小学校外国語活動を中心に英語教育全般についてつぶやき中(*^_^*)
フルセンテンスで答えさせないことの効果
2012年06月29日 (金) | 編集 |
今週はある中学校で小中連携をテーマとした研究授業の講師を務めてきました。参観させていただいたのは中2の授業で、単元の目標は「未来を表す表現(be going to ~)を含む文を使って、相手の予定をたずねたり、相手の質問に正しく答えたりする。」ことでした

この日の授業は中2を担当している英語科の先生(T1)とALT(T2)の他に同校の他の英語科の先生と、同じ校区の小学校の先生も指導に加わり、計7名のティーム・ティーチング…というよりグループ・ティーチングでした。小中連携の英語・外国語活動の授業というと、中学校の英語科の先生が小学校高学年の外国語活動で出前授業をするという形式が多い中、こういう授業形態も小学校の先生方への意識付けという意味では効果的だと思いました。また、“What are you going to do this Saturday?” ― "I'm going to ~ (at +時間)." というやりとりを、生で数パターン生徒に聞かせることができたのはグループ・ティーチングの良さでしょう。さらに、中学生にとって、日頃接している英語の先生やALTが英語が話せるのは当たり前ですが、小学校の先生がたとえ少しでも英語を話して生徒のインタビューにも英語で答えることで「英語を積極的に使おうとする日本人のお手本」を示すことができたのではないでしょうか

もう一つ、授業の中で生徒同士のインタビューを聞いていて気づいたことがあります

自分が中2で be going to ~ を習ったとき、時間もつけて予定を言うのであれば、例えば

I'm going to play the piano at six.

のように主語・動詞を入れて言うことを要求されましたし、テストではフルセンテンス書かなければ減点の対象にもなっていました。自分が初めて中2を担当したのは今から20年ほど前のことになりますが、あまり状況は変わっていなかったと思います。強いて言えば、先生⇒生徒のQAだけでなく、生徒同士のQAが増えたくらいですが、"be going to" のパターンに慣れさせることが目的だったので主語、動詞も入れて答えさせていました。今にして思えば、小学生で英語を習っている子が少なかった時代、週4~5時間の英語の授業を受けてまだ2年目の子どもたちにとって、比較的長い文を正確に言わせるのはハードルが高かったかもしれません。当時の生徒の間違いとして多かったのは時間を言うときに at を抜かしてしまうことでした。どうしても単元目標である 「be going to+動詞の原形」に意識が行ってしまっていたのでしょう。

さて、研究授業に話を戻しましょう。このときの中2の発話で気づいたのは、“I'm going to ~”の部分はややたどたどしくても、ほとんどの生徒が時間を言うときにちゃんと at をつけていたことでした。もしかしたらこれは、とても些細なことかもしれませんが、小学校外国語活動の小さな成果の一つではないでしょうか

Hi, friends!2の Lesson6にも

What time, what time do you get up?
At seven. At seven. I get up at seven.

というチャンツが出てきます。英語を学び始めたばかりの子どもにいきなりフルセンテンスで答えることを強いるのではなく、まずは一番重要な情報である時間の部分を“At ~.”で言う機会がたくさんあると、中学生になって完全な文で言わなければいけない、あるいは言った方が望ましい状況になったときに、前置詞のようについ落としがちな単語もちゃんと入れて言うことができるんですね

小学校時代にフルセンテンスで言わせることがいけないとか無駄だ、というつもりは毛頭ありません。少なくともインプットとしては完全な文の形でたくさん聞かせることは大切だと思っています。ただ、小学校時代に "What time do you ~?" に対して、主語も動詞も入れた形で答えさせることを最初からねらってしまうことが果たしてよいのでしょうか むしろ At ~. というシンプルな形を使ってコミュニケーションをたくさん体験させることが、結果として中学校に入ってから成果として表れるような気がしました。

