小学校外国語活動を中心に英語教育全般についてつぶやき中(*^_^*)
話半分
2013年12月31日 (火) | 編集 |
大晦日にこんなニュースが配信されるとはねえ…。

センター試験英語満点扱い TOEIC780点や英検準1級以上で特例

入試が一発勝負型から抜け出すのはよしとしても、ここに例としてあげられている民間の試験を大学入試に適用することは、どれも一長一短なんですよね。

まずTOEIC。記事の中に

センター試験の英語の出題形式は現在、読解とリスニングに限られており、作文や会話の技能も測る資格試験を活用すれば「読む」「書く」「聴く」「話す」の4技能を評価できるメリットがある。

との記述がありますが、一般的にTOEICと言ったら、「聴く」と「読む」だけで、「話す」「書く」技能を評価するためにはTOEIC SWテストという別のテストを受けなければなりません。しかもTOEICのリスニングテストの中には、実は速読の力がなければ解けないものが出題されているので、高卒レベルのコミュニケーションに必要な聴く力があっても、必ずしも得点に結びつかない場合が十分に考えられます。さらには、扱われている英文は社会人やビジネスマンに有利と思われる内容が多いので、それまでの経験や知識など、英語力以外に左右されてしまう要素が大きいと思います。

TOEFLについては、先日参加させていただいたシンポジウムでも述べられていた通り、「日本の学習指導要領に基づいて勉強した結果の学力をアメリカの大学に入るための試験で測ることができるのか?」という問題点があります。

英検については細かいスケールではなく「合格」「不合格」ですし、年に3回しかチャンスがないわけですから「一発型」のディメリットをやや引きずることになりはしないでしょうか。しかも総合評価ではなく、一次試験に落ちれば二次試験には進めないわけで、おそらく多くの日本人(特に中年以上の社会人)にとって課題である「スピーキング力」が優れている高校生が、その力を発揮する前にふるいにかけられてしまうことになります。

もちろんこれは決定事項ではなく中教審でこれから議論されることです。私は民間の試験を大学入試に適用することに反対はしません。むしろ現行の大学入試と比べて改善されることの方が多いと思います。ただ、1つの試験ではなく、民間の何種類かの試験のうち、少なくとも2つの異なる試験を受けて、両方の基準を満たす場合のみの特例措置がよいと思っています。また、そのために高校生に(正確にはその保護者に)受験料や試験会場に行くまでの交通費など、あまり経済的な負担がかからないような配慮もしてほしいです。

もう一つ、この記事の中で気になった文言がこれ

東京五輪開催を見据え

だ~か~ら~、英語教育の諸問題を議論するうえで、オリンピック・パラリンピックを「利用する」のはやめませんか。子どもたちにとって東京五輪が外国語学習の動機づけになるのはよしとしても、オリンピック・パラリンピックの開催が日本であろうがなかろうが、日本の英語教育が抱えている深刻な問題にはかなりがっつりメスを入れなければならないのですから。

とはいえ、今年一年いわゆる研修だけでなく英語教育関連の色々な会合に足を運んだ中でわかったことの一つが「新聞は必ずしも真実を報道していない」ということでした。別に週刊誌のようにウソを書いている、と言うつもりはありません。でも結局は記者にとって都合のよいことしか活字になっていないようです。

来年もまた英語教育は大きく揺れ動くのでしょうね。でもそれにふりまわされず、目の前の子どもたちに確かなコミュニケーション力をつけられる指導者を自分自身が目指すと共に、そういう指導者を養成できる講師でありたいと思います。

ではみなさま、どうぞよいお年をお迎えくださいませ

これはすごい!
2013年12月29日 (日) | 編集 |
年の瀬、みなさまはいかがお過ごしでしょうか。

さて先日、こちらからもリンクを貼らせていただいてるブログですごいものを見つけちゃいました。管理人さんの日々の実践や、現職の小学校の先生だからこそ説得力のある記事にいつも感心させられているのですが、26日付の記事はそれを通り越して、脱帽なんて言葉では足りないくらいです。

その必見記事が こちら

単に評価の勉強だけをしていたのでは、このようなふりかえりカードは作れません。特に、単元ごとの目標や指導計画がかなりしっかりできていなければ、これだけのものは形にならないでしょう。未だに目的のはっきりしないゲームの羅列で外国語活動の45分間を「埋めている」指導者は、ぜひこれを見て猛省していただきたいものです。(と言う私も、ここから謙虚に学ばせていただかなければなりません。)

