小学校外国語活動を中心に英語教育全般についてつぶやき中(*^_^*)
中学生のフォニックス
2012年10月25日 (木) | 編集 |
以前、こちらのブログで小学校外国語活動におけるフォニックス指導について私見を述べましたが、今回は中学校でのフォニックス指導についてです。

中学校は今年度から新学習指導要領が全面実施され、検定教科書も大きく様変わりしました。私が注目しているのはフォニックスが本格的に取り入れられるようになった点です。先日、参観させていただいた中1の授業でも、副教材を使ってフォニックス指導の場面がありました。先生の発音はネイティブ並みにきれいだし、生徒たちは先生やCDの後に続いて忠実に音をまねるので彼らの発音も素晴らしいし、先生が「誰か(副教材に書かれている単語を)読める人?」とたずねると中1でもどんどん手が挙がるし、指名されていざ読むと間違える子もいるのに、それでも積極的に手を挙げる生徒が続出…とここまで書くと理想的な授業に思えますよね。いえ、本当はこれだけでも十分評価できるのですが、自分が中学校の教師だったときからフォニックス指導に力を入れてきた者としてはどうしても腑に落ちない点がありました。酷評を承知で言えば、フォニックス指導ではなく発音指導にしか思えませんでした

授業後、失礼とは思いながらも授業者の先生に尋ねてみました。「先生はなぜ生徒たちにフォニックスを教えていらっしゃるんですか?フォニックスを教えることの目的をどのようにお考えでしょうか?」その先生のお答えは想定内でした。「いずれ学年が上がって長い文章を読むときに、文字を見て自力で音声化できないと多読にはつながらない。自分の力で読みのできる生徒を育てたいんです。」さらに私が参観した以外の授業でフォニックス指導についてどんなことを実践しているか質問を続けると、やはりこの先生がなさっているのは「自力で読める生徒を育てる」のではなく「教師やCDの音声を忠実にまねできる生徒を育てる」授業になってしまっているのです

もう5~6年前にも、先進的に小中一貫の英語教育に取り組んでいる自治体の研究授業で講師をさせていただいたことがありますが、そのときも中学校のフォニックス指導でとにかく多かったのが先生による“Repeat after me.”もしくは“Say after / with the CD.”でした。フォニックスのルールを活用して自力で読み書きのできる生徒を育てようと思ったら、基本のルールを教えて、ある程度の先生のモデルを示したら、試行錯誤を重ねながらも生徒が自力で読んでみる、書いてみるチャンスを与えないことには何のためのフォニックス学習かわかりません。フォニックス指導に関してエキスパートとも言えるある中学校の先生がこんなことをおっしゃっていました。「フォニックスのコツは『少なく教えてたくさん考えさせること』ですよ。」― 正に名言です。

やや上から目線の言い方になりますが、単なる発音指導にならないよう、そしてフォニックスのためのフォニックスにならないよう、「自力で読み書きができて文字によるコミュニケーションができる生徒を育てる」ことを中学校の先生には常に心がけていただきたいと思います

テーマ:小中連携英語教育
ジャンル:学校・教育
あの~、一応、研修なんですけど…^_^;
2012年10月10日 (水) | 編集 |
ある小学校で外国語活動の研修をさせていただいたときのちょっとした笑い話(?)です。

小学校外国語活動の研修では(特に研修の対象がJTEではなく担任の先生方の場合は)、できるだけ準備が簡単で使用教具が少なくて済むゲームやアクティビティを紹介するように心がけています。このブログでも何度か書かせていただいている通り、小学校の先生は英語だけ教えているわけではありませんし、外国語活動については未知の部分が多いと感じている小学校の先生も少なくないでしょうし、そのうえ準備に時間もエネルギーもかけるのは負担になるのではないでしょうか