テーマ:小中連携英語教育
ジャンル:学校・教育
J社員じゃなくてJ-SHINE ^^;
2012年06月25日 (月) | 編集 |
昨日、知人から送られてきたメールに「J社員」という記述があったので思わず反応してしまいました。誤変換ではありません。ローマ字入力の日本語モードで「s」「h」「i」「n」「e」のキーを押すと「死ね」と出てきますから

今からもう何年も前にJ-SHINEの理事の方からお聞きした話です。
まだJ-SHINEが設立されて間もない頃でJ-SHINEの知名度も今よりずっと低かった時代、その先生が小学校英語に関連したある講演会で「ジェイシャイン」の話をしたところ、ある参加者から「へえ、正社員とか契約社員ではなくて小学校の英語指導者には新しい雇用形態ができたんですか?」と真顔で質問されたそうです

ところで皆さんは「J-SHINE」が何の略称がご存知ですか?
テーマ:小学校外国語活動
ジャンル:学校・教育
誕生曜日
2012年06月22日 (金) | 編集 |
ある小学校で4年生の英語活動の授業を参観させていただいたときの話です。扱っていたテーマは曜日。その中でちょっとおもしろい場面があったので紹介します

曜日と言えば、英語ノートや Hi, friends! にも出てくる♪Sunday, Monday, Tuesday ~♪の歌が歌われることが多いですが、全員でくり返し歌うだけでは子どもたちは飽きてしまうでしょう。ちょっと工夫して Sunday 以外の曜日から始めて替え歌にしてみる、という方法もありますが、この日の授業ではさらにふたひねり(?)加えていました

まずはひとひねり(というほどのことでもないかもしれませんが…)。そのクラスは横6列に並んでいたので、担任の先生とJTEが Sunday、あとは列ごとに各曜日を担当して7パートで歌っていました。最後の “Sunday comes again.” のところを全員で歌うと、途中が多少バラバラでも何となく一体感が生まれるのが不思議ですf^^;。あとはローテーションを組んで、色々な曜日から歌い始めていました。

次に担任の先生がグループに1枚、2002年4月~2003年3月のカレンダーを配りました。さすがに子どもたちはピンと来たようで、自分たちが生まれた年のカレンダーだとすぐに気がついていました。でもその次の反応がなかなかおもしろくて「俺って日曜日に生まれたんだー」などという声が聞こえてきて、まさに担任の先生の作戦(?)通り。今度は自分の生まれた曜日で手を上げながら歌っていました

さらに次はフルーツバスケットならぬ曜日バスケット。オニが好きな曜日(自分の生まれた曜日でなくてよい)を言い、その曜日に生まれた子が席を変わる、というルールでした。曜日によって多少のばらつきがあったものの、30名ほどのクラスで一番少ない金曜日生まれでも3名だったのでゲームとしては成立していました。オニが “Happy birthday!” と言ったら全員が席を移動していました

自分の誕生日は知っていても何曜日生まれか、というのは意外と知らないもので、子どもたちに自分の生まれた曜日をインプットするにはなかなか良い方法だと思いました。その「本物の」情報を活かして歌を歌ったりゲームをしたり、という担任の先生のアイデアにあっぱれ。ちなみに私は木曜日生まれです

今の小学生ってミレニアムイヤー生まれの6年生以外は21世紀に生まれた子たちなんですね…

テーマ:小学校外国語活動
ジャンル:学校・教育
バス内インプット
2012年06月19日 (火) | 編集 |
先日、J-SHINEのとある登録団体で、資格取得必修講座の講師を務めました。そのときに紹介したエピソードが受講者の方にウケたのでこちらでも紹介します…と言っても、口頭で語るのではなく文章にした場合はあまりおもしろくないかもしれませんが…

私が以前、JTEとして勤務していた小学校での話です。あるとき5年生の担任の先生が「英語活動で使っている歌のCDで予備があったら1枚お借りできますか?」と、私のところにやって来ました。幸い、学校で買ったものと私物と同じものが2枚あったので、私物のCDをお貸ししました。5年生は翌日から移動教室に出かけることになっており、担任の先生は「バスの中で英語の歌のCDをかけて、子どもたちが飽きたら止めます。」とおっしゃってCDをお持ちになりました