さらに私が感嘆したのが管理人さんの超太っ腹度(もっと適切な言葉があるはずなのですが、英語以前に日本語の語彙力・表現力が乏しくてすみません)「著作権フリーですので…」って、これだけ凄いものを公開してしまうなんて別にどこかの出版社に売りつけるとか有料にまでしなくても、ある研究会とか研修会の出席者のみに公開するならともかく、不特定多数の方に向けてダウンロードOKとするどころか「お知り合いの方にも ご紹介いただければうれしいです」の一言に、管理人さんの謙虚なお人柄がうかがえます。

しかもこの方の素晴らしいところは、これだけ完成度の高いふりかえりカードを作成したことだけでなく(これだけでも凄いことなのですが)、pdf / word の両方を公開していらっしゃることです。つまり後者は「編集して活用したい場合にどうぞ」というわけです。これほど手間暇かけて作ったものであれば「どうだ!」と言わんばかりに pdf 形式だけで公開しそうなものですが(「もう手を加える余地がないくらい完璧ですよ」もしくは「自分の力作に勝手に手を加えてほしくない!」という作成者の驕りが見え隠れしそうなものですが)、この先生からは、そんな不遜な態度が微塵も感じられないのです。

もう一つ大切なのは、ふりかえりカードをデータで公開してくださっていることだけでなく、作成のねらいもダウンロードできるようになっている点です。私は個人的には、ふりかえりカードをダウンロードして終わり、ではなく、ぜひ管理人さんの豊富な実践経験や様々な気持ちがギューッとつまった作成のねらいも、指導者の方に熟読していただきたいと思っています。付け加えれば、管理人さんの過去の記事をお読みになると、このふりかえりカードに至るまでの過程、特に児童の様子やそこから管理人さんが学ばれたこともよくわかります。生意気を承知で申し上げれば、若手の小学校の先生方には、ふりかえりカードの完成品よりも、過去の記事をじっくり読んで管理人さんの教師としての姿勢を学んでいただきたいと思います。

このブログにも何回か書きましたが、小学校の先生は英語だけを教えているわけではありません。それにもかかわらず、ここまで精密に Hi, friends! という教材を研究し、子どもたちの様子を詳細に観察し、そこから得た成果と課題を一枚の紙に起こせる管理人さんはもう超人としか言いようがありません。20年以上も英語教育に携わってきた自分が恥ずかしくなりました。

おぐぉぐ先生、本当に感謝しています

募集情報もう1件
2013年12月25日 (水) | 編集 |
今年も残りわずか…と言っても、毎年のことながらあまり実感のない私です^^;

先日、当ブログに埼玉県・新座市のJTE募集情報を載せましたが、今日は東京都・杉並区の情報です。と言っても、正確に言えば、こちらはJTEの募集情報そのものというよりJTE養成講座のお知らせですが、JTEとしての活躍の場を求めている方は問い合わせてみる価値アリです。

ちなみに…私はこの養成講座のうちのいくつかを講師として担当させていただく予定です

「桃太郎」にまつわる音の話
2013年12月19日 (木) | 編集 |
先日、6年生の外国語活動で Hi, friends!2 Lesson7をやりました。導入はこんな感じです。

準備物は、デジタル教材からダウンロードした白黒の絵を名刺サイズのカードに印刷したもの。カードの左上には順番がばらばらになるよう、A~Vのアルファベットをふっておく。1セット22枚。これをペアで1セットになるように印刷。(私にしては珍しく、ここは手間をかけています・笑)

①ペアになり、自分たちが知っている「桃太郎」の話の順番に並べてみる
絵をよ~く見れば「さる → 犬 → きじ」の順番だとわかるのですが、中には「最初ってサルだっけ?犬だっけ?」という声がちらほら聞こえてきました。

②CDを聴いて、話の順番を確かめる。

③デジタル教材で物語を視聴。

いきなりデジタル教材で「桃太郎のお話を見ましょう」でもよいのですが、上記の手順にするとCDを聴くにしてもデジタル教材を視聴するにしても、子どもたちに「聞く目的」「見る目的」ができます。

②の最中に予想通りの声が聞こえてきました。CD2-2のトラック52から53の展開があまりに急すぎるのです。鬼たちが“We are strong!” と言ったほんの数秒後に “Sorry, sorry.”… そりゃないでしょ。せめて桃太郎たちと鬼たちが戦う効果音くらいは入れてほしかったな~。子どもたちからは案の定「弱すぎー」「もう降参しちゃうの」という声があちこちから聞こえてきました。やっぱりね~。


