でも、やっぱり言いたい

次期学習指導要領移行期間、先行実施に向けて、小学校外国語・外国語活動に関わる資料が続々と文部科学省から発信されています…が、それでも「遅い!」と思っているのは私だけではないでしょう。やれやれ言うのは簡単ですが、年間指導計画や研修ガイドブックだけさっさと作って、肝心な教材は相変わらず後手後手、で「平成29年度中に研修せよ」って…あのねえ~。英語ノートから Hi, friends! に変わったときの反省が活かされていないのは大変残念です。

役所相手に文句を言っても子どもたちには何のプラスにもならない、だからできるだけ愚痴は言わないようにしようと思っていても、やっぱり文部科学省には「これはないよね~」と言いたくもなります。文部科学省のホームページで発表されている新教材の整備のスケジュールによれば、中学年と高学年両方のフルセット(年間指導計画例案・活動例案・学習指導案例・児童用冊子、指導書、デジタル教材)のデータが揃うのは来年の1月です。(高学年だけならもう少し早く揃うことにはなっていますが、ラインナップの最後にデジタル教材のデータが入手できるのは12月のようです。)

短い3学期中に研修をきちんとできる学校がどれだけあるでしょう?次期学習指導要領で変わるのは外国語だけではありません。来年度どうなるんだろ?少なくとも、私がJTEとして勤務している学校は、統合+校舎移転という別の大事業が待っていますが、自分が関わっている限りは、担任の先生と共にどうにか乗り越えられそうです。

フォントの話

夏休み、みなさまはどうお過ごしでしょうか。このところ、ゆったりな毎日を過ごしているせいか、ずっと前から気になっていたフォントのことを思い出したので書くことにします。

小学校外国語(活動)で、今や先生がプリントを自作して児童にアルファベットを書かせることも珍しくなくなってきました。個人的には、児童に負担がかからず、正しい方法で「書くこと」の指導が行われているのであれば、小学校外国語活動で文字を書かせることが一様に悪いとは思っていません。ただ、中学校の前倒しでもなく、児童の発達段階を考慮して効果的に「文字指導」あるいは「書くこと」の指導ができる先生は(中学校の先生も含めて、自戒の念も込めて)まだまだ少ないように思えます。

特に今はプリントを作るにもパソコンを使うのが当たり前になってきていることもあり、字体には気をつけなければいけません。おそらく中1を指導している先生は、プリントを作る際も板書する際も文字には一番気を配っているのではないでしょうか。(かつて私もそうでした。もっとも、中1対象の自作教材で英語の部分はかなり手書きでした。)これから小学校でも外国語あるいは外国語活動の時間に児童がアルファベットに触れる機会はどんどん増えて行きますから、小学校の先生はもちろん、JTEやALTも字体には敏感でなくてはいけないと思います。

具体的には、児童の目に触れる教材教具はもちろん、書き写させるのであればなおさら「読める」文字ではなく「まねてほしい」文字を示さなくてはいけません。よく問題になるのが小文字のaとgです。

小学校外国語・外国語活動で絵カードに文字を入れたり、児童向けのワークシートを作成するのであれば、よく使われる

MS P ゴシック

ではなくて、

ApriSchool.jpg

のような文字を使うべきではないでしょうか。

…が、残念ながら Windows の標準フォントでは、2番目のようなフォントは搭載されておらず、苦し紛れ(?)に Century Gothic が使われていることが多いようです。

Century Gothic

確かに Century Gothic はかなり手書きに近いものの、大文字と小文字が混在する場合に決定的にまずいのが、大文字の「I」と小文字の「l」が全く同じ形になってしまうことです。