移動教室から無事に戻って担任の先生がCDを返しに来てくださったときに子どもたちの反応を聞くと…バスが出発してから目的地までの合計約3時間、バスの中ではずーーーーっと英語の歌が流れ、子どもたちは座ったままジェスチャーつきで大音量で歌っていたそうな…。しかも最後の曲まで流れたら止めればいいものを、担任の先生はガイドさんにリピート再生をお願いしたそうです。最初の曲が流れると子どもたちは「え~、またー」と言うくせに、前奏が終わっていざ歌が始まるとまた元気に歌い出したそうです

「子どもたち、よく飽きませんでしたね。」と私が言うと担任の先生曰く「うん、でも校長先生は内心うんざりしてたと思う。」(笑)。この話を聞いて私が同情したのは校長先生ではなく、運転手さんとガイドさんでした。とんでもない学校を乗せてしまったと思ったでしょうね

この担任の先生は「外国語活動、頑張らなきゃ!」と変に肩に力が入っているわけでもなく、でも私が作成した授業案には事前に目を通してT1の役割をしっかり果たしてくださっていたので、このクラスは打ち合わせがなくてもびっくりするくらいティームティーチングがうまく進行していました。別に担任がしゃかりきになって教材を手作りしなくても、あるものをうまく活用すれば子どもたちに英語に慣れ親しませることはできる、せっかく時間があるならバスの中で英語を聞かせよう、でも子どもが飽きたらやめよう、と実にシンプルに考えていらっしゃるところが素晴らしいです

この「バス内インプット」には担任の先生も私も想定していなかった副産物がありました。担任の先生の一言。
「朝っぱらから元気に歌って、体をいっぱい動かしたせいか、夜はよく寝てくれたのよ~


テーマ:小学校外国語活動
ジャンル:学校・教育
日付の言い方
2012年06月14日 (木) | 編集 |
昨年、ある小学校で6年生の外国語活動を参観させていただいたときの話です。英語ノート2の Lesson3をやっていました。子どもたちにとって日付の言い方(first, second などの序数の言い方)は初めてだったそうです。(もちろん塾や英語教室で習って知っている子もいたでしょう。)

その学校というより自治体の方針で、表向きには担任がT1、ALTがT2のティーム・ティーチングということでしたが、実質的には担任はALTの横で完全にアシスタント状態でたまに児童を注意するという状態でした。これだけでもちょっと残念な授業です。さて、肝心な日付の言い方はというと、ALTは日付を言うときに “One, two, three” は使わない、ということを何とか英語だけで子どもたちに教えたかったようで、黒板に野球のダイヤモンドを描き、ファースト、セカンド、サードという内野手のポジションを例に出しました。でも一部の男子が食いつくだけで半数以上の子どもたちはぽか~んとしていました。それでも勘の良い子は、前時に月の名前に触れて今度は数字がたくさん出てきたので、日付のことを言っているんだな、日付を言うときには One, two, three じゃなくてちょっと難しいんだな、ということが少しずつわかってきたようです

私が気になったのは授業後の担任の先生の一言でした。「野球の話をしてもルールを知らない子には何のことだかさっぱりわからないんですよね。」…だ~か~ら~、担任が主導にならなくてはいけないとあちこちで言われているでしょうに。(業務委託の問題などあるのもわかりますが、少なくとも他人事のように言うのはどうかと…。)ALTにほとんど丸投げしておいて、後から「これでは子どもがわからない」と言う担任の先生にほんの少し腹が立ちました

今度は今年度の話です。先日、やはり6年生の外国語活動を参観させていただきました。Hi, friends! 2の Lesson2をやっていました。今度も日付の言い方の導入の場面を見たのですが、ここでは担任の先生-児童-ALTの間でこんなやりとりが展開されていました。授業を録音、録画したわけではないので、私の記憶を頼りにできるだけ忠実に書きます