音に関する話をもう一つ。デジタル教材を起動させるのではなく、ディスクの中に入っている mp3 形式の音源におもしろいものがあります。デジタル教材を普通に起動させたとき、どこをクリックすればこの音源が聞けるのか未だにわからないのですが、

DATA data sound6L7_L

の順にフォルダをたどり、最後に 6L7_L_N_03_ex1 というファイルを開けると思わず「ぷぷっ」となってしまう音が聞こえてきます。ちなみにこのファイル、最後が ex1 は男性の声、ex2 は女性の声です。どうせならこれを音声CDにも入れてほしかったな~。

DVD-ROMのディスクのコンテンツを見ることができる方、ぜひ上のファイルを開けて聞いてみてください…こんなもんを見つけて喜んでいる私って、ホント、暇人だな~(笑)。

つづきがありまして…
2013年12月16日 (月) | 編集 |
4日前に Hi, friends!2 Lesson7の実践について書きましたが、これには色々と追記があります。文科省から重大発表があったりして間が空いてしまいましたが、つづきを書きます…と言っても、断片的な教室風景です。

◆Hi, friends!2の26・27ページを見ながら、かくれている話を探してワークシートに書き出させているとき、「シンデレラ(灰かぶり姫)」「かぐや姫(竹取物語)」と書いている子がいました。Good job

◆CDを聞きながら何の物語かをたずねているとき、「舌切りばあさん」という答えには、担任の先生も私も思わず吹き出してしまいました。担任の先生がぼそっとツッコミ「新しいお話しを勝手に作っちゃだめだよ(笑)」。

◆モンゴルの国旗を見せながら“Which story is from Mongolia?”(答えは「スーホの白い馬」) と私が尋ねたときに返ってきた答えのうちの一つが「金太郎」。理由は「相撲だから」。まあね…大相撲の横綱が三代続いてモンゴル出身ですから無理もないでしょうか。もしかしたらこの子は、相撲は日本ではなくモンゴルのスポーツだと思っているのでしょうか?きいてみればよかったかな…。

◆ここに出てくる16の物語のうち、6年生の児童がどれくらい知っていたかアンケートを取ってみました。6年生2学級計45名の結果は下記の通りです。(数値はパーセント)

 
読んだことが
あった
 
読んだことは
ないが、あらすじ
は知っていた
 
知らなかった
シンデレラ
93
スーホの白い馬
16
13
71
花さかじいさん
84
13
てぶくろ
60
11
29
赤ずきん
96
大きなかぶ
98
かぐや姫
84
11
桃太郎
96
白雪姫
87
11
ヘンゼルとグレーテル
67
27
金太郎
64
31
三年とうげ
89
つるのおんがえし
91
かさじぞう
93
浦島太郎
96
舌きりすずめ
69
20
11

この学校では「スーホの白い馬」と「三年とうげ」の数値が低いのですが、低中学年でどの国語の教科書を使うかによって変わってくるのでしょうね。
シンポジウムに行ってきました
2013年12月15日 (日) | 編集 |
以前こちらのブログでも告知させていただいた「2013教育シンポジウム -英語テストをどう変えるか― 入試・学力テストの改革」に行ってまいりました。直前のすごいタイミングで文部科学省から英語教育改革実施計画が発表されたばかりなので、おそらく主催者もパネリストも、直前になって変更をせざるを得なかった点も多々あったと思われますが、それはそれで意義のあるシンポジウムだったと思います。

きちんとまとまった形での報告ではなく、断片的な記述になりますが、記憶の新たなうちに、特にパネリストの方々の発言で印象に残ったこと、私が感じたことを書き出しておきます。

教育政策懇話会報告「次世代の学力調査・テストの在り方」

 手元の資料と会場前方のスクリーンに映し出された資料を見ながら話を聞いても、あまりにも内容が専門的で複雑で難しくてついて行けなかった…というのが正直なところです。では役に立たなかったか、というと全然そんなことはなくて、本来、テストとか評価はやはりこういう専門家の調査、検証、分析があってしかるべきで、指導法や精神論ばかりが先行している日本の教育界が、テストや評価の分野ではかなり遅れていることを実感しました。(何となく感じてはいたものの、私自身がこの問題からずっと逃げ続けていたように思います。反省。)
 現職の教員はもちろんのこと、塾や予備校の先生、入試問題を作っている大学の先生、教育委員会関係者(そしてついでを言えば、教育のことを本当にわかっているのかわかっていないのかわからないけど、教育に口を出す政治家)は、こうした専門家から謙虚に学ばなければいけないと思いました。

