小学校外国語活動を中心に英語教育全般についてつぶやき中(*^_^*)
個人の戯言ですが
2017年11月23日 (木) | 編集 |
あちこちの小学校に研修でお邪魔していると、必ずと言ってよいほど話題になるのが次期学習指導要領下での外国語、外国語活動のことです。ただ、高学年向けの教材 We Can! については、話題にはなっても先生方の関心が必ずしも高いというわけではなさそうです。心の中では「来年度、自分は高学年の担任にならないかもしれない。」と思っているのかもしれませんし、今のことでいっぱいで来年度のことは(関心がないわけではないけれど)考える余裕がない、という方もいらっしゃるでしょう。あるいはプログラミング教育や道徳への関心が高くて外国語は二の次だったり、時間数増でも教科化でも教材が変わってもALTがいるから任せておけばとりあえずはいいやと思っていたり、と理由は様々でしょう。

私の感触では、先生方は外国語・外国語活動の実際の指導のことより、高学年の授業時間数をどうやりくりするか、という心配の方が大きいような気がします。私が聞いただけでもこんな選択があることがわかりました。

①来年度から45分×70時間実施することを決定。登校時間を早め(これを歓迎する保護者もいる)、週1~2日は休み時間などを切り詰め、高学年は7時間目まで実施、あるいは今は全学年5校時までの水曜日を6校時までにしても14:30頃の下校を目指す。
【補足】私が2年前から研修でたびたびお邪魔している研究指定校は、昨年度からこの方法を実施していて、水曜日と金曜日は6校時終了が14:25です。(高学年は昨年度から45分×70時間の外国語活動を実施。)校長先生のお話では、地域や保護者から特に強い反対があったわけでもなく、この時程で軌道に乗ったので来年度以降も継続するそうです。

②来年度から年間70時間分、しかも45分×35時間と15分×105回で実施することを決定…したのはいいけど、15分×105回を1年間でどのように取るかは未定。(「各校の実態に応じて決めてください。」という教育委員会もあるそうな。これって結局は「丸投げ」ですよね…??)

③来年度から年間70時間分実施することを決定。45分×35時間は現行通りだが、増加分の35時間をどうするかは検討中。土曜日登校日に高学年だけプラス1時間やる?夏休み中に集中授業する?東京グローバルゲートウェイに連れて行って、それを授業時間数としてカウントする?…など

④来年度は年間50時間分実施。文科省が示した通り、プラス15時間は総合的な学習の時間に実施。

⑤(教育委員会内部では方向性は決まっているのかもしれないけど)未定。少なくとも校長会では何の伝達もなし。周囲の自治体の出方を見て決めるらしい。

個人的には④を選択した自治体が一番賢いか?と思っています。①の補足にあるような、すでに時間増で実施している学校はともかく、現行45分×35時間がいきなり倍になるのは、時間割の問題が解決したとしても、先生方にとってかなり負担になることは明らかです。(しかも文科省から出るはずの新教材に関する情報があまりにも遅すぎます。学習指導案とデジタル教材のデータを早く掲載してほしいものです。)一方、④なら来年度、再来年度に関しては週当たりのコマ数は増えませんから、先生方は時間割編成のために多くの時間やエネルギーを消費することなく、新たなカリキュラムや教材研究など、実際の指導に関わることに集中できるでしょうし、いわゆる「助走期間、助走区間」が確保されるわけです。

さて、2020年度の完全実施時にはどうなるでしょう?あくまでも個人の予測ですが、結局は週当たりのコマ数を増やさず、総合的な学習の時間を一律マイナス1時間にして外国語、外国語活動実施、なんていうことはあり得ないのでしょうか?文科省は、上記②のような選択をした学校から「負担が大きい」「15分では成果が期待できない」という声が上がるのを待っていて、「ね、だから45分×週2コマの方がいいでしょう?でも『働き方改革』を実現するためにはコマ数は増やせないし、いったん教科化が決定した道徳や外国語を領域に戻すわけには行かないから、総合的な学習の時間を減らすしかないんですよ。」なんていうシナリオが内々で出来上がっているのでは?と勘繰ってしまいます。

