負担を軽減し、児童の意欲を削がないように」心がけたいと思います。さあ、もうじき新年度が始まりますね。