その他に小学校の現場でよく見かける字体が Comic Sans ですが、児童が書き写すお手本として妥当かどうか、意見が分かれるところでしょう。

さて、私はどうしているかというと、とある教材(有料)に搭載されているフォントをインストールして使っています。上記の2つ目がそのフォントです。別に宣伝するわけではありませんが、参考まで

http://www.apricot-plaza.co.jp/products/20120

でも本当は、文科省が Hi, friends! Plus を開発したときに、フォントを作成した会社にライセンス料を払って、Hi, friends! Plus のワークシートと同じフォントを、各校がパソコンにインストールして使えるようにすべきだったのではないかと思います。文科省にしてみれば、あれだけ充実したワークシートがあるのだから、教師の自作教材なんぞいらないと言いたいのかもしれませんが、単語にしても文にしても、子どもたちが書けるようになりたい、教師が子どもたちに書かせたい内容は十人十色のはずです。実際に小学校で教える指導者(学級担任だけでなくJTE、ALTも)が、本来は好ましくない字体を使ってパソコンで教材を作成したり、わざわざ手書きで教材作成のために手間をかけたりしないで済むよう、お役所ももうひと頑張りしてほしいです。

もし、無料でダウンロードできるフォントで、小学校でも使い勝手の良いものがありましたら情報提供をお願いいたします

「モヤッと」のち「スカッと」

昨日に続いて「小中連携についてのつぶやきシリーズ第2弾」。今度はまた別の校区での話です。

小学校6年の外国語活動の研究授業に講師としてお邪魔したときのことです。会場校では外国語活動以外にも、同時進行でいくつかの教科で授業が行われていました。会場校と同じ中学校区の先生方、つまり中学校の先生だけでなく近隣の小学校からも先生方が参観に来ていました。この日の授業の終盤には書く活動が入っていました。とはいえ、児童はワークシートに予め印刷されたものから自分に合うものを「書き写す」という活動でした。

授業後の協議会には中学校の英語科の先生4名と近隣の小学校の先生の中で外国語活動に関心の高い先生方が参加され、合計15名ほどでした。研究授業のねらいの一つが小中連携だったのですが、私はどちらかと言えば中学校の先生の発言に注目していました。

「今日の授業では児童が活発に発言していて、こういう積極的な子どもを育てて中学校に送ってほしい。」「小学校のうちから書くことをやっていると中学校にもうまくつながるのでどんどん取り入れるとよい」「これだけ文字が書けるなら、音声も『エー、ビー、シー』という名前だけでなく『ア、ブ、ク』のような音も教えておくとよい」…この協議会って、小学校の先生が中学校の注文を聞くための会合だったっけ??そのくせ、Hi, friends! が導入されてからもう6年目にもなるのに、授業で使われていた Hi, friends! のデジタル教材の存在さえ知らず「今日やっていたチャンツのDVDって市販されているんですか?」という質問が出てきたときは、びっくり!でした。(え?それも知らずに小中連携の研究をやってきたの?で、小学校のことわかっていないのに上から目線で物を言ってるの?)以前よく聞かれた「小学校で英語嫌いを作るな」発言はさすがに出ませんでしたが…。

ここまででかなりモヤモヤしていて、最後に講師としてまとめの講評はどう言おう、と考えていた私でしたが、中学校の別の先生の発言を聞いてスカッとしました。

「子どもが文字や単語の音を認識して司ることができないうちは書かせても効率悪いですよ。ただの記号の練習にしかならないから。12歳という年齢と、今までの英語学習歴を考えたら、45分の授業のうち書かせるとしてもせいぜい5分がいいとこでしょう。」

よく言ってくださいました。おかげさまで私の講評もごくシンプルで済みました。中学校の先生が「小学校学習指導要領解説外国語活動編」をちゃんと読んでいれば、上記のような頓珍漢な意見など出るはずがありません。

…にしても、小学校にどうこう言う前に、Hi, friends! のラインナップくらい知っておいてよね。

小中連携 ビックリ!

