小学校外国語活動を中心に英語教育全般についてつぶやき中(*^_^*)
実態を見れば納得できること
2015年01月31日 (土) | 編集 |
先日、JTEとして勤務している小学校の6年生の担任の先生がこんなことをおっしゃっていました。

「英語教室に行っている子でもアルファベットの小文字って難しいんですね。先生(=私)に色々なバージョンのアルファベットの歌やチャンツを教えていただいて、音声としては十分認識していて、『アルファベットくらいわかっているもん。もう飽きた』って顔してますけど、いざカードを使って文字の形を認識するとなると、a~zまで順番通りに並べるのもなかなかできない子がいるんですよね。1年生にひらがな、カタナカを教えているのと何だか同じような気がします。覚えない子はなかなか覚えませんねえ。」

その通り。しかもひらがな、カタカナはほぼ毎日目にしますし、学校にも家の中にもあふれています。アルファベットもお店の看板や商品のロゴなどに使われていて、特に大文字は目にする機会が多いでしょうが、それでもひらがな、カタカナに比べたら目から入る機会がずっと少ないことは言うまでもありません。高学年ともなれば形の認識力は1年生よりずっと勝っていますから、目にする機会が少なくなっても他の知力で補うことができるとはいえ、限界はあると思います。

1年生に母国語であるひらがな、カタカナを教えることの大変さがわかっている小学校の先生だからこそ、たった週1回の外国語活動で、文字指導だけしているわけではなく、むしろ音声によるコミュニケーションが中心の授業の中でアルファベットを認識することが子どもにとっては難しいことを実感されているのでしょう。これが筆記用具を持って紙に書くとなったらますますハードルが高くなるのは言うまでもありません。

さすがに最近は「小学校でアルファベットの読み書きくらいできるようにしてほしい」と公言する中学校の英語の先生は減りましたが、この発言がいかに現実離れしているか、小学校で実際に指導してみればわかると思います。

教え方の後ろ倒し
2015年01月27日 (火) | 編集 |
一昨日、東京で開催された J-SHINEのシンポジウムに行って参りました。パネリストはみなさん英語教育に関わる方ばかりですが、それぞれ異なったお立場なので、色々な分野、色々な視点からのお話しを聞けるよい機会であると同時に、こういうシンポジウムに参加するといつも私の頭の中は(言葉は悪いですが)情報や意見が散らかった状態で帰宅することになります。でもそれでいいのかな。そもそも色々な人の話を一本で繋げようとか、きれいにまとめようとする必要もないわけで、自分のアンテナにビーン!と引っかかった言葉や情報を取り込めばよいか、とも思います。

今回のシンポジウムで私の感度計の針が一番大きく振れたのは「内容の前倒し、教え方の後ろ倒し」の後者でした。小学校の外国語が教科化されたら、現行の学習指導要領で中学校の内容に入っているものが小学校高学年に前倒しになるのは必至でしょう。ただしそれだけではなく、教え方は後ろ倒し、つまり今、小学校の外国語活動で行われているような音声中心、コミュニケーション重視の指導法がますます中学校で重要になるというわけです。

中学校の先生の中には、すでに小学校外国語活動で子どもたちが慣れ親しんだ内容や指導法を中学校の授業に活かして、「領域」と「教科」の壁を上手に乗り越えて(児童に乗り越えさせ)小中連携を図っている方もいらっしゃいます。ただこれは行政というか自治体の教育委員会がリーダーシップを発揮しないと難しいということも個人的には感じています。

単に中学校の内容を小学校に下すだけでなく、中学校の先生も小学校の外国語についてしっかり研修を受けて、教え方の後ろ倒しが円滑にできるといいですね。この言葉を聞いて思ったのですが、多忙な小学校の先生の中から推進リーダーを育成するのも良いですが、中学校の外国語科の先生に小学校外国語の研修を受けさせて小学校で専科として、担任がT2のティームティーチングで授業を担当させる方が小中連携も上手く行きそうですし人材育成としては効率が良いような気もするのですが…