高卒で英検準1級

 先日、文科省から出されたこちらの資料には、高校卒業時に英検2級~準1級程度の英語力をつけることを(もちろん「目安」でしょうが)目標にしていると読み取れます。これについてパネリストのお一人は「この提言通りに小学校3年生から外国語活動が導入されて、小・中・高の英語教育がうまくかみ合えば、これは実現可能かもしれない。ただし、それは10年以上後ということになるので東京オリンピックは終わっています(発言した本人も会場も苦笑。)」
 そうなんですよね…すぐに成果が表れないのが教育。でも成果が表れないからと言って政治家が余計な口出しをすると教育政策は失敗しますし、すでに日本はこの手の失敗を何度も繰り返していることを大人全員が猛省しなくてはなりません。

「多忙感・負担感」と「必然性・必要感」のバランス

 「学校の教師とりわけ小学校の先生は多忙であっても子どもたちにとって「必要」なことであれば頑張る。一方、必然性のないものを押し付けられると負担感ばかりが大きくなる。」
 何となく頭ではわかっていたつもりでしたが、パネリストの方からすっぱりとこの一言が出たときは、自分の頭の中でもやっとしていたものが晴れたような清々しさを覚えると同時に、外国語活動が小学校の先生にとって「負担がないわけではないけれど必然性を感じる」ために、私たちJTEの影響力は良くも悪くも大きいんだろうな~、と痛感。やはり責任は重いです。高学年になってもお遊びの延長のような授業や、無理やり言わせたり指導要領の内容を逸脱してわざわざ英語嫌いを作ってしまっているような授業であれば、担任の先生に負担感しか残らないのは当たり前です。こういうことをきちんと意識して指導にあたることのできるJTE・ALTは果たしてどれくらいいるでしょう?

私立中学の入試

 私が一番関心が高かったのがこれ。もちろん現段階では私立中学校の入試に英語(外国語)が導入されるとしたら、どういう形式でどんな問題がよいのか(もしくは導入すべきではない、という選択肢も含めて)などということは議論されません。ただ、シンポジウムのコーディネーターを務められた吉田博彦さんも、上智大学の吉田研作先生もこの問題に触れてくださったので、個人的には嬉しく思いました。
 次の学習指導要領が改訂されて、小学校高学年で外国語が教科化されても、私立中学校の入試に英語や外国語を入れるのは見合わせてほしい、というのが私の本音です。もっとも次の指導要領が完全施行されると言われている7年後には中学入試そのものも大きく変わっているかもしれませんが…。(少子化の影響+景気回復が思ったほど進まず、中堅以下の私立の入試は「形だけ」になるとか。)
 例えば私の元勤務校は、2月1日、2日共に午前・午後と2回の試験があり、午後の回の合格発表は夜の10時頃です。さらに適正検査と作文を課す「適正検査型」の回もありますし、2教科受験型と4教科受験型が同時進行です。これを見ただけで職員の疲弊ぶりが目に浮かぶようです。(私が在職していた頃はここまで複雑ではありませんでした。)こんな中で、英語が入試科目に入るとしたら…「到達度を測る試験」でもなく「英語への(特に音声への)慣れ親しみやコミュニケーション能力の素地を測る試験」でもなく、「採点が楽な試験問題」になるのは目に見えています。
 とはいえ、たぶん私立中学校の入試に英語(外国語)が入って来るのは避けられないでしょう。そうなった場合に私にできることは、入試問題の中味や試験の実施方法が「グローバル化に対応した英語教育」に合致しているかどうか、厳しい目でチェックすることくらいかもしれません。良問を出している学校、悪問を出している学校を(名誉棄損にならない程度に)場合によっては学校名を出してブログで発信するのもありかと、ちょっと過激なことも考えています。

「50代の先生にいくら研修をしてもムダ」

…と思ったら、パネリストの中には私よりも過激な発言をする方がいらっしゃいました。もちろんこの方も50代の教員全員を批判しているわけではないでしょうが、この方の立場を考えるとちょっとこれは言い過ぎかな…とf^_^;。私が知っている50代の小学校の先生の中には、現職の小学校の先生をしながら通信制で中学校英語の教員免許を取られた方もいらっしゃいますし、たまたまご自身が海外旅行がお好きで留学経験も特にないけれど、中学校の若い英語の先生よりも英語がお上手なのでは?というベテランの方もいらっしゃいます。こういう方々の何よりの強みは、英語力そのものを伸ばすというより、子どもたちの全人教育の中で英語・外国語教育を活かす、という捉え方ができることです。

