小学校外国語活動を中心に英語教育全般についてつぶやき中(*^_^*)
ALTに求めるもの
2014年02月19日 (水) | 編集 |
先日も、ある小学校の外国語活動を参観させていただきました。担任とALTによるティーム・ティーチングです。ALTはネイティブ・スピーカーではなく、アジアの某国出身の方でした。発音は確かにネイティブスピーカーとはやや異なっていましたが、少なくとも私の判断基準では子どもたちが真似たらまずいということでもなく、何の問題もなく通じる発音でした。もっとはっきり言ってしまえば、中学校や高校の平均的な日本人の英語教師より、英語の発音の正確さも Teacher Talk のわかりやすさも上回っていたと思います。

授業後に校長先生とお話しする機会があり、こんなご質問をいただきました。「苦情というわけではないのですが、保護者からALTがネイティブ・スピーカーでないことに疑問の声が上がっていて、校長としてはどのように説明したらよいでしょうか?」あくまでも個人的な意見、という前置きで「その発言は見方を変えれば人種差別になりかねません。」とお答えしました。英語を教える人がネイティブ・スピーカーでないことが問題になるのであれば、中学校・高等学校の日本人の英語の先生は全員失業してしまいます。この保護者の言いたいこともわかりますが、一部の学校を除き、中学校・高等学校ではALTより日本人に英語を習う時間の方が圧倒的に長いわけですから、週たった1時間の外国語活動にネイティブ・スピーカーが入っていないことに疑問を持ったら、我が子をインターナショナル・スクールに入れるか留学でもさせない限り、この方は我が子が受ける英語教育にずっと疑問を持ち続けなければなりません。

私も含めて、小学校に勤務しているJTEや中学校・高等学校の英語の教師は、帰国子女でバイリンガルレベルでなければ、「正しい英語」は使えても完璧に自然な英語を使うのは難しいかもしれません。それは上記のように英語を母語としない、いわゆるノン・ネイティブのALTも同じです。ただ、彼らは生の異文化を教室に運んでくれる、という重要な役割を担っています。これは日本人の私がどんなに努力してもできません。(ただこれについても、海外生活が長い日本人なら異文化を運ぶことはできる、という意見もあるでしょうし、私もそれには反論はしません。)

一方で、アメリカ人のALT(こちらは正真正銘のネイティブ・スピーカー)が高学年におかしな英語を教えていた現場も私は見たことがあります。can を使って「できること、できないこと」がテーマの授業で、「スポーツの名前の前には the がつかないけれど、楽器の名前の前には the がつく」というのは小学生には理解しにくいので、楽器の名前にも the をつけずに教えよう、というのが彼の意見だったようです。授業中“I can play piano.”といった英語を話し、児童にもリピートさせていました。こういう英語を自分が話しているときも、あるいは子どもたちに言わせているときも気持ち悪いと思わないのでしょうか?これは極端な例かもしれませんが、ネイティブ・スピーカーでも、わざわざ単語ごとに切って、この上なく不自然な英語を子どもたちに繰り返させるという場面はよくあります。ネイティブ・スピーカーだから自然な英語を教えることができて、ネイティブ・スピーカーでなければ不自然な英語しか教えられないわけではありません。

むしろ私は、小学校段階で英語のネイティブ・スピーカーでないALTが来てくれたらラッキーだと思います。数年前に私がJTEとして勤務していた小学校に、単発でしたがバングラデッシュ出身のALTが来ました。彼女の母語は英語ではありません。でも彼女と私は英語で話ができて、児童もそれを見ています。つまり、「英語ができれば、英語圏の人たちだけでなく、みんなと同じように英語を外国語として勉強している人たちともコミュニケーションが図れるんだよ。」という生の教材を与えることができるのです。おそらく今の小学生が大人になったときに、誰かと英語で話す機会があるとしたら、ネイティブ・スピーカーではなくそれ以外の人、特にアジアの国々の人である可能性が高いと思います。

結局のところALTに何を求めるか、ということが議論の焦点になるのでしょうが、ネイティブスピーカーの音声にこだわるのであれば視聴覚教材を使えばよいわけで、それよりもネイティブであろうがなかろうが、子どもたちには「英語を使って外国の人とコミュニケーションを図れた」という体験の方がずっと大切であることは言うまでもありません。その点を小学校の先生方には理解していただきたいと思いますし、生意気を承知で申し上げれば、特に管理職の方は保護者にもきちんと説明してほしいと思います。

フルーツ・パフェ
2014年02月11日 (火) | 編集 |
JTEとして勤務している小学校の5年生は、いよいよ Hi, friends!1の Lesson9に入りました。先週は(お決まりの)「フルーツ・パフェを作ろう」をやりましたが、話のネタになりそうなことが色々ありました。

まず、5年生2クラスの担任の先生がお二人とも、児童用冊子の巻末にパフェの材料の絵があると勘違いされていました。「英語ノート」は巻末にカットフルーツの絵があって、子どもたちが切り離して使えるようになっていましたが、Hi, friends! にはそれがないんですね。でもデジタル教材のワークシートには収録されているので、そこからダウンロードして使うことができます。ただ、たった1回の授業で使うためだけに、児童数分の具材の絵をカラー印刷するのは、手間やコストを考えると良い方法とは思えません。ワークシートには黒の線描きの絵もあるので、これを白黒で印刷して児童に色を塗らせる方法もありますが、色を塗って切り離して、という作業を授業中にやるのはあまりにももったいないような気もします。