6本連続ヒット
2015年01月24日 (土) | 編集 |
今週は小学校の外国語活動を6時間参観する機会がありました。そのうち3本は指導助言者として、あとの3本は、ある小学校の研究発表の公開授業を一参会者として見せていただきました。この6時間がすべて素晴らしい授業でした。野球のバッターに例えるなら6打席6安打(うち1本はホームラン)です。辛口の私にとって、こんなことは最初で最後かもしれません。

どの授業も全く課題がなかったわけではないとはいえ、「全国の小学校でこういう外国語活動が実施されていれば、世間で言われているような問題点(小中連携が上手く行かない、中学入学前に英語嫌いが多い、など)の多くは解決するのではないか」と思いました。

楽しいだけのゲームに走らず、意味のある英語でのやりとりがあって、担任の先生とALTのティーム・ティーチングの授業では2人の役割分担が明確かつ適切で、担任の先生が「積極的に英語を話そうとする日本人のお手本」になっていて、児童をよく観察して児童の意欲を高めるのが上手で、児童が無理やり「言わされている」と感じる活動がない、という何拍子も揃った授業を6回連続して見ることができたのです。

この6時間の参観の合い間に、自分もJTEとして2校で8時間の外国語活動を指導したので、今週はかなりハードスケジュールでしたが、充実した1週間でもあったことは確かです。

そして明日は J-SHINE のシンポジウム。インフルエンザ流行のニュースがあちこちで取り上げられる中、私はウィルスに憑りつかれる暇もなさそうです(笑)。

私にもわからない…
2015年01月22日 (木) | 編集 |
今日もJTEとして仕事をしてきました。こちらの学校は担任の先生が授業の内容を考え、私の役割は予めわかっている範囲で教具を準備し、授業中は担任の先生の補助役なので、「支援員」としてはこちらの学校の方が私の「活用法」としては正当なのですが…。(もう1校は私が立案し、授業の2~3日前にFAXで指導案を送っています。)

今日の5校時は5年生の外国語活動で、担任の先生とは昼休みに2~3分で打ち合わせをしました。担任の先生が「先日、区の外国語活動の研修で習ってきた活動をやりたいんですが、最初にこうして次にこうして…」と口頭で説明してくださったものの、私には具体的に児童の動きが想像できませんでした。教具もなく、視覚的なイメージもつかめないまま何度説明されてもわからないと思われたので「その場で指示を出していただければ、その通りに動きます。」とだけ答えました。

さて、実際にその活動をしたところ…とりあえず私はその場になって何をすればよいかわかり、可能な限りの支援をしました。一つの活動に10分以上時間をかけたにもかかわらず、児童の言語使用は、多い子でも “Do you like +教科名?” - “Yes. I do. / No. I don't.” のやりとりが2~3回と教科名を2つか3つ断片的に言うだけでした。全く英語を発しない子もいました。(発しなくて済む活動でした。)活動が始まった後も、何人もの児童から「先生、何すればいいんですか?」という質問が頻発しました。

授業の最後にふりかえりカードを記入している最中のある児童のひとりごと。「結局、最後のって先生は何したかったの?」

私もそう思いました。活動が複雑、目的不明、時間がかかりすぎ、児童は英語よりも日本語を使っている時間の方がはるかに長く、申し訳ないのですが私も少しストレスを感じました。担任の先生は、活動の目的が何なのか考えもせず、とにかく Hi, friends! 1 の Lesson8で使える活動として研修で紹介されたので、「ああ、これで一つ、ネタを考えなくて済む」と飛びついたのでしょうね。小学校の先生の忙しさを考えると責めるわけにも行かないのですが、これではあまりにも児童がかわいそうです。こうして英語嫌いが大量生産され、中学入学時にすでに英語学習の意欲を失くしてしまうのでしょう。

それにしてもこんなヘンテコな活動を研修で紹介するって、いったいどんな講師なんでしょう…おっと、他人の振り見て我が振り直せ、ですね(苦笑)。

どうでもいいツッコミ f^_^;
2015年01月15日 (木) | 編集 |
JTEとして勤務している小学校のうち1校は、5年生が Hi, friends! の Lesson8をやっています。せっかくなら前の単元で出てきた p.28,29 を活用して、教科・科目名を素材としたアクティビティが何かできないものか思案中。そこで挿し絵を見て、気になったのが右下の絵。先生が持っている教科書は「国語」なのに、何で児童のノートは横書き??Lesson7をやっていたときは気が付きませんでした。