まあ上記は半分、私個人の戯言みたいなものですが、でも本当にそうなった場合、(言い方は悪いですが)ハズレくじを引いたことになるのは②のような選択をした自治体・学校ではないでしょうか。全校一斉ならともかく、高学年だけ15分×105回をどう捻出するかで頭を悩ませ、45分×70回を前提に文科省が作った学習指導案を、頭をひねって15分×105回用にアレンジしたものの、いざ短時間学習を実行しようと思っても生活指導をしているうちに時間が終わってしまったとか、デジタル教材がうまく動かなくてあたふたしていたら残り5分くらいになってしまったとか、そんなドタバタに振り回されたのに、実は④の選択をした学校の方が成果が出た、なんてことも十分に考えられます。挙げ句の果てに「2020年度からは全国一斉、高学年の外国語は(45分×)70時間、総合的な学習の時間は35時間」という通達が来て、「今までの苦労は何だったのか」と教務主任や高学年の担任を中心に疲労感だけが残る…いやいや、こんな酷い筋書はあってはダメですよね。

でも本当のところ3年後はどうなっているでしょう?現場の悩み、苦しみを役人はどこまでわかっているのかな??

英語教育推進リーダー
2017年10月28日 (土) | 編集 |
学校における英語教育のさらなる充実のため、文部科学省も東京都も「英語教育推進リーダー」事業を進めています。もしかしたら他の道府県でも東京都と似たような取り組みが行われているのかもしれません。

「国」の推進リーダーにも「都」の推進リーダーにも知り合いがいますが、彼らから話を聞くと事業の中身はかなり違います。違うことが悪いわけではありません。それ以前に、なぜこんな二重構造のようなことが起きているか理解に苦しみます。小学校の管理職でさえ、「国の推進リーダー」と「都の推進リーダー」が別々に存在することをご存知ない方もいらっしゃいます。

推進リーダーとなった先生方が本領を発揮するのはこれからでしょうが、少なくとも現時点で言えば、国にしても都にしても、この事業がどこまで有効か疑問です。推進リーダー候補として宿泊で研修を受けたり、地域の中核教員相手に還元研修を行ったり、英語圏に1~2か月派遣されて英語指導法を学びながら自身の英語力を上げたりといった様々な経験をしていますから、リーダー自身のプラスになっていることは否定の余地がありません。

が、彼らが校外で研鑽を積んでいる間、それを補う人材も動いています。また、リーダーが学んできたことを他の教員に還元するにしても、それがどこまで現場に浸透するのか、そして一番大事なのは児童・生徒にどれだけの利益をもたらすのか、を考えるとあまりコストパーフォーマンスがよいとは思えません。ここで言う「コスト」とは費用のことだけでなはく、リーダー本人とそれを取り巻く人たちが費やす時間やエネルギーも含めてです。もちろんこの事業はまだ進行中で、成果が見えるとしても数年後でしょうから断定はできません。

以前、推進リーダーの先生が講師を務める研修を見学させていただいたことがあります。受講者は地域の小学校から集まった先生方です。リーダーは学級担任やその他の校務分掌もこなしながら研修に参加し、還元研修の準備もしなければなりません。どんなにタフで有能な人でも、1日24時間は超えられませんし生身の人間である以上、エネルギーには限度があります。私は英語教育の専門家ですし自分も研修講師を生業としていますから、リーダーの先生が何を伝えたいのかわかります。でも、そこに参加している小学校の先生方は、もしかしたら「だから、現場で、実際の外国語活動でどうすればいいの?」という疑問を抱えたまま学校に戻っているような気がします。私が個人的に考えている問題点は2つあります。

一つは、リーダーが受けている研修の立案をしているのが海外の機関で、本当に日本の学習指導要領の中身や小学校における英語教育の歴史(というか現在に至るまでの紆余曲折?)を理解しているかどうかわからない組織のため、リーダーが勉強してきた内容と小学校の実態にミスマッチが起きている点です。もう一つは、リーダー自身があまりにも多忙で、学んできたことを咀嚼も消化もできていないまま研修講師を務めざるを得ない点です。ただ、これに関してリーダー本人を責めることは絶対にできません。むしろ、日々の校務をこなしながら健康を害さずに受講者と講師の両方を務めていることが奇跡とも思えます。

別の機会に、上記とは違う推進リーダーが行った、6年生の外国語活動を参観させていただきました。この先生のことは何年も前から存じ上げていて、私がT2として一緒に指導したこともあります。この先生からは、確かにリーダーとして研修を受けてきた成果が感じられましたが、その一方で事前に指導案を見た時点で「なぜこんなアクティビティを入れたのか?」という疑問もありました。この先生らしくない活動内容で目的も理解できなかったため、「もしかして海外派遣中に現地で習ってきたアクティビティを(児童の実態も考えずに)組み込んだのか?」と思いました。