担任:(黒板に大きめのカレンダーを掲示)
    日本語で日付を言うときに「いちにち、ににち、さんにち」って言うかな?
児童: 言わな~い(あるいは無言で首を横に振る子もいた)
担任: じゃあ何て言うの?
児童: ついたち、ふつか、みっか…
担任: そうだよね。日付を言うときは「いち、に、さん」じゃないよね。
    それでは英語ではどうなんでしょう。
   (カレンダーを指しながらALTの方を向いて)
    Do you say “one, two, three”?
ALT:No. We say “first, second, third...”
担任: みんな聞いていたかな?“One, two, three”だったかな?
児童: 違う(再び、無言で首を振る子もちらほら…)
担任: 違うよね。
    では、英語の日付の言い方を(ALTの)先生と一緒に言ってみましょう。

日付の言い方の導入方法としてこれがベストかどうかという議論はさておき、担任主導とはこういうことではないでしょうか。担任の先生は日本語を使っていますが、無駄なことは一切おっしゃっていません。少なくとも野球の内野手の守備の話などは日本語でもわからない子にはわからないのであって、それよりも「日付を言うときは、数を数えるときと違う言い方をする」という日本語と英語の共通項に注目し、さらには説明するのではなく児童とやりとりをしたり、ALTから生の情報を引き出した点が素晴らしいと思うのです

…と思ったら、Hi, friends! 2の指導編(8ページ)には「数字とは違う、序数の発音について触れる。野球の1塁、2塁、3塁をヒントにするとよい」って書かれているんですねf^^;

テーマ:小学校外国語活動
ジャンル:学校・教育
トラブルシューティング
2012年06月11日 (月) | 編集 |
以前、このブログでもご紹介した2つのブログ(「NESTS公式ブログ」「Hi,friends!実践の記録」)にまたまた貴重な情報がアップされていました

私自身も「Hi, friends! のデジタル教材の動作が重い」という内容を何回か書きましたが、上記ブログの管理人さん(いずれも小学校の先生)がその解決方法を詳しく書いてくださっています。今でも「Hi,friends!  重い」などの検索キーワードでこちらのブログにたどり着く方がいらっしゃいますので紹介させていただきました。

Koji先生、おぐぉぐ先生、有益な情報をありがとうございました私もさっそく試したところ、バッチリでした
テーマ:小学校外国語活動
ジャンル:学校・教育
3年3ヶ月ぶり
2012年06月07日 (木) | 編集 |
今日もある小学校に行きました。でも今日は研修ではありません。3年3ヶ月ぶりにJTEを務めることになりました。この3年間は研修を主な仕事としてきましたが、最近は自分の言っていることが一人よがりになっていないか、現場を知らない机上の空論になっていないか、と少々おっかなびっくりになっていました

あまり特殊なカリキュラムを組んでおらず、できれば Hi, friends! を中心に外国語活動を進めている小学校で高学年を教えてみたい、などと贅沢なことを考えていたところ、それが実現できました(幸せ…)。あ~、やっぱり学校って楽しいな~

テーマ:小学校外国語活動
ジャンル:学校・教育
絵本好きにオススメ!
2012年06月03日 (日) | 編集 |
以前、当ブログでもご紹介した『英語の絵本活用マニュアル』の巻末に「英語の絵本クラブ」なるサイトが紹介されていて、とりあえずブックマーク登録だけしたものの、ゆっくり見たことがありませんでした。今日、ふと思い出して訪問してみました

色々な絵本が紹介されているだけでなく、会員登録をすれば絵本に関連したアクティビティの紹介を見ることができますし、アクティビティに使うカードなどの原簿をダウンロードできます。さっそく登録してサイト内のコンテンツを楽しみました。さらに、絵本の立ち読みやCDの試聴ができるサイト、絵本のオンラインショップへのリンクが貼ってあるので教材さがしをするときに便利です。あ、ちなみに私はこのサイトを運営している会社の回し者ではありません、念のため

オンラインショップもなかなか充実しています。小学校では「Big Book があるタイトルを知りたい」という声をときどき耳にしますが、そうした絵本さがしにも役立ちます

テーマ:小学校外国語活動
ジャンル:学校・教育