「(良質な)教員採用のためには景気が悪い方がいい」

 これも同じ方の発言です。まあ、これもわかるんですけどね。景気がいいときは、優秀な人材はどんどん企業に取られてしまいますから。でもこれも「それを言っちゃあおしまいでしょ」と思いました。…かく言う私は、バブルに入った頃の大卒です。何だか自分がポンコツと言われているみたいでした…というのはあまりにも被害妄想大きすぎですね(笑)。


あとは雑感としては、政治家や文科省は未だに「グローバル化=国際競争に勝つ」「外部人材=ネイティブ・スピーカー」という思想が根強いという点です。もちろんそんなことはどこにも書いていませんし誰も明言していません。でも某パネリストの方の発言の端々や文科省から出された資料を見ると、「現実をわかっちゃいないよね~」と思わざるを得ないのです。


その他、パネリストの方々の発言で思わずメモしたもの(=私にとって印象深い言葉)を羅列します。
  •  小学校での毎時間の外国語活動が目の前の児童にとってどういう意味を持つか。子どもたちは外国語活動を楽しんではいるが、このままでよいのか?今後ますます「楽しい」以上のものが必要とされ、出口を意識せざるを得なくなる。
  • 教育が政治に翻弄されている。
  • 学力テストがいつまでも変わらないのなら、そんなばかばかしいことにお金を使うべきではない。
  • 今までは経験と勘だけで試験問題を作って採点して人を振り分けてきた。(<元教師で高校入試問題も作ってきた立場の私としてはとても耳の痛い話です。それだけに冒頭の報告は難しい話ではありましたが、とても貴重な提言でした。)
  • 品質管理に厳しい日本人なのに、テストに関してはチェックが甘い。
  • 長期のしっかりした政権のときに大きな教育改革が起こる。過去の例では佐藤内閣と中曽根内閣。さて安倍内閣は…?
  • 単に「こういう教え方をしましょう」という教育法の議論だけでは改革はできない。
  • 教育改革をドラスティックにやるためには教員をそっくり入れ替えるしかない。
  • 教員養成に関わる大学の先生をまず変えなくてはいけない。
  • ALTのAは assistant だが、今後は「助手」ではなく単独で授業ができる人材を養成する。
  • 高学年の外国語を週3コマ相当実施するために「総合的な学習の時間」を削るということはあってはならない。
  • すでにモジュールを使って外国語活動を実施している学校にとって、文科省から出された実施計画は無理がある。限られた枠・箱の中での優先順位のつけ方の議論が必要。
  • 帰国子女の調査から、外国の文化や言語にふれるほど、日本人としてのアイデンティティが強くなることがわかっている。
  • 東京オリンピック・パラリンピック+おもてなし、という言葉だけが踊って、「何でもあり」になりそうな異様な事態。


今日はTEAPについても触れられました。詳しくはこちら
http://www.eiken.or.jp/teap/
このテストには私も注目しています。

私にとって有意義だったのは、私立中学の入試をはじめ、英語教育に関して自分が日ごろ感じていること、危惧していること、疑問に思っていることが取り上げられた点です。特に上智大学の吉田研作先生とコーディネーターの吉田博彦氏の両「吉田さん」のおっしゃることは、私が考えていることとかなり一致していて、ほんの少しだけ自分の英語教育観(勘・感)に自信が持てました。自分は英語教育界、特に児童英語の世界では(悪い意味で)異端児なのでは?という不安があったもので…f^_^;。

うん、やっぱり私にとってのオピニオン・リーダーは吉田研作先生です

まさかの5連休(-_-;)
2013年12月14日 (土) | 編集 |
冬休みまでまだ間があるというのに、今日はまさかの5連休の真ん中です。セミフリーランスの私にとって、夏休み、ゴールデンウィーク、年末年始以外にも5連休というのはたまにあるのですが、今回は想定外でした。

それというのも学期に1回訪問している離島の研修が中止になってしまったからです。学校の都合や私の都合ではありません。原因は伊豆諸島周辺で吹き荒れた憎き強風。一昨日の朝、5時に起きて、まだ暗いうちに家を出て、途中の池袋で私鉄からJRに乗り換えようとしたとき、JRの電光掲示板に「強風による遅延情報」が出ていたため、まさかと思って船会社のホームページを見たところ…欠航でした