授業後、その先生とお話ししたところ、私の推測が合っていたことがわかりました。

繰り返しますが、英語教育推進リーダー事業を根本から否定するつもりはありません。数年後、「あれは意味のあったことだったんだね。」と納得できる日が来るかもしれませんし、そう願っています。でも、正直なところ、あまり期待はできません。

こういう事業に税金や時間や労力を費やすくらいなら、JTEの質と身分の向上に充てた方がよほど現場のためになると思います。

まずは第一印象
2017年10月15日 (日) | 編集 |
文部科学省のホームページで、新教材(高学年分のみ)が公開されました。

トップ > 政策・審議会 > 審議会情報 > 調査研究協力者会議等(初等中等教育) > 小学校の新たな外国語教育における補助教材の検証及び新教材の開発に関する検討委員会 > 新教材説明会での配布資料について

http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shotou/123/houkoku/1382162.htm

高学年向けの新教材の名称は “We Can!” ですか…、ふ~ん。今後、文科省からさらに追加の資料がダラダラと順次公開されるようですし、私自身もすでに入手できる資料あるいは今後公開される資料を研究するうちに印象は変わるとは思いますが、現時点で児童向けの教材を見て感じるのは「(Hi, friends! 初見時以上に)これって、使い方間違えると『聞き取りドリル・書き取りドリル』になっちゃうんじゃないの?」です。

次期学習指導要領に示された「主体的な学び」と逆行しないのか?と感じました。もちろん教材はあくまでも教材であって、これを元に指導者が工夫をして児童に話すこと(「やりとり」と「発表」の両方)や書くこと(こちらは「書き写す」「慣れ親しみ」のレベルだそうですが)の力をつけて行くわけですが、担任単独指導、あるいはALTがいても公立小学校における英語教育について理解のある人でなければ、そこまで持って行くのはかなり大変ではないかと感じました。

デジタル教材の映像を見たり、教材の音声を聞いて児童がやることは「線結び」か「わかったことを(日本語で)書こう」という課題に偏っているような気がします。「話す」というアウトプットの前には「聞く」というインプットが大事なわけですが、ただ聞かせればよいというものではありません。児童が興味を持って主体的に聞こうとするような魅力的な教材であってほしいものです。

セミナーより教材の方が…
2017年09月26日 (火) | 編集 |
先日届いた案内です

http://www.nellies.jp/seminar/solution/2017autumn.html

今年も英語教材を扱う三社の主催で『英語教育ソリューションセミナー&教材展示会』が開催されます。この催し物は、単なる研修や講演会ではなく教材展示があって、しかもそこに出展している出版社が直々に教材の使い方を教えてくれるセミナーが同時開催されることが特徴です。プレゼンターは出版社の営業職の人ではなく(そういう仕事を兼ねている人もいますが)、教材の著者、執筆者であったり、実際にその教材を教室で使っている指導者であることが多いので、内容が実践的です。(…が、過去の経験から、セミナーには当たりはずれがあります。…おっと、また辛口!)

時間があまりない、という方はセミナーに参加せず教材の展示を見るだけでも足を運ぶ価値はあると思います。実は私もセミナーより展示の方が主目的です。イベント主催が本屋さんなので、在庫があればその場で教材の購入もできます。(当日限定の割引商品もあるかもしれません)参加費無料ですし、この秋イチオシ!のイベントです。
でも、やっぱり言いたい
2017年09月20日 (水) | 編集 |
次期学習指導要領移行期間、先行実施に向けて、小学校外国語・外国語活動に関わる資料が続々と文部科学省から発信されています…が、それでも「遅い!」と思っているのは私だけではないでしょう。やれやれ言うのは簡単ですが、年間指導計画や研修ガイドブックだけさっさと作って、肝心な教材は相変わらず後手後手、で「平成29年度中に研修せよ」って…あのねえ~。英語ノートから Hi, friends! に変わったときの反省が活かされていないのは大変残念です。

役所相手に文句を言っても子どもたちには何のプラスにもならない、だからできるだけ愚痴は言わないようにしようと思っていても、やっぱり文部科学省には「これはないよね~」と言いたくもなります。文部科学省のホームページで発表されている新教材の整備のスケジュールによれば、中学年と高学年両方のフルセット(年間指導計画例案・活動例案・学習指導案例・児童用冊子、指導書、デジタル教材)のデータが揃うのは来年の1月です。(高学年だけならもう少し早く揃うことにはなっていますが、ラインナップの最後にデジタル教材のデータが入手できるのは12月のようです。)

