小学校外国語活動を中心に英語教育全般についてつぶやき中(*^_^*)
素朴な疑問
2011年11月30日 (水) | 編集 |
今までに色々な自治体の教育委員会から研修の依頼を受けたことがありますが、ときどき疑問に思うことがあります
学校や民間団体からの研修依頼ではなく教育委員会からの研修依頼の場合、たいていは英語・外国語活動担当の指導主事が同席しているのですが、よく聞かれるのが「文科省は~と言っているけど、うちの市は…だから」とか「英語ノートの評価規準はこうだけど、この区ではこうだから」という類の文言です

小学校外国語活動は教科ではありませんし、『英語ノート』の扱いも自治体や学校によってまちまちです。指導内容や評価規準も地域の特性を活かして、自治体や学校が独自に決めている場合も少なくありません。私は地域の独自性とか学校の特性を否定しているわけではないのですが、どうもこういうきれいな言葉に騙されて、肝心な子どもたちにとってどうなのか、という視点が欠落しているように思えてならないのです。実際に外国語活動の指導にあたっている小学校の先生方の声を聞くとなおさらそうした印象を受けます。政令指定都市の公立小学校の先生はまだよいとしても、都道府県の地方公務員として採用されている先生方がお気の毒でなりません。今、自分の勤務校がある自治体では「こういう方針、こういう指導内容、こういう評価規準」なのに来年度、別の自治体の学校に異動したらまたその自治体の方針を一から勉強しなおすというのはあまりにも酷だと思うのです。(ついでを言えば、研修講師の私も初めてお邪魔する地域の研修は、当たり障りのない最大公約数的な内容に留めなければならないので、かなり神経を使います

前の学習指導要領の改訂時に『総合的な学習の時間』に国際理解教育が盛り込まれ、悪く言えば自治体や学校のやりたい放題を認めてしまったツケが今になって現場の混乱として回ってきている、と言ってしまうのはあまりにも短絡的でしょうか。文科省の鶴の一声で全国の約2万校が右にならうべき、とは思っていません。ただ、教育委員会の関係者や英語・外国語活動に先進的に取り組んでいる管理職の方々が「うちの市(あるいは「区」「町」「村」)は云々」とおっしゃるたびに、どうも自治体どうしでつまらない張り合いをしているように聞こえてしまうのは私だけでしょうか。実際に指導に当たっていないお偉方が声高に何か言っても、それが現場の先生の忙しさに拍車をかけていたら、結局は子どもたちにしわ寄せが行くことは明白です。もっと物事をシンプルにしませんか
テーマ:小学校外国語活動
ジャンル:学校・教育
情報は誰のためのもの?
2011年11月28日 (月) | 編集 |
今年度いっぱいで配布が終わる『英語ノート』に代わって来年度4月から配布される教材の情報があちこちで上がっていますね。何でもタイトルは“Hi, friends!”というそうな…。(個人的な第一印象は「何てベタなタイトル」)

私が一番不満なのは新教材に関する情報の開示のしかたです。まずは文部科学省から都道府県および政令指定都市の教育委員会に伝達、というのはまあよしとしましょう。ただしそこから先、つまり小学校の先生方への伝わり方が速度も質も異なるのは腑に落ちません。「役所の仕事なんてそんなもの」という一言で片付けてしまってよいのでしょうか。(ちなみに極端な例かもしれませんが、先週、研修でお邪魔した小学校では先生方の多くが『英語ノート』が廃止になることすらご存知ありませんでした

この時代になぜ文部科学省は自分のホームページで情報を提供しないのでしょう
都道府県や政令指定都市にも文書で資料を配っているでしょうから、なぜそれと同じものをホームページに載せないのでしょう。こうすれば情報の伝わり方に不公平は出ません。何よりも文部科学省のホームページは私たち国民が収めた税金で運営されているはずです。なぜそれを有効活用しないのでしょう。一方で「ICTの活用」なんて言ったところで、役所のうわべだけのスローガンが白々しく響くだけ、と思うのは私だけでしょうか。

さらに私が不可解なのは、この新教材に関する記事が日本教育新聞には詳細に載せられているようなのですが、有料の会員登録をしないと記事全文を読めない、という点です。もちろん日本教育新聞だって商売ですから、タダで読めるようにして、とは言いません。問題は、こういう一部の機関に情報を握らせている(という表現はあまりにも過激でしょうか)文部科学省の姿勢です。民間企業から出される情報なら有料でも仕方ありません。でもなぜ省庁からの情報にわざわざお金を払わなければいけないのでしょう納税者である国民をバカにしているのか、の一言も言いたくなります。