まだ7時前でしたが、とりあえず先方の外国語活動担当の先生の携帯電話に連絡を入れて、結局は研修そのものを中止することになりました。残念

朝8時に「帰宅」すると、こちらは風もほとんどなく、雲一つない真っ青な空。あ~、青空が憎たらしい。明け方まで気合入れて研修の準備したのに~

…で、島の研修で費やすはずだったエネルギーは、来週の自分の授業の準備に注がれました。(せっかくだからゆっくり休めばいいものを、それができないのが私の性分)5年生は Hi,friends!1の Lesson7をやっています。クイズのところです。昨年は普通の絵カードの上に適当に穴をあけた色画用紙を重ねて“What's this?”をやりましたが、今年はパワーポイントを使うことにしました。私はパワーポイントにそれほど詳しいわけではなく、過去の研修で普通にプレゼンテーションソフトとして使うだけだったので、凝ったアニメーションなんぞは無縁だったのですが、今回は自分の勉強とお楽しみも兼ねて色々といじってみました。楽しい~!うん、これはなかなかおもしろいクイズになりそうです。

島の研修がなくなって一昨日はすっかり凹んでいましたが、おかげさまですっかり元気になりました。来週の火曜日が楽しみです

明日は当ブログでも紹介したシンポジウムに行ってきます

英語で授業を行うこと
2013年12月13日 (金) | 編集 |
ついに出ましたね。

http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/25/12/__icsFiles/afieldfile/2013/12/13/1342458_01_1.pdf

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20131213/k10013798391000.html

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20131213/k10013805631000.html

5年後には計画の「一部」を実施とのことですが、たった5年でどれだけのことが実現できるのかは疑問です。教員養成はおそらく一番時間がかかるでしょう。

中学校の英語の授業も原則英語ですすめる、とありますが、中学校の英語の先生でまともな意識と指導力を持っている人にとっては「何を今さら」でしょう。私が学生だったとき(20年以上前です^^;)に、英語科教育法の授業では「英語で授業をする」ことを前提に講義も実習もすすめられていましたから。

さて、このニュースを受けて、私がざっと思いついたことを書き連ねます。

1.「英語で授業を行うこと」自体を目的化しない

 ほとんど(あるいはまったく)日本語を使わずに50分の授業を行うことには賛成ですが、それ自体が主たる目的にならないように気をつけなければなりません。大事なのは「生徒が英語によるコミュニケーション力をつけること」であって、そのためには「日本語による説明中心授業ではなく、英語を使った双方向性のある授業の方が効果的だから」という理由づけがあってしかるべきです。英語で授業を行うことはあくまでも「手段」にすぎません。


2.安易にALTや民間企業に頼らない

 「英語で授業を行う」ことになった場合の最悪のシナリオは…「現職の日本人英語教師で、英語だけで授業を進められる人材が不十分」→「だからやはりALTが必要」→「でも自治体でそういう人材をさがすのは大変」→「これは民間の派遣会社に頼まなくては…」です。

 英語を外国語として学ぶ苦労やつまづきやすい点をわからないまま、そして中学校における英語の授業というのは(民間の英語教室や英語学校と違って)他の教科も学ぶ中での一つである、という意識をもっていない派遣ALTが、本当に効果的な授業を行えるのか疑問です。というよりはっきり言えば無理でしょう。

 じゃあ、どうするか?答えは簡単。現職の中学校の先生が、英語で授業を行えるよう力をつければよいだけの話です。ただし、これは英語力だけの問題ではありません。英検1級を持っているとか、帰国子女でバイリンガルに近い先生が、よい授業をするとは限らないからです。「英語を英語で教える」指導技術を持っている人でなければなりません。英語だけで授業を進められる教員が少ない、のは採用する側の責任でもあることを、教育委員会にはしっかり受け止めてほしいです。

 英会話学校を経営したり、英語教材を出版している企業にとっては、おいしいビジネスチャンスでしょう。「弊社は英語で英語を教えるノウハウを持っています。だから先生方の研修はお任せください。」とさかんに売り込む企業がますます増えるのでしょうね。

 でも冷静に考えてください。こうした企業が唱える「英語で英語を教える方法」は果して本当に中学校、高校向けのメソッドでしょうか?中学・高校の英語の先生が民間主催の研修を受けるのはよしとしても、そこで学んだノウハウがそのまま学校の教室内で活きると思ったら大間違いです。「では学んだことを、目の前の生徒にとって最良の形にするにはどう応用すべきか?」を考えなくてはなりません。

