小学校外国語活動を中心に英語教育全般についてつぶやき中(*^_^*)
翻訳アプリ
2015年11月27日 (金) | 編集 |
ある小学校で6年生の外国語活動を参観させていただいたときの話です。日本語があまり話せないALTと担任の先生とのティーム・ティーチングでした。授業は担任の先生が主導で進めていて、まずまずだったものの、ときおりALTが指導案と違うことをやってしまっている場面もありました。指導案通りでなくても結果としてそれが児童のためになっているのであればまだしも、それまでの流れを見ても、明らかにALTが45分の流れを理解しておらず、担任が意図していないことを勝手に始めてしまって、一部の児童が困惑しているという印象は否めませんでした。

授業後に担任の先生とお話しする機会がありました。担任の先生はとてもまじめで謙虚な方で、「ALTとの打ち合わせ不足を反省している」「ALTが違うことをやってしまったときに流れを戻せなかったのはT1の自分の責任」ともおっしゃっていました。(私は必ずしもそうではないと思いましたが…。)

現実問題として、ALTとのコミュニケーションに難しさを感じているようなのですが、その先生は「今はこういうものに頼っているんです。」とスマホを出して、翻訳アプリを起ち上げてくださいました。その先生とALTのやりとりが文字で保存されているものを見せていただいたのですが…もちろん日本語と英語が混在しています。そして笑っちゃうような誤訳も多いです。でも、その先生曰く、翻訳されたものを見ると、誤訳かどうか以前に「この日本語/英語、絶対にヘンでしょ。」とわかる場合も多く、それについては担任の先生が何とか片言の英語でできる限り誤解のないように伝えている、とのことでした。

はぁ~、日々多忙なのに、ここまでやる担任の先生に脱帽です。でもここまでしてALTとコミュニケーションを図ろうとする担任の先生の熱意は、きっと授業を通して子どもたちにも伝わっているのではないかと思います。

要望を出す、その前に
2015年11月21日 (土) | 編集 |
先日、知り合いの小学校の先生(管理職)から相談を受けました。

「去年まで来ていたALTは、何と言うか、子どもたちをのせるのが上手でゲームもいっぱいやってくれたけど、今のALTは大人しい人で、熱心なのはわかるけど、ご自身もあまりコミュニケーションが上手ではなさそうだし、子どもたちからの積極的な発話を引き出すのがあまり得意ではなさそうなんです。どのように担任の先生たちの要望を伝えたらいいでしょうねえ?」

う~ん…そのALTの授業を見ないことには何とも言えませんが、この先生や同僚の担任の先生の、要望というよりALTへの期待があまりにも漠然としているような印象を受けました。何とか生活できるレベルの日本語しかできないALTとのことなので、そもそも内容が明確でないものを先生方が日本語で伝えようとしても、逆に先生方が何とか頑張って英語で伝えようとしても、コミュニケーションが成立しないであろうことは第三者の私でも容易に想像できました。仮にALTの派遣会社の日本人スタッフを通すとしても、このままではALTの何が課題で児童のために具体的にどうすればよいのか、会社にもALT本人にもわからないでしょう。

例えば「学習指導要領にはこう書かれている。でもALTの指導方法や指導内容は明らかにそれから外れている。だからこうしてほしい。」とか「ALTの話す英語が難しすぎる、あるいは速すぎて子どもたちが理解していない。だからもっと易しい英語でゆっくり話してほしい。」という要望ならALTも理解できるでしょう。

ALTは「助手」なのですから、英語のお手本やコミュニケーションの相手役は彼らに頼るにしても、児童のコミュニケーションを活性化するための手立ては小学校の先生(基本は担任)が行うべきことです。そうは言ってもALTに依存せざるを得ない小学校がまだまだあることもわかります。ただ、要望を出すなら先生たちもある程度は勉強して具体的に伝えないことには一向に授業は改善されません。ゲームをたくさんやってくれれば良いALTなのでしょうか?人の話をきちんと聞けず、子どもたちが意味もわからず大きな声でただ英語をワーワー言っていれば良い授業なのでしょうか?

「まずは先生ご自身が授業を参観して、担任の先生からのご意見も聞いて、ALTの課題と要望を具体的に箇条書きにして派遣会社に提出なさったらいかがでしょう。そのうえで派遣会社のトレーナーやコーディネーターに来校してもらって必要なら指導を入れてもらうようにしないと、このままでは井戸端会議で終わってしまいますよね。」

不満やクレームではなく、あくまでも「児童のための」要望を出さないとね。
私ったら相変わらず直球勝負だなあ…(苦笑)。

文字入れで悩む
2015年11月12日 (木) | 編集 |
小学校外国語活動の教具には色々なものがありますが、必ずと言ってよいほどどの単元でもどの授業でも使うのがピクチャーカードです。私も今までにいっぱい作ってきました。

今までは特別な理由がない限り、ピクチャーカードには文字は入れませんでした。入れてはいけない、とは思っていませんし、むしろ高学年になったら図形認識能力も高くなりますから、読めるかどうか、あるいは読ませるかどうかは別にして、「文字をたくさん目にふれさせておく」のはよいと思っています。