短い3学期中に研修をきちんとできる学校がどれだけあるでしょう?次期学習指導要領で変わるのは外国語だけではありません。来年度どうなるんだろ?少なくとも、私がJTEとして勤務している学校は、統合+校舎移転という別の大事業が待っていますが、自分が関わっている限りは、担任の先生と共にどうにか乗り越えられそうです。

シンポジウムに行ったものの…
2017年08月26日 (土) | 編集 |
今日は J-SHINE主催のシンポジウムに行って参りました。詳細はこちら

http://www.j-shine.org/forum.html

(下にスクロールして、基調講演をされたお二人の先生のお名前をクリックすると資料を閲覧することができます。今回、定員に達したためにおいでになれなかった方には朗報ではないでしょうか。)

基調講演もパネルディスカッションも、もちろん勉強にはなったのですが、「モヤッと」感が払拭できません。今日、登壇された方々のおっしゃることはごもっともですし、私も幾度となく頷きながら拝聴したものの、現実(学校現場)とのギャップもまだまだあるな~と感じています。登壇者が現場をご存知ない、ということではなく、「確かにおっしゃる通りになればよいけど、現場の教員(特に管理職)や役所(教育委員会)がそういう発想にはならないのよ~」という内容もありました。

そんな中でも私の心に一番引っかかったのが、モデレーターの吉田博彦氏(J-SHINE専務理事)が締めくくりとしてお話しになった中で「今日、ご参加の方から頂いた質問票の中には10年前と変わらないものがある」という一言でした。おそらく否定的な意味合いを込めておっしゃったと思われます。今日のシンポジウム全体としては、単に学習指導要領が変わるから必然的に現場も変わるというレベルではなく、教員の意識や文科省や教育委員会主導の改革など小学校から大学に至るまで英語教育史の中でも大きな節目を迎えていることを痛感しました。それにもかかわらず、10年前と問題意識が変わらない人がいるようです。

明後日、私はある小学校に研修に行くのですが、この小学校の先生の中にも外国語活動の取り組みに関しては時が止まっているのか?と思う方がいらっしゃいます。担当の先生が事前に各先生方から研修内容の要望を聞き取ってくださったのですが、「担任とALTの役割分担を教えてほしい」「文化について理解を深めるとはどういうことか」「小学校では日本語と外国語の言葉の違いを教えればよいのか」「挨拶なども含めて授業の進め方を教えてほしい」…何を今さら、と返したくなる内容ですが、それを言っちゃおしまいなんだろうな~、とも思います。ここはガマン、ガマン、できるだけにこやかに、平成20年代前半に研修をやっているつもりで臨まなくては…。それにしてもこれだけ基本中の基本の質問・要望が並び、そのうえに「簡単にできるアクティビティを教えてほしい」というリクエストまでつけて研修時間はたったの45分。これが現実です。

フォントの話
2017年08月03日 (木) | 編集 |
夏休み、みなさまはどうお過ごしでしょうか。このところ、ゆったりな毎日を過ごしているせいか、ずっと前から気になっていたフォントのことを思い出したので書くことにします。

小学校外国語(活動)で、今や先生がプリントを自作して児童にアルファベットを書かせることも珍しくなくなってきました。個人的には、児童に負担がかからず、正しい方法で「書くこと」の指導が行われているのであれば、小学校外国語活動で文字を書かせることが一様に悪いとは思っていません。ただ、中学校の前倒しでもなく、児童の発達段階を考慮して効果的に「文字指導」あるいは「書くこと」の指導ができる先生は(中学校の先生も含めて、自戒の念も込めて)まだまだ少ないように思えます。

特に今はプリントを作るにもパソコンを使うのが当たり前になってきていることもあり、字体には気をつけなければいけません。おそらく中1を指導している先生は、プリントを作る際も板書する際も文字には一番気を配っているのではないでしょうか。(かつて私もそうでした。もっとも、中1対象の自作教材で英語の部分はかなり手書きでした。)これから小学校でも外国語あるいは外国語活動の時間に児童がアルファベットに触れる機会はどんどん増えて行きますから、小学校の先生はもちろん、JTEやALTも字体には敏感でなくてはいけないと思います。

具体的には、児童の目に触れる教材教具はもちろん、書き写させるのであればなおさら「読める」文字ではなく「まねてほしい」文字を示さなくてはいけません。よく問題になるのが小文字のaとgです。