私はワークシートではなく、デジタル教材に収録されている具材の個々の絵をA4判にカラー印刷して教室に持参しました。パフェ作りの前に、この絵を使って果物の名前の復習です。peach の絵を見て “mango” と言った児童がかなりいました。なるほどね。今どきの子どもはフルーツ・パフェにマンゴーかあ…。なかなか peach が出ませんでしたが、担任の先生が「こういう色でこういう形のは缶詰で見かけるよね。」とヒントを出すとすぐにわかりました。

さて、カットフルーツの小さな絵がないことがわかった担任の先生はどうしたかというと、結局、お二人ともB5判の白紙を書く児童に配り、パフェグラスもパフェの中味も鉛筆や色鉛筆を使って描かせていました。それで十分でしょう。仮に Hi, friends! の児童用冊子の巻末にも素材となるフルーツの絵カードがあったとしても、余白があるのでパフェグラスにのせたところでおいしそうに見えませんし、切り離す時間ももったいないと思います。パフェグラスの大きさも形も色々で児童の個性が見えました。絵がとても上手な子がいて、盛り付け(?)のセンスの良さも感じられました。四角いカードを並べるよりずっと本物のフルーツ・パフェに近くておいしそうでした

ただ、ここに行く前に、一つのクラスで問題発生。それは担任の先生と私で例を見せたときのことでした。担任の先生が決めた役割分担は、「私が担任の先生にパフェの中味をたずねて、担任先生が答える」だったので、私が黒板にパフェの絵を描くことになりました。ひぇ~、これって逆じゃないの私が“Melon, please.” とか “Peach, please.” って言った方が英語指導の点からもいいと思うんだけどな…。

とはいえ、授業中に子どもたちの前でそんな苦情要望を出すわけにも行かず、言われた通りにやったのですが…まあ、謙遜抜きで私が描いた絵はどう見てもフルーツ・パフェに見えない!美味しそうに見えないとか、そういう次元の話ではないのです。あ~あ…。

どのペアもパフェ作りを終える頃、教室のどこからともなくこんな声が…「あ~、パフェ喰いたい」廊下がしんしんと冷え込むような日だったのにね。それくらいパートナーが描いてくれたパフェの絵が美味しそうに見えたのでしょうか…という私も、子どもたちの絵を見たら久しぶりにチョコレートパフェが食べたくなりました。でもこの寒空ではさすがに実行に至らず。暖かくなったらどこかに食べに行こうっと

ビデオクリップの感想
2014年02月04日 (火) | 編集 |
今日は5年生の授業で、Hi, friends! のデジタル教材に収録されているビデオを視聴し、子どもたちには気付いたことや感想などを自由に書かせました。今日、見せたのは Hi,friends!1 Lesson8の Let's Listen ② です。子どもたちはこちらの思惑通り(?)の感想を書いていました。

私が一番気づいてほしかったのは、オーストラリアの日本語の授業です。生徒の日本語の発音はかなりはっきりしていますし、少なくともビデオに写っている場面は、授業中に先生も生徒も日本語しか使っていません。しかも環境問題について日本語で堂々と発表しています。

さて、私の目の前の5年生はというと、この場面にただ「凄い」とか「驚いた」というのではなく、「日本語だけで授業をしている」「日本語で発表をしている」という肝心な点について書いている児童がかなりいて、授業後に児童が書いたものを見て内心「ヨッシャ!」と思いました。彼らは、私がほぼ英語しか使わなくてもしっかり授業についてきますし、「英語だけじゃわかんない!」と拒否反応を示す子どもたちでもなく、私が今まで教えた中では一番教えやすいと感じている子たちです。(別にこの学校の児童が、近隣の学校の児童と比べて学力が高いというわけではありません。)オーストラリアの子どもたちが、日本語の授業を日本語で受け、日本語で発表し、日本の学校のような挨拶をする様子をすんなりと受け入れたようです。それを自分たちに置き換え、「英語で英語を教わる」「簡単でもよいので英語で発表する、伝える」ことを当たり前のようにとらえている様子がちょっぴり頼もしく思えました

その他には、「韓国では、たて笛でなくフルートみたいな横笛を習っている」「中国の子は難しそうな楽器を演奏しながらきちんと歩いていてすごいと思った」「韓国も中国も英語の授業は日本と同じような感じ」「韓国はちゃんと英語用の教室がある」などなど。日本でも外国語活動用の教室がある学校ってそんなに珍しくないんだけどねえ…。ついでを言えば、英語(外国語活動)に関して言えば、「大きな声では言えないけど、韓国や中国の子より、君たちの方がずっと英語が上手だよ」と言ってあげたい気もしました f^_^;。だって~、中国の女の子2人の会話練習(?)なんて、二人とも正面向いていて、アイコンタクトなんてどこかに吹っ飛んじゃっているんですもの。この後の男の子2人はまあまあ上手でしたけどね。

いつもはやかましいある男の子も、ビデオが流れている間は静かに真剣に見ていました。Hi, friends! は色々と問題もありますが、デジタル教材の実写は結構イケると思います。