ついでにもう一つ。今度は Hi, friends!2の中でほんの少し気になったこと。昨日も話題にした Lesson8なのですが、「手袋」の英語音声の中に “glove” が出てきます。子どもたちは5年生のときに野球のグローブを “glove” と言うのは聞いています。(忘れている子もたくさんいるでしょうが。)過去に音声で慣れ親しんだ素材を再登場させるという製作者側の意図があるのかもしれませんが、本当は “mitten” なんですよね。mitten も glove の一部ではありますが、個人的にはやはりここは“mitten” と言ってほしかったなあ、と。

さらについでの余談。今週の6年生の外国語活動でこの単元をやったとき、一つのクラスは最後に時間が少しあったので「時間が余ったときのネタ」を使いました。「野球のグローブ」の絵を左、「5本指の手袋」の絵を真ん中、そしていわゆる「ミトン」の絵を右に貼って、易しい英語で伝えました。英語では左の2枚が同じ “glove”、日本語だと右の2枚が同じ「手袋」。子どもたちも「なるほど」という顔をしていました。(これが高学年の外国語活動の醍醐味です。)

そして振り返りカードにはこんな記述も…「英語では『なべつかみ』も『手袋』も同じ言い方なのがわかった」
あっぱれ!です。
今年度の「おとぎ話」
2015年01月14日 (水) | 編集 |
今年度6年生の外国語活動でも、 Hi, friends! Lesson7は昨年とだいたい同じ流れで行いました。昨年度と変えたのは『桃太郎』の音声です。学校に配布されているCDを使わず、デジタル教材に収録されている音声を編集して、以前、当ブログでも紹介した「あの効果音」(?)を入れてみました。(詳細はこちら

この直後におばあさんの台詞があるので、効果音は男声バージョンを使いました。予想通り、子どもたちにウケました。でも、鬼たちがあっさり降参するところでは特に反応がなく、わりと淡々とカードの順番の確認をしていました。(今年度は女子の比率が高いから?)

子どもたちの様子で昨年度とあまり変わらなかったのは、26,27ページに出てくるおとぎ話の認知度でした。中学年で使用した国語の教科書の影響はやはり大きいです。「スーホの白い馬」「三年峠」「手ぶくろ」は知らない子が多くいました。

昨年出た「金太郎はモンゴルの話だと思っていた」(最近はモンゴル出身のお相撲さんが多いためにこう思ったそうです)という声が聞こえて来なかったので少し安心しましたが(笑)、「大きなかぶ」と「三年峠」を日本の物語だと思っていた子がいました。

そして…やっぱりいた!26ページの左上のさくらとたくを見て「アラジンと魔法のランプ」と言った子。
金太郎の左横にいるタヌキとキツネの挿し絵を見て「カチカチ山」と言った子。(もしかしてキツネがウサギに見えた?)
「三年峠」の絵を見て「おむすびころりん」だと思った子。

そうかと思うと、挿し絵を見ただけではわからなかったけれど、音声を聞かせたらわかった、という子も。この授業の後の振り返りカードには「『デリシャスアップル』とか『フラワー』が聞けたので、しらゆきひめとかはなさかじいさんがわかりました。」という記述がありました。

子どもたちの色々な発想や思考回路が見えておもしろいので、私はこの単元はわりと好きです。

3学期になると…
2015年01月13日 (火) | 編集 |
私の思い込み?勘違い?かもしれない話 ^_^;。

3学期に入ると、JTEとして勤務している小学校の校長先生、副校長先生が普段にも増して色々とお心遣いをしてくださるように感じます。

現在は2つの小学校に行っており、両校の最寄駅は同じで、駅からの距離も同じくらい(ただし方向は逆)なので、自宅からの通勤時間もほぼ同じです。JTEといえば「地域人材」を雇用するのが普通ですが、私の場合は役所的に言う「最も効率の良い方法」でも片道1時間40分ほどかかります。これが自己責任というか自己選択で「楽な方法(乗り換えが少なく、バスも電車も始発で座れる)」を使うと片道2時間以上かかります。