ただ、絵の下に文字を入れるとなると、悩みも出てきます。教具作りにひと手間かかることは確かですが、児童にプラスになるのであればその手間を面倒だとは思いません。必要なことはやります。むしろ私が難しいと感じているのは全体のレイアウトです。文字数の多い単語はフォントを小さくしないと入らず、教室の後ろに座っている児童からは各文字が認識できないのでは?とちょっと心配です。別に単語が読めなくてもよいし、1つ1つの文字を認識して綴りまで覚えさせる必要も全くないのですが、文字が書かれている以上はそれぞれの文字が見えないと不安になる子もいると思います。「読めなくてもいいんだよ」というのは大人の勝手な言い訳で、「だったら最初から文字なんかいれないでよ。」というのが子どもの本音でしょう。さらに、文字を入れるために絵が小さくなってしまって、絵も小さくてよくわからない、文字も後ろから見にくい、というダブルフラストレーションにならないか、ということまで考えてしまいます(考え過ぎ?)。だからと言って紙を大きくすると、それはそれで扱いづらくなります。

単元によっては、パワーポイントで教材を作成し、絵のみを提示して、もう一度クリックすると文字が浮かび上がるようなスライドにしているものもありますが、デジタル教材の限界もあるんですよねえ。十数枚の紙のカードを黒板に貼って、視界にすべてが入るのもまだまだ魅力です。

年末年始の休みに教具の整理をしつつ、文字入りカードのリメイクに取り組む予定ですが、児童にとってわかりやすい教具となるよう、色々考えて工夫しないと…。

1校に2冊あるといいかも
2015年11月05日 (木) | 編集 |
先週、当ブログでも触れたこちらの資料。実際に中を見てみました。全ページをくまなくじっくり読んで研究した、ところまでは至りませんが、2冊とも目を通してみた感想を一言で述べるなら「1校に2冊(Hi, friends!1と2の2冊)あるといいかも!」

簡単に言うと、『Hi, friends! 指導編』と『英語ノート指導資料』と「文科省作成の年間指導計画と学習指導案」のいいとこ取りをした感じです。何だかこれだけ書くといいことずくめみたいですね

タイトルが「他教科関連指導研究編」となっているので、資料を開く前は英語以外の知識とか資料ばかりが目立って、ややもすると学習指導要領の目標の最初に謳われている「外国語を通じて」がどこかに行ってしまっていないか?という心配が無かったわけではないのですが、そこまで他教科関連の内容が色濃く出ている(出過ぎている)わけでもありませんでした。

個人的には70時間分の指導案はいらないのでは?と思ったのですが、他教科と関連づけた指導内容や活動が紹介されていても45分の流れにどのように組みこんでよいかわからないという先生も多いでしょう。実際、担任の先生が単独で外国語活動の指導をしていらっしゃる場合、必修化から5年目の今でもこのような疑問や悩みは絶えませんし、ALTやJTEとのティーム・ティーチングだとしても、彼らは英語が話せて、歌やチャンツや絵本などの教材も知っていて、ゲームやアクティビティのネタも持ってはいるけれど、立案力まで備わっている人はまだまだ一握りでしょう。そう考えると、こういう指導案も、あくまでもサンプルとはいえ、現場に必要なのかもしれません。

一部のページは『Hi, friends! 指導編』と似ていて、記載内容もかなり重複しているので、「別にこれはなくてもいいんじゃない?その分ページ数(と値段)を少なくしてもらった方がありがたいんだけど…」と最初は思いました。でも現場にいる先生方のことを考えると、いくつもの資料を開げたうえで指導案を作るのは煩雑になるわけで、「70時間分の指導案も、評価規準も、文化的背景や語法・文法の解説もあって1冊にまとまっている」いわばオールインワン資料が(たったの)160ページにまとまって厚みも1cm以内、ということを考えるとスグレモノと言えるでしょう。

もう一つの特徴は、「新たな補助教材」(デジタル教材の名称は Hi, friends! Plus)を活用した活動案が紹介されている点でしょう。児童用ワークシートや活動事例が文科省のホームページから誰でもダウンロードできるようになっていますが、文科省も文面で強調している通り、指導者があくまでも「補助」という意識を持ち、児童の負担にならないように十分配慮しながら使わないと、外国語活動の目標から大きく外れるばかりでなく、中学校への円滑な接続すら崩れかねないのですが、この本の記述内容はそうした「さじ加減」が絶妙だと思いました。年間35回で担任単独で指導している場合でも、担任にも児童にも過度の負担がかからない活用例がわかりやすく記述されています。

個人的には、Hi, friends! 指導編で紹介されているアクティビティのうち「これで本当にコミュニケーション能力の素地を養えると思ってんの~?」「高学年がこんな活動をやっておもしろいと思うの~?」な活動がこちらの資料でもまだ生息しているのは残念ですが(笑)、あとは現場の指導者の力量で、この資料で紹介されている「他教科関連」の内容にうまく差し替えられるといいのかな~、と思ったりもします。もしかしたら、この資料が役に立つのは小学校の担任の先生よりJTEとか中学校の英語の先生かもしれません。

新たな補助教材とか Hi, friends! Plus に関連する部分は「今」だからこそ書けた内容ですし、すでに出版されている Hi, friends! 関連の資料と比べると後発のメリットを思う存分に活かしていると言えますが、Hi, friends! が世に出ると同時に文科省が本書のような指導編を作ってくれていたら、小学校の外国語活動はもっと充実したものになっていたに違いない、と、ないものねだりをしてしまいました。これはただの愚痴ですけど…f^_^;

…ということで、「冒険」なんて書いて、東京書籍さん、失礼しました。送料・税込みで3856円の価値は十分にあります。