先日、知り合いの校長(公立小学校)先生から意見を求められた案件がありました。この学校は高学年の外国語活動年間35時間すべてにJTEが入ってティームティーチングが行われているのですが、校長先生から意見を求められた内容とは…「近隣の中学校はどんどん生徒数が減っていて、英語科の先生の持ち時間が余り気味。来年度は高学年の外国語の授業時数が増えるので、6年の外国語の授業を担任と中学校の先生のティームティーチングにして、日本人の支援員の方は5年のみ担当してもらう予定。中学校の先生が小学校の外国語の指導に入ることで小中連携も上手く行くと思うのだが、どうか。」

この話を聞いて私が気になったのは理由です。中学校の先生が出前授業のように小学校高学年の外国語活動に関わる取り組みはあちこちで行われていますし、円滑な小中連携のための成果が出ている事例があることも知っています。ただ、「持ち時間数が余っているから」という理由で来られてしまっては、小学校にとっていい迷惑ではないでしょうか。上記の案は、それぞれの学校の校長が単なる数字合わせのために思いついたのか、教育委員会がどうにか中学校の先生の仕事を増やして給料に見合うようにしたいのかわかりませんが、肝心な中学校の英語科の先生はどう思っているのでしょう。新入生が小学校時代にどのように学んで来るのか生の姿を見て、中学校での自分の指導に役立てたいと本気で考えているのでしょうか。

この学校の状況は何年か前から存じ上げていて、前の副校長先生からは、その中学校の英語科の先生から「小学校でアルファベットをきちんと読み書きできるよう指導してほしい」「英語嫌いを作らないでほしい」といった理不尽な要求が来ているという話も聞いたことがあります。中学校の先生も異動がありますから、上記のように小学校の外国語教育に理解のない先生は今はその中学校にいないかもしれません。また、小学校のJTEの方は担任の先生との関係がうまく行っていて、指導力もあると思われるだけに、彼女が5年生しか担当しないのはもったいないような気もしました。あくまでも推測ですが、小学校の担任の先生方はおそらく校長案に大反対でしょう。

私から校長先生にお伝えした内容をざっくりまとめると…「中学校の先生が、小学校外国語(活動)についてきちんと勉強しないまま小学校で指導をすると、中学校の前倒しになり、児童のためではなく中学校にとって都合のよい授業になりがち。単発の出前授業なら児童にとってよい体験の場になるかもしれないが、通年となると小中連携どころではなく児童にマイナスになる危険さえある。。私自身、元中学校の教師だったが、小学校で教える前に何十時間も児童英語についての研修を受け、現場に入ってからも勉強不足を痛感してあちこちに足を運んで勉強して、どうにか授業ができるようになった。いくら持ち時間が少ないとはいえ、現職の中学校の先生がそれだけの勉強をする時間があるか疑問。学級担任も部活の顧問もなし、というならまだ可能性はあるかもしれないが。」元中学校教師の経験を踏まえて力説しました。

中学校の先生に、小学校の担任の先生方や児童から謙虚に学ぶという姿勢がない限り、この案はおすすめできません。ただ、おそらく時間割が組めずに教務の方からNGが出されるのではないかと思っています。

ただでさえ小学校の先生方の間では来年度からの外国語教育について日に日に不安が募っているというのに、こういう爆弾発言ができるよね…と驚きを隠せませんでした。

情報選別力

久しぶりの更新です。この間に、文部科学省からは色々な資料が新しく出て、自身の情報処理が追いついていません。さしあたって私が注目している情報は以下の2件です。(いずれも文部科学省ホームページ内にリンクしています。)

小学校の新たな外国語教育における補助教材の検証及び新教材の開発に関する検討委員会(第4回) 配付資料
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shotou/123/shiryo/1387431.htm

(次期)学習指導要領解説
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/1387014.htm

私もできるだけ注意して文科省のホームページを見て最新情報を得ようと務めていますが、何しろ情報量が多くて欲しい情報がいつの間にか公開されていた、なんてこともあります。

次期学習指導要領の内容だけでなく、移行措置・先行実施について色々な情報が飛び交うと、デマや噂レベルの誤解、誤情報もあちこちで聞かれます。こういう時だからこそ、冷静に正しい情報を選別して吸収したいものです。

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