ただ、そんな中でも良心的(?)と思えるのが慶應義塾大学の大津由紀雄先生のブログです。単に文部科学省からこういう発表があった、ではなく、大津先生のご意見が加えられています。

http://oyukio.blogspot.com/2011/11/blog-post_26.html

テーマ:小学校外国語活動
ジャンル:学校・教育
気持ちはわかるけど…
2011年11月13日 (日) | 編集 |
先日、久しぶりに知人に会ったときの話です。
彼女は小中学生向けに自営で英語教室を開いて何年にもなる児童英語指導のベテランで、数年前に J-SHINE も取得した人ですが、最近まで公立小学校での指導には縁のなかった人でした。その彼女がある公立小学校でJTEとして勤務し、契約期間を終えた先日、たまたま会ったときに感想を聞いてみました

「担任の先生は横にいたり後ろにいたりするだけで、自分の好きなようにできたから楽しかった~

民間、それも特に自営の教室での指導経験が長いJTEが陥りそうな状況にまさに彼女もはまってしまっていたのです。「自分の好きなようにできたから楽しかった」…気持ちはわかります。でも勘違いしないでほしい。JTEは、外国語活動の時間だけ担任の先生から児童を借りているわけではないんです。「学習指導要領をしっかり読み込んだから民間と小学校の違いくらいわかっている」というのは知識だけの話で、やはりJTEは「意識」も持ってほしいと思います。

彼女の場合は外国語活動の時間だけ学校にいればよくて、担任の先生も「この人は指導経験もあるし任せておけば大丈夫」と信頼してくれて、たまたま児童もいい子たち(?)で、1年未満の付き合いだから「楽しかった」で済んだのかもしれません。まあ、初めてのJTE体験が楽しい思い出だったのはいいことですが…。彼女のあまりにも正直すぎるこの言葉に愕然として、この間に何を指導したのかまでたずねる気になれなかったのですが、彼女がスキルに走った指導をしていなかったことを願うばかりです
テーマ:小学校外国語活動
ジャンル:学校・教育
英語教師として、研修講師として原点に戻る
2011年11月06日 (日) | 編集 |
プレゼンテーション・マインド「相手の聞きたいこと」を話せ!もう5年ほど前の話になりますが、私が児童英語、小学校英語の研修講師になりたての頃の話です。
この本の著者である大島武先生の講演を拝聴する機会がありました。確か1時間程度の内容でしたが、すっかり大島先生のファンになり、講演の後のサイン会では迷うことなく本を購入し、大島先生直々にサインをいただきました

この本を読む返すたびに、一人の教師として、さらには研修講師として原点に戻れるような気がします。タイトルが実にわかりやすいですよね。相手の聞きたいことを話すのは、講師として基本中の基本で当たり前のように思えますが、実際には私も含めて「自分の言いたいこと」が先行している場合が多いのではないでしょうか

もう一つ、大島先生の講演の中で印象的だったのは「自分が10話したことが10伝わるとは限らない。聞き手が受け取れる情報量は決まっているので、10のうち5しか聞いてもらえないこともある。それなら7話してそのうち6を理解してもらった方がよい」という内容のことをお話してくださったと記憶しています。なるほど、確かにそうですね

以来、研修講師として立案するときは量と質の両方を考えるようになりました。まず「質」は相手の聞きたいことは何なのかを熟考すること、そして「量」については、伝えたいことはいっぱいあるけれど、相手にとって有益な情報の優先順位をつけて欲張り過ぎないように気をつけています。食べ物も「腹八分目」という言葉があるように、研修の内容も詰め込みすぎず「また機会があったらこの人の話を聞きたい」というところで止めておくのがよいのかしら、と思うようになりました。

とはいえ、この本に出合ってから自分の研修がすべてうまく行っているわけではありません。確かなのは、時間ぎりぎりだったり自分でも上手く行かなかったと思える研修は、やはり自分の言いたいことが先に立っていることが多いのです。ときには「相手の聞きたいこと」そのものが上手くつかめずに苦い思いをすることもありますが、場数を踏んで自分に余裕が出てくると参加者の方の表情などから「あ、これは外れているかも」と気づいて、早めに研修内容の軌道修正ができるようになってきています
テーマ:研修
ジャンル:学校・教育