 「学校の先生方に我が社のメソッドを学んでいただければ、生徒さんにこういう力がつく」という大前提があって、その結果として利益を得るのであれば大いに結構です。言葉は悪いですが、教育委員会や学校を金蔓として見る業者ではなく、教師の先にいる児童・生徒の(知的な)利益まで考えて事業ができる企業を、教育委員会や学校の管理職がきちんと見抜いてくださることを切望します。


3.教員採用の際、英語力や海外滞在経験だけを重視しない

 繰り返しになりますが、英語だけで英語の授業を実施するためには、もちろん英語力は不可欠です。でも英語力が高ければよい、というものでもありません。教壇に立つためには、それ相応の人格が必要であることは言うまでもありません。

 私自身、小学校でもほぼ英語だけで外国語活動をすすめていますが、英語力の他に絶対的に必要なのが教材研究と立案力です。どんな教具や視聴覚教材を使えば日本語での説明なしに児童に理解させられるか、どういう順番で何をどうするか、担任と自分がどう役割分担をすればよいか、どういう英語の指示+担任や児童の動きがあればわかりやすいか、など、細かい段取りや緻密なシミュレーションをした上で、それを担任の先生にもわかる形で紙上に落とすのはそう簡単ではありません。

 中学・高校時代をほとんど(あるいはずっと)海外で過ごしたため日本の中学・高校の現場を知っているのは教育実習のときだけ、という「英語が堪能な教師」が、他教科の同僚や保護者とうまく人間関係を築いて行けるかどうか(もちろんできる人もいるでしょうが)考える必要があると思います。私の元同僚に、これに近い人がいましたが、保護者に対して正しい敬語が使えず、明らかに教師としてのモラルにも欠ける人がいました。(受験生の保護者対象の学校説明会でTシャツという服装はありえないでしょう。ただ、彼女を採用してしまった管理職にも責任はあります。)


 そうは言っても、私の課題はやはり英語力。どのような形で英語教育に関わるにしても、やはりこれがなくてはね。さ、これからまた勉強しようっと
 
まるまる45分…
2013年12月12日 (木) | 編集 |
JTEとして勤務している学校のうちの1校では、6年生が Hi, friends!2の Lesson7を学習中です。文科省の提示通りに進めている学校と比べるとやや変則スケジュールです。

このレッスンの最初の2ページについては前々から温めていた案があり、今週、それを実行に移しました。文科省案を見てずっと残念に思っていたのは、p.26, 27 をなぜもっと膨らませないのか、という点です。私はこの2ページだけで45分まるまる使いました。「桃太郎」にはまだ触れていません。

授業前半のおおまかな流れは以下の通りです。
  1. デジタル教材を起動し、p.26, 27 の Let's Play を表示しておく。
  2. 児童にワークシート(と言っても日本語での簡単な指示と罫線のみ)を配り、Hi, friends!2の p.26,27 から世界の有名な物語に関する絵を探し出させる。見つけたら物語の題名をワークシートに日本語で書く。ペアで相談OK。2~3分。
  3. CD2-2トラック#23~38を通して聞かせ、新たに気づいた物語があればワークシートに書き足させる。
  4.  2. と同じトラックを、今度は1トラックごとに区切って聞かせる。一時停止のたびに何の物語かをたずね、児童の返答後に英語の題名を伝える。(「浦島太郎」「金太郎」は人名のため英語でもそのまま。)
  5. その物語の絵がどこにあるかわかった児童が挙手。指名された児童はデジタル教材の画面からその絵を指す(もしくはマウスをクリック。) 

あとは4.5.を繰り返します。

これが終ったところで尋ねてみました。

“How many stories did you find?”

当然、“Sixteen.”という答えが大半を占めるのですが、なぜか“Seventeen.”という子もいました。なんで実はこの子、金太郎とクマが相撲をとっている左横の動物を見て「カチカチ山」だと思ったそうです(笑)。

次は物語と国を結びつける活動です。(児童が上記の1.2.に取り組んでいる間に、経度0°が中心の世界地図を黒板に貼っておきます。)

まずはモンゴルの国旗を見せて、“Which country's flag is this?”と尋ねます。6年生ともなれば、何人かはすぐに「モンゴル」と答えられます。そこで私が“Mongolia.”と英語での国名を言った後、“Which story is from Mongolia?”と尋ねると、こちらもすぐに「スーホの白い馬」(感心なことに“Suho's White Horse”という返答もちらほら聞こえました。)と返ってきました。そしてボランティアの児童が、名刺の半分ほどの大きさの国旗を世界地図に貼り、全員でモンゴルの位置を確認します。