研修と言ってもあまり堅苦しくなくて、先生方にも楽しく体験していただけて、なおかつ外国語活動で子どもたちのためになるように、と考えて、先日の研修でも何も道具を使わずにできるゲームやアクティビティをいくつかご紹介し、先生方には児童役で体験していただきました。一つの活動が終ると、指導上の留意点や担任の先生とALTの役割分担などについて先生方からご意見を出していただいてから次の活動に移る、という流れで進めました。初任の先生や他の自治体から異動していらして外国語活動を担当するのは初めてという先生方は、研修開始時にはとても硬い表情をしていらしたのに、児童役で色々な体験をしていただくうちにすっかり緊張が解けたようです良かった、良かった。

ベテランの先生方からは「このゲーム、児童集会のときに使えるんじゃない?」「これはルールをちょっとだけこう変えれば、体育の授業でも使えそう」という声が上がりました。さすが小学校の先生。一つ何かが胸にストンと落ちると、次から次へと子どもたちを動かすアイデアが浮かぶようです。もうこの領域では私なんぞはかないません。

ただ…そうした声に隠れて、私の隣にいらした外国語活動ご担当の先生(中堅の男性)がぼそっと一言…「これ、呑み会で使えそう…。」

やっぱり小学校の先生って想像力が豊か…かも…f^_^;。でもこういう一言が出るくらい、先生方にリラックスして研修を受けていただけたことは、私も素直に喜んでいます

おまけの1枚
都電ハロウィーン

研修会場の小学校に向かうときに乗った都電荒川線の車中にて。私が乗った電車はハロウィーン仕様でした。
テーマ:小学校外国語活動
ジャンル:学校・教育
5th graders can do it!
2012年10月06日 (土) | 編集 |
今日は研修ではなく、私がJTEとして勤務している学校での話です。先日、5年生が Hi, friends! 1の Lesson4を終えました。文科省の例通り4時間配当です

このレッスンの日本語タイトルは「好きなものを伝えよう」なので、I like ~. という表現があちこちで使われます。テーマや扱う表現、単語は英語ノート1の Lesson4とあまり変わっていません。一つ、大きく変わったのは好きな物が可算名詞の場合は複数形になるのですが、英語ノートの挿し絵はそのあたりがとても曖昧でした。例えば “I like rabbits.” という英文とウサギが1羽しかいない絵を線で結ぶ、という活動は、少なくとも私にとっては違和感たっぷりでした

さて、私が指導のお手伝いをしている5年生の話ですが、英語圏からの帰国子女もいますし、民間の英語教室に通っている子どもも少なくありません。おそらく都内では英語教室への通学率がわりと高い地域ではないかと思います。それでも Lesson4の1時間目は “I like apple.” “I like dog.” という英語が教室のあちこちで聞こえていました。だからと言って、担任の先生は取り立てて誤りを直そうとしたり、文法的な解説をするようなことも一切ありませんでした。T2の私はというと、 “I like apples.” “I like dogs.” と言うときに最後の “s” は不自然にならない程度にはっきり大きな声で発音するようにしました。また、ときには全員で言うときに “I like dog.” のような英語が聞こえた場合は「ん??」と言って少し大げさに耳を傾けるジェスチャーをしてみました。そうすると何人かの勘のよい子は私の意図することを察知し(?)、大きな声で “I like dogs.” と言うので、他の児童も少しずつ、そして何となく「ああ、最後に /z/ という音がつくらしい」とわかってきたようです

最後の4時間目。担任の先生の立案に沿って、隣同士や教室を歩き回って児童同士で好き嫌いのインタビューをしました。子どもたちからは “Do you like peaches?” “I don't like spiders.” という声が聞こえてきました。というより、文法的に間違った文はほとんど聞こえてきませんでした。一つ、理由として考えられるのが Hi, friends! の挿し絵が英語ノートより進歩したことです。児童用冊子もデジタルデータに入っている絵カードも、可算名詞は2つ以上描かれているので最初から複数形を導入することが無理なくできました。でもやはり、私は担任の先生がじっと我慢(?)して子どもたちを信じて、誤りを正そうとしたり文法説明をしなかったのが素晴らしかったと思います。5年生にもなれば自分で気づく力は育っているし、子どもたち同士で支援する力も育っているのではないでしょうか。

テーマ:小学校外国語活動
ジャンル:学校・教育