小学校外国語・外国語活動で絵カードに文字を入れたり、児童向けのワークシートを作成するのであれば、よく使われる

MS P ゴシック

ではなくて、

ApriSchool.jpg

のような文字を使うべきではないでしょうか。

…が、残念ながら Windows の標準フォントでは、2番目のようなフォントは搭載されておらず、苦し紛れ(?)に Century Gothic が使われていることが多いようです。

Century Gothic

確かに Century Gothic はかなり手書きに近いものの、大文字と小文字が混在する場合に決定的にまずいのが、大文字の「I」と小文字の「l」が全く同じ形になってしまうことです。

その他に小学校の現場でよく見かける字体が Comic Sans ですが、児童が書き写すお手本として妥当かどうか、意見が分かれるところでしょう。

さて、私はどうしているかというと、とある教材(有料)に搭載されているフォントをインストールして使っています。上記の2つ目がそのフォントです。別に宣伝するわけではありませんが、参考まで

http://www.apricot-plaza.co.jp/products/20120

でも本当は、文科省が Hi, friends! Plus を開発したときに、フォントを作成した会社にライセンス料を払って、Hi, friends! Plus のワークシートと同じフォントを、各校がパソコンにインストールして使えるようにすべきだったのではないかと思います。文科省にしてみれば、あれだけ充実したワークシートがあるのだから、教師の自作教材なんぞいらないと言いたいのかもしれませんが、単語にしても文にしても、子どもたちが書けるようになりたい、教師が子どもたちに書かせたい内容は十人十色のはずです。実際に小学校で教える指導者(学級担任だけでなくJTE、ALTも)が、本来は好ましくない字体を使ってパソコンで教材を作成したり、わざわざ手書きで教材作成のために手間をかけたりしないで済むよう、お役所ももうひと頑張りしてほしいです。

もし、無料でダウンロードできるフォントで、小学校でも使い勝手の良いものがありましたら情報提供をお願いいたします

「モヤッと」のち「スカッと」
2017年07月18日 (火) | 編集 |
昨日に続いて「小中連携についてのつぶやきシリーズ第2弾」。今度はまた別の校区での話です。

小学校6年の外国語活動の研究授業に講師としてお邪魔したときのことです。会場校では外国語活動以外にも、同時進行でいくつかの教科で授業が行われていました。会場校と同じ中学校区の先生方、つまり中学校の先生だけでなく近隣の小学校からも先生方が参観に来ていました。この日の授業の終盤には書く活動が入っていました。とはいえ、児童はワークシートに予め印刷されたものから自分に合うものを「書き写す」という活動でした。

授業後の協議会には中学校の英語科の先生4名と近隣の小学校の先生の中で外国語活動に関心の高い先生方が参加され、合計15名ほどでした。研究授業のねらいの一つが小中連携だったのですが、私はどちらかと言えば中学校の先生の発言に注目していました。

「今日の授業では児童が活発に発言していて、こういう積極的な子どもを育てて中学校に送ってほしい。」「小学校のうちから書くことをやっていると中学校にもうまくつながるのでどんどん取り入れるとよい」「これだけ文字が書けるなら、音声も『エー、ビー、シー』という名前だけでなく『ア、ブ、ク』のような音も教えておくとよい」…この協議会って、小学校の先生が中学校の注文を聞くための会合だったっけ??そのくせ、Hi, friends! が導入されてからもう6年目にもなるのに、授業で使われていた Hi, friends! のデジタル教材の存在さえ知らず「今日やっていたチャンツのDVDって市販されているんですか?」という質問が出てきたときは、びっくり!でした。(え?それも知らずに小中連携の研究をやってきたの?で、小学校のことわかっていないのに上から目線で物を言ってるの?)以前よく聞かれた「小学校で英語嫌いを作るな」発言はさすがに出ませんでしたが…。

ここまででかなりモヤモヤしていて、最後に講師としてまとめの講評はどう言おう、と考えていた私でしたが、中学校の別の先生の発言を聞いてスカッとしました。

「子どもが文字や単語の音を認識して司ることができないうちは書かせても効率悪いですよ。ただの記号の練習にしかならないから。12歳という年齢と、今までの英語学習歴を考えたら、45分の授業のうち書かせるとしてもせいぜい5分がいいとこでしょう。」

よく言ってくださいました。おかげさまで私の講評もごくシンプルで済みました。中学校の先生が「小学校学習指導要領解説外国語活動編」をちゃんと読んでいれば、上記のような頓珍漢な意見など出るはずがありません。