今度は物語の絵(デジタル教材からダウンロード)を見せて国名を考えさせます。「大きなかぶ」はすでに知識としてあるのか、“Where is this story from?”という問いには、わりとすんなり“Russia”が出ました。ここでもボランティアの児童に小さな国旗を地図上に貼らせます。

てぶくろ―ウクライナ民話 (CDと絵本)つづいて「手袋」。これはなかなか正解が出ませんでした。学校の図書室から“The Mitten”の絵本を借りて、表紙や挿し絵を教室の前で見せると、雪景色から「寒い国」というところまでは推測できたようです。「カナダ」「フィンランド」「スウェーデン」などなかなかいい所をついてきます。次のヒントでいよいよ国旗の登場です。やはり国旗博士(マニア?)ってどこのクラスにもいるんですね。国旗を見せたとたんに「ウクライナ」の声があがりました。ここでも Ukraine という英語での国名を私が言った後で、小さな国旗を地図上に置かせます。(これもやや難航^^;)


さんねん峠―朝鮮のむかしばなし (新・創作絵本 21)とどめ(?)は「三年峠」。そもそもこの話を知らない児童が多くいました。こちらも図書室から絵本を借りてきて「てぶくろ」と同じ手順で進めましたが、やはり大きなヒントになったのは絵本の挿し絵でした。(「中国」「台湾」という声もちらほらありました。)さて問題は国旗です。悩んだ挙げ句、北朝鮮と韓国の国旗を両方並べて貼りました。


…という一連の流れを、私が英語で質問し、子どもたちの既存の知識を活かしながら簡単な英語でやりとりをして、黒板には世界地図と小さな国旗、その横にはA4判の物語の絵と国旗を並べて…とやっているとあっという間に40分ほど経ってしまいます。

残った時間は、多くの子どもたちが知らなかった「三年峠」と「てぶくろ」のあらすじを、絵本を見せながら日本語で読み上げました。この2つの物語については想定はしていましたが、「スーホの白い馬」の話を知らない6年生が思った以上に多くいたのが驚きでした。国語の教科書が「光○」でないと、この名作に触れる機会もぐっと減ってしまうんですね。…う~ん、やっぱり教科書の力は良くも悪くも大きいです

実は凹んでいます
2013年12月04日 (水) | 編集 |
私が日ごろ講師を務めている研修は依頼内容も色々です。可能な限り研修を依頼してくださった学校や教育委員会や主催者のご要望を伺って、参加者のみなさまにできるだけプラスになるものを、と考えるのはプロとして当たり前のことなのですが、そうは言っても私にも得意、不得意は当然のことながらあります。

私の得意分野といえば…ズバリ「アクティビティの紹介と体験」。でも単に次から次へとアクティビティを紹介する研修は絶対にしません。たとえ先方の依頼内容が「明日すぐに使えるアクティビティをたくさん紹介してほしい」であったとしても、です。必ずそこに「このアクティビティは何が目的なのか」「外国語活動のどういう場面で行うのが効果的か」「このアクティビティを実施するときの留意点は何か」「ティーム・ティーチングであれば、これを実施するときの担任の役割は何か(それはなぜか)、JTE/ALTの役割は何か(それはなぜか)」というところまでしっかり押さえてお伝えしなければ、私の本来の仕事を果たせたとは言えません。

さて、アクティビティの紹介・体験だけに留まらず、必要な解説も添えた研修ができたとしましょう。学校単位の研修ではあまりないことですが、教育委員会や民間団体の主催による研修の場合、参加者からアンケートを取り、その結果を私に知らせてくださることもあります。そのアンケートによく書かれることで実は私が読んで凹む文言があります。それは…

「楽しかった」

「つまらなかった」「役に立たなかった」と書かれるよりはマシかもしれませんし、書いてくださった方に悪気がないのはよ~くわかります。

でも日頃から「楽しいだけの活動はだめですよ」と指導者の方々に言っている立場ですから、その自分が行った研修に対して「楽しかった」という一言が返ってくると、自分の(日本語の)コミュニケーション力不足を思い知らされてドーンと凹んでしまうのです。いえ、本当は凹んでいる場合ではなくて、先生方にとって「楽しい研修」ではなく「勉強になる研修」にするために自分に何が必要なのか考えなくてはいけないんですけどね…。

まだまだ修行が足りないと思い知らされます…