今日も副校長先生が「遠くから通ってくださってありがとうございます。風邪など引かないようにお気を付けください。」と満面の笑みで言ってくださいました。そういえば、昨年、一昨年の今頃も、もう一方の学校の校長先生と副校長先生がニコニコしながら色々と話しかけてくださったり、ほめてくださったりしましたっけ…。もちろんこちらも悪い気はしないのですが、ついつい余計なことを勘繰ってしまいます。こんなとき、私が毎年思っていること…。

「大丈夫ですよ。そちらから『来なくていい』と言われるまで、私はちゃんとこの学校で支援員をやらせていただきます。来年度も勤めさせていただきますから (*^_^*)」

考えすぎ?(笑)



お正月の次は入試シーズン!?
2015年01月04日 (日) | 編集 |
三箇日が明けたので、自身を仕事モードに戻すためにも真面目な話題を取り上げます。元日に配信されたこのニュース

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150101-00000033-asahi-soci

想定内のことなので、そんなに驚くことではないとはいえ、細かい中身についてはやはり気になります。

今のところ、中学入試の英語は選択科目あるいは選択受験型の中の1つに含まれているということで、英語が必須になっている学校はないのかな?

一律に私立中学の入試に英語を導入することを反対しているわけではありません。小学校6年生の子どもたちに過度の負担がかからず、コミュニケーション能力を正しく測定する問題や課題を中学校が精査して課すのであれば、むしろ、お遊びだけでごまかしているような児童英語、小学校英語にメスを入れるチャンスでもあると思います。(が、そこまで考えて問題を作成したり課題を考える私立中がどこまであるかは疑問です。少なくとも私の元勤務校は、現校長は英語科ですが、そういうセンスはたぶんないでしょう。)

前にも書きましたが、入試が「選別するため」の試験である以上、「慣れ親しんでいればよい」とか「意欲・関心があればよい」などとは言っておられず、やはり技能や定着度で振り分けられることになるのでしょう。(きれいごとでは語れません。)

中高一貫校に勤めていた経験からの余談。学校によっては、一貫校といえども英語科の教員が中学校所属と高校所属にはっきり分かれている場合もありますが、教科としての組織も中高一緒という学校もあります。(私が一番長く勤めた学校は後者。)そういう学校は高校の入試問題も英語科全体で考えて作問しています。その学校の高校入試の問題を見ると、学校がどのような理念の下に英語という教科をとらえて生徒に指導しているかもある程度見えてきます。高校入試で、文法知識や読解力に偏った問題や「これ、中3生のどんな力を見たいの?」と疑問を呈したくなるような悪問を出している中高一貫校は、もしかしたら今後は中学入試でもヘンテコリンな出題をしてくるかもしれません。

受験生にとっては、「語彙力の問題が何問、文法問題が何問、読解は大問2つで配点は○点」のようにパターンが決まっていた方が受験しやすいでしょうし、少子化で生徒集めに苦労している中堅以下の学校はなかなか問題のパターンを変えられないかもしれません。でも、教師だって英語教育の動向や時代の流れを読んで、指導法や指導内容を柔軟に変えて、入試問題にもそれを反映させられるよう勉強しないとね。

なお、朝日デジタルの会員になると、無料でこのニュースの続きを読むことができます。有識者のコメントには賛否両論ありますし、それぞれに一理あって興味深く読みました。

あけましておめでとうございます
2015年01月01日 (木) | 編集 |
2015年が明けましたね
人生楽あれば苦あり…でも幸せがたくさんあるに越したことはありません。

英語教育界はさらに激動の1年になりそうですが、「子どもたちのために何が一番プラスになるか」というぶれないものさしをしっかり持ちつづけて、日々過ごしたいものです。

今年もどうぞよろしくお願いいたします。