…にしても、小学校にどうこう言う前に、Hi, friends! のラインナップくらい知っておいてよね。

小中連携 ビックリ案!
2017年07月17日 (月) | 編集 |
先日、知り合いの校長(公立小学校)先生から意見を求められた案件がありました。この学校は高学年の外国語活動年間35時間すべてにJTEが入ってティームティーチングが行われているのですが、校長先生から意見を求められた内容とは…「近隣の中学校はどんどん生徒数が減っていて、英語科の先生の持ち時間が余り気味。来年度は高学年の外国語の授業時数が増えるので、6年の外国語の授業を担任と中学校の先生のティームティーチングにして、日本人の支援員の方は5年のみ担当してもらう予定。中学校の先生が小学校の外国語の指導に入ることで小中連携も上手く行くと思うのだが、どうか。」

この話を聞いて私が気になったのは理由です。中学校の先生が出前授業のように小学校高学年の外国語活動に関わる取り組みはあちこちで行われていますし、円滑な小中連携のための成果が出ている事例があることも知っています。ただ、「持ち時間数が余っているから」という理由で来られてしまっては、小学校にとっていい迷惑ではないでしょうか。上記の案は、それぞれの学校の校長が単なる数字合わせのために思いついたのか、教育委員会がどうにか中学校の先生の仕事を増やして給料に見合うようにしたいのかわかりませんが、肝心な中学校の英語科の先生はどう思っているのでしょう。新入生が小学校時代にどのように学んで来るのか生の姿を見て、中学校での自分の指導に役立てたいと本気で考えているのでしょうか。

この学校の状況は何年か前から存じ上げていて、前の副校長先生からは、その中学校の英語科の先生から「小学校でアルファベットをきちんと読み書きできるよう指導してほしい」「英語嫌いを作らないでほしい」といった理不尽な要求が来ているという話も聞いたことがあります。中学校の先生も異動がありますから、上記のように小学校の外国語教育に理解のない先生は今はその中学校にいないかもしれません。また、小学校のJTEの方は担任の先生との関係がうまく行っていて、指導力もあると思われるだけに、彼女が5年生しか担当しないのはもったいないような気もしました。あくまでも推測ですが、小学校の担任の先生方はおそらく校長案に大反対でしょう。

私から校長先生にお伝えした内容をざっくりまとめると…「中学校の先生が、小学校外国語(活動)についてきちんと勉強しないまま小学校で指導をすると、中学校の前倒しになり、児童のためではなく中学校にとって都合のよい授業になりがち。単発の出前授業なら児童にとってよい体験の場になるかもしれないが、通年となると小中連携どころではなく児童にマイナスになる危険さえある。私自身、元中学校の教師だったが、小学校で教える前に何十時間も児童英語についての研修を受け、現場に入ってからも勉強不足を痛感してあちこちに足を運んで勉強して、どうにか授業ができるようになった。いくら持ち時間が少ないとはいえ、現職の中学校の先生がそれだけの勉強をする時間があるか疑問。学級担任も部活の顧問もなし、というならまだ可能性はあるかもしれないが。」元中学校教師の経験を踏まえて力説しました。

中学校の先生に、小学校の担任の先生方や児童から謙虚に学ぶという姿勢がない限り、この案はおすすめできません。ただ、おそらく時間割が組めずに教務の方からNGが出されるのではないかと思っています。

ただでさえ小学校の先生方の間では来年度からの外国語教育について日に日に不安が募っているというのに、こういう爆弾発言ができるよね…と驚きを隠せませんでした。

情報選別力
2017年07月08日 (土) | 編集 |
久しぶりの更新です。この間に、文部科学省からは色々な資料が新しく出て、自身の情報処理が追いついていません。さしあたって私が注目している情報は以下の2件です。(いずれも文部科学省ホームページ内にリンクしています。)

小学校の新たな外国語教育における補助教材の検証及び新教材の開発に関する検討委員会(第4回) 配付資料
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shotou/123/shiryo/1387431.htm

(次期)学習指導要領解説
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/1387014.htm

私もできるだけ注意して文科省のホームページを見て最新情報を得ようと務めていますが、何しろ情報量が多くて欲しい情報がいつの間にか公開されていた、なんてこともあります。

次期学習指導要領の内容だけでなく、移行措置・先行実施について色々な情報が飛び交うと、デマや噂レベルの誤解、誤情報もあちこちで聞かれます。こういう時だからこそ、冷静に正しい情報を選別